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ふふふ・・・・。
自分の手で攫っちゃったよ・・・・・。
ふふ・・・ははははは・・・・。
[少し危険な目つきで、失神したように*眠りについた*]
[昨日カジノのスタッフから聞けたのは、マンジローもニーナもスロットをやっていたと言うことくらいで。試しにと自分もやってみたが、当たりは出ず、日が変わっても何も起きなかった]
…これは関係ないのかねぇ。
[自室で考え一人ごち。分からないと言った様相で頭を掻きながら部屋を出た。ラウンジに差し掛かり、何気なくメッセージボードに視線をやって…]
っ!
マジかよ…。
[目に入ったのはリューとギルバートの写真に突き立つ鋏。今までのを考えれば、おそらく2人の部屋に行っても姿は見当たらないだろう。部屋の検分は己一人より他のものも居た方が良いと判断し、各ブースに居ないかの確認を先に*行った*]
くるくると回る、宝くじの当選番号を決める的。
それみたいに、残りの人の名前を書いた円盤に向かってダーツを投げたの。
回転が止まったとき、ダーツが射抜いていたのはギルバートさんの名前だった。
待って、って、言おうとしたの。
でも声が出る前に、スタッフの人が彼を連れて行ってしまってた・・・。
これは騙していた罰が当たったの?
それとも、私がそうなるように望んだから?
少しでもゲームの終わりを遠ざけたいと、そう願ったから?
ゲームが終わったら、私の正体もばれてしまうの。
全てを知ったギルバートさんが、私をどんな目で見るか・・・それが怖い。
昨日、ギルバートさんが、私を信じると言ってくれて、凄く嬉しかった。
でも私は、ギルバートさんのことを信じるとは、言えなかった。
あまりにも白々しいと思って・・・。
ギルバートさんが居なくなって、いちごちゃんも居なくなって。
ひとりぼっち。
やっぱり、罰が当たったんだよね・・・。
なんでこんなお仕事、引き受けちゃったんだろうね・・・。
いちごちゃん、元気にしてる?
あ、この通信には独り言で返してね。
でないとそちらの人に正体が分かってしまうから。
ゲームが終わるまでは、隠していないといけないルールだから。
そちらの様子はどうかな?
みんな楽しんでいるのかな?
・・・楽しんでいるといいな・・・。
[ぐっすりと眠って、目覚める。久しぶりのすっきりとした朝。少し浮かれた足取りで身支度を整えると、鼻歌まじりに部屋を出る。
しかし、その足が凍りつき止まるのに、さほど時間はかからなかった]
[メッセージボードの自己紹介用紙。その写真に突き立てられた鋏]
――――――――っ・・・・
[目を見開き、穴が開くように何度も見詰め・・・やがて。糸を切られた操り人形のように、くたりとその場に崩れ落ちる]
[どこからか見ていたかのようにすぐさま数名のスタッフが現れると、気を失ったその身体は担架に横たえられ、スパ横の救護室に*運ばれていった*]
[今日こそは船内の探索をしようと、はりきって身支度(プールを調べるつもりだったらしく、水着姿になって)を整えて部屋を出たが、ふとメッセージボードを見て]
……!
また……?
でも、なんで……?
[混乱する頭の中で考えてみるが、いい考えは生まれずに「結局調査が先」という結論を出して足早に*目的地に向かった*]
[まぶたを緩く開けると、映るのはただただ白いだけの医務室の天井。じわりと涙が溢れれば、薄暗い室内に真四角に張られたスクリーンの白が滲み歪み、あるはずの無い像がぼやりと浮かぶ]
・・・大丈夫だよね・・・?
酷いことなんか、されてないよね・・・・?
[ぽつりとその相手に問いかけるも、またたきをした瞬間にほろりと涙は頬を伝い落ち、返事もせずに消え去るのみ]
・・・ぅ――――
[涙を拭うことも忘れ、声を殺し。自らの右手の甲にわずかに残る温もりに唇を寄せて・・・]
[図書館、カジノ、スパ、ミニシアター、レストラン。果てはサンデッキのプールまで見たがギルバートとリューの姿はなく。特に手がかりも見つからないままラウンジへと戻ってくる]
…やっぱ、前と同じようにアクターに連れ去られたんかね。
探しても居ないとなればそれしか…。
[ぶつぶつと呟きながらラウンジの椅子に腰掛けて。そう言えば他の奴はどうしたろうか、と一度ラウンジを見回す]
[どれだけ涙を流しただろうか、やがてそれも涸れ尽き・・・のろのろと起き上がるとベッドから降り、頬の涙の跡もそのままに覚束ない足取りで医務室から出る。船医が何か声をかけたようだが、...の耳には言葉として届かず]
鋏・・・。
[ふらふらとメッセージボードの前に向かい、ギルの写真に突き立てられていた鋏を抜き取ると、ぽかりと空いた鋏の孔を指でなぞる]
痛かったよね・・・。
[ふらりとラウンジを横切るメイを見つけると声をかける。しかし気付いた様子も無く通り過ぎられ、彼女はメッセージボードの前へと立ち止まった。その所作を見つめればギルバートの写真に刺さった鋏を抜き取る様子が見える]
……。
[その姿は言葉に出ておらずとも悲痛な叫びのように見えて。これ以上声をかけるのを躊躇われた]
[ふと何かの気配にメッセージボードから目をそらすと、その先には見覚えのある姿。視線がぶつかり、瞬間的に意識が覚醒する]
・・・カ、ミー・・ラさん・・・・。
[妙に間延びをしたような、おかしなイントネーションでその名を口にする。右手には抜き取った鋏を握ったまま、カミーラを見詰め]
・・・ねえ、カミーラさんなの?
ギルバートさんを連れ去ったのは、カミーラさんなの・・・?
[瞳は青黒く沈み、ゆらゆらと揺れて]
[ようやくこちらに気付いたメイからの問いに一度目を瞬かせ。それからゆるりと横に首を振る]
…いや、私ではないよ。
それを証明するものは無いが…私ではない。
[おかしな様子のメイに訝しむ表情を浮かべるも、その視線は彼女に見据えたままで]
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