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[大きく揺れた列車、咄嗟に何も掴まなかった理由はよく分からない。
はっきり聞こえたのは誰かの叫び声、
はっきり見えたのは、闇夜に散らばるタローカード
そして不思議な浮遊感―…‥
――『LA MORT-死神-』の死神が薄く笑った気がした。
その後は暗い闇、そう自分自身の髪の様に暗い闇。]
痛いのは嫌。
[甘い香りの中で、右手薬指の指輪の中の物を飲み干そうとしたか。]
[規則正しい音は、意識を深い所に沈める。
粗末な毛布と言えども、女にとっては心地の良い温もり。
その眠りを妨げるのは、遠い客車で行われている秘宝の争奪戦の騒がしさ――。]
私の眠りを妨げるのはなぁに?
[争奪戦から落ちた女にとっては、もう無関係な喧騒。]
死を恐れない―…‥
つまり神を恐れない―…‥
『La Maison Dieu-神の家』の逆位置ね。
[ふわりと毛布を頭から被り、甘い香りを周囲に漂わせながら、占い師の様な姿に――。]
何も見えないですわ。
だって見えたらつまらないですもの。
占い師の仕事は、一歩を踏み出す為のきっかけを作るだけ。
占いって、裏無いの言霊が隠されている言葉―…‥
[女はにっこりと妖艶に笑みを浮かべる。]
ふふ、私が本当の占い師だったら、真理が見えてるかもしれないけれど―…‥、
私はし甲斐無い――ですからね。
[男から渡されたチャイのカップを礼を述べながら受け取ると、小さく首を傾げる。]
眠れないのなら、お薬か、香でも焚きますわよ。
安心して下さいませ。
永遠のではありませんから――。
目的も無く、殺める事はしませんの。
[優しい笑みを浮かべる。]
そろそろ終わりなのかしら?
私も次の勤め先を見つけないといけないわ。
[困ったような口ぶりだが、表情は新しい獲物を探す獣の様な表情を浮かべて、]
今度は面白い書物に出会えたらいいんだけど、上手く行くかしら。
[荷物は殆どない。
でも女な身一つさえあれば、どうにでもなる。]
じゃ、御元気で。
[その姿は貨物車から消えた**]
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