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[ざぁぁ、ざぁぁ、と音がする。
海辺に建てられたアパートは、窓を開けるとすぐに波の音が響いてきた]
あー……ほんと、この音は変わんねぇなー。
[引っ越し荷物を解く手を止めて。
ぽつ、と零したのはこんな呟き。**]
─ ペットショップ&カフェ『EdesP』 ─
[動物の鳴き声があちらこちらから聞こえてくるバックヤードで、男は一匹の犬と対面していた]
……私のところで、この子を?
[会話の相手は、時折カフェを譲渡会の会場として貸し出している動物保護団体の代表。
先日、3歳のポメラニアンを引き取ったは良いが、誰にも懐かず餌も食べない様子にほとほと困り果てたのだという。
何故か、男には近寄り触らせもする、ということで白羽の矢が立った、というわけだ。
男は柴犬カットにされたポメラニアンに視線を落とす。
ポメラニアンは早速男の傍に寄り、足元に蹲った。
餌を食べていないと言うからには少なからず弱ってもいるのだろう]
…分かりました。
このまま放っておくわけにもいきませんし、こちらで様子を見ましょう。
[保護団体の代表に是を返すと、ホッとした様子で礼を告げられた。
代表は何度も頭を下げ、男にポメラニアンを託し去っていく。
それを見送り、男は短く嘆息した]
……ルウイ。
[男は柴犬カットのポメラニアン ── 柴ポメの名を呼んでみる。
柴ポメは返事をする気力が無いのか、こちらを見ることは無かった]
………。
[再び嘆息し、ドライフードとウェットフードを混ぜたものを柴ポメの傍へと置いてやる。
餌に気付いた柴ポメは、匂いを嗅いで確認した後、少しずつだが餌を咀嚼し始めた。
ひとまずの危機は脱したようで、男も安堵の息を零す。
傍に水の入った容器も置き、しばらく様子を見ることにした]
[不遇な境遇の動物を助けたいという男の夢を体現するために構えた『EdesP』。
以前はペットショップだけだったが、カフェを併設したことで夢の実現に近付き、今も尚その夢に向かって進んでいる最中だ。
その最中に発生した、保護動物の預かりボランティア。
動物の世話は慣れているものの、保護動物となるとやはり勝手が少し違った]
ルウイ。
[柴ポメの名をもう一度呼んでみるが、それに対する反応はない。
ただ、離れたところにいると、男を見つけて駆け寄ってくる。
人嫌いと聞いていたが、男に対しては警戒心を抱いていないようだった]
………。
[不可解に思えて、男は首を傾げて押し黙る**]
― 街中 ―
ふっふっふー。
やっぱ冬はコレっしょ。
[高校時代の友人との‟交渉”を終え、まだ温かい‟戦利品”を腕に抱え、歩く女はご機嫌であった**]
― 街中 ―
さぁてと。
[尻ポケから出した端末で時間を確認]
まだ時間あるな。
何かちょっと腹にでも入れて…?
[鞄についた にゃんこ師匠がユラリと揺れた**]
― 自宅 ―
[響く潮騒に目を細めたのは短い刹那。
紆余曲折を経て、実家近くの総合病院に新設される循環器科に務める事が決まったのはついこの間。
そして、通勤の便を考えて、実家ともまあまあ近い海辺のアパートに部屋を借りて越してきたのが二日前]
あー……挨拶周りもいかねーと、かなー。
[戻って来る、という話は、今の所実家にしかしていない。
そこから伝わっている可能性はあるが、何人かには知らせないとうるさいだろーなー、なんて思いつつ]
…………。
[伸ばした手が掴んだのは、スマホ……じゃなくて、煙草だった。**]
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