[1] 絞り込み / 発言欄へ
輝子さん!? 名前まで!?
[どの位置から見ても、ひと目でわかるベックの輝子さんは、どうやら外を警戒中らしく輝く眼差しは見えなかった]
なにって……体育祭だろ。
ラジオ体操やって選手宣誓やって100メーター走やって借り物競走して……
って抱きつくなよ暑苦しいな。
[むいむい押し返しても剥がれないのは経験済みだ。無駄な労力は使わない]
コハル元気だなあ。
というか、みんな元気だなあ。
[勝つぞ、おー と教室内でも上がる声。
わんわん、と犬の吠え声がした]
地味ったってしょうがないだろ。みんなの体操するわけにいかないし。
その割りにはやる気じゃないか。
[ちゃちゃっと三つ編みを始めるベックに、笑いを漏らす]
晴れて良かったな。
[視界に入ったアンに声をかけると、不思議そうな顔をされた]
いや。
てるてる坊主が首切られなくてよかったなと思って。
[言って、肩をすくめる。
何でもない、といって笑った]
第2は女子が嫌がりゃしないか――
しなさそうだな。
[ちらりと見た先は、内緒である。
手加減せん、と笑うベックに、似たような笑みを浮かべてみせる。多分、自分の方が悪い笑みだ]
そりゃあ、まあな?
負ける気なら、休むわ。
[言いながら、腕のばし]
んー?
まあ……
[信じているのかと言われると、ぽりぽりと頭を掻いてしまう]
まあ、神隠しがあったとして、でもてるてる坊主吊すのやめなかったんだから、悪いことばかりじゃなかったんだろうよ。
[言って、微笑んだ]
ラジオ体操競技。
何を競うんだろうな。
[微笑むチカノに、腕組みして悩んでみせる]
まあ、大丈夫だろ。
ベックの輝子さん、御利益ありそうだしな。
[自分の福笑いみたいなてるてる坊主は、見ないことにしておいた]
なんか笑顔のことはお前に指摘されたくねー
[のしっと重くなる肩。
無駄とは知りつつ、やっぱりぬぐぐとベックの顔を押し返すのでした]
芸術点か。
元気さはコハルがいれば大丈夫そうだな。
俺はマイナス点にしかなりそうにないので、身代わりにうちの犬を連れてこよう。
あれだろ。
あ〜た〜らし〜い あ〜さが きた〜
[音痴]
正直驚くぞ。
代々うちにいる犬だが、運動会が大好きだ。
[ふふんと自慢げに胸を反らした。
飼い主馬鹿だ]
だから戦力外だって言っただろうが。
……。
じゃあお前が歌えばいいだろオペラ歌手。
[犬並みと評された歌声。
離れていくベックに半眼になる]
[わん、と。
すぐ背後から聞き慣れた吠え声]
うお。
なんだマルゴロウ驚かす な ……?
[どす、と体当たりしてくる自分の愛犬は、誰にして貰ったのか「3年1組必勝」のはちまきをしている]
あれ?
[自分の足下にいるのは間違いない、マルゴロウだ]
じゃあ、あれは?
[マシロの前に鎮座して、自慢げに尻尾を振っている、マルゴロウそっくりの、微妙にシャープなあの犬は?]
[わん。
マルゴロウではない犬が、マシロに吠える。
どこに持っていたかもう一つ、土で汚れて布もかさかさなてるてる坊主をマシロに渡した]
[まあてるてる坊主の行方はさておき。
マルゴロウに似た犬は、マシロの呼び声には吠えるものの付いて行きはせず。
一度、マルゴロウを見ると、わん、と吠え]
お前、行かないのか?
[声をかけてもその場にじっと佇んでいて――]
[1] 絞り込み / 発言欄へ