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ブルータス、お前もか。
一体何人、競合相手が乗り込んでいるかわかりやしない。
さてどうする、この男、偽者とあれば起こして話を聞いてみたい気もするが…。
とはいえ、「閣下」だものな。騒がれたら、ちと面倒か。
[と声には出さず呟いて、静かにコンパートメントを後にする。]
[さすがに痕跡を消す余裕は無かったが―、短時間のうちに捜索はあらかた終わっていた。
ここに「財宝」は無い。―少なくとも画商の目指す物は無い。]
(わしの目指す物。)
[それを想う時、画商の脳裏には、一人の少女が像を結ぶ。]
―回想―
[落ち着いた色彩の、豪勢な、それでいて趣味の良い部屋の中。
一人の少女がイーゼルに架けられたキャンバスを前に佇んでいる。
そこに架かるのは、レンブラント風の、光線を駆使した柔らかな少女の肖像。]
どうした?気に入らないのかい?
[問い掛けに、彼女は振り向く。
それは、キャンバスの中にあるのと同じ顔。
ブロンドの、真っ直ぐな髪が縁取るその顔は、愛らしく、はにかんだ笑みを湛えているが、どこか寂しげだ。]
「いいえ、とても綺麗。
でも、ちょっと綺麗すぎて、わたくしじゃないみたい。
ねえ、次はあなたご自身のタッチで描いてみて下さいな。
―おにいさま。」
―現在・一等3号車付近―
[「閣下」の帰還に警戒態勢が解かれたか、不思議な事に無人の2号車通路を抜けて、3号車へ…。
入ろうとする所に何か気配を感じてふと目を上げる。
―と、列車の屋根の、「ニンジャ」のような小さな影と目が合った。]
さてもさて、3人目なり、ブルータス。
…いや、正確には何人かな?
[と、相手の目を見て話し掛けると、そのまま細い足首をむんずと掴んで抱きかかえるように引き下ろした。]
[頭巾を剥ぎ取ってみると、それは果たして食堂車で乾杯し合った少女その人。
怯える瞳に画商が映る。
顔立ちも、髪の色も、丸で違うが。
同じ年頃に、追憶の中の少女が重なり、ところどころ煤けたその顔に、ふと眼差しが柔らかくなる。]
まてまてまて![逃げ出そうと、もがく体を更に力を込めて抱きすくめる。]
乱暴はせんよ!ふむ、先ほど占いのマドモアゼルには振られてしまったようだからな。
どうかな、君はわしと協力せんかね?**
みんなのメモ見てると、やはり明日エピなの?(いまいち良く分からず)
だとしたら、ちょっと前の独り言が勘違いですいません、となります。すいません。
ちょっと村建て発言見直してこよう……。
─運転席─
でね。わしはこう言ってやったのさ。
「ウォトカでもかけておけ」ってな!
[ロシアンギャグに一人で大ウケしている]
これは…。
[二段ベッドの上にあれやこれやとぶちまけられた荷物をみて、思わず溜息。]
本人が散らかしたのか、
賊が侵入して荒らしたのか、わからないじゃない。
[大げさに肩を竦めながら、
ベッドの上を覗き込んでガサゴソと。]
あら…?
[彼の左腕にあった青い兎とお揃いの桃色兎が、
手荷物の中からこんにちは。]
こんなところで、かくれんぼ?
[ちょんと兎をつついて、]
お友達は行ってしまったわよ。…寂しいわね?
[そう声をかけながら、兎と共に部屋を後にした。]
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