魔女、ねぇ。
これ、も、そう言われるのか。
[揺らぐ煙草の煙を見る。
少し、ほんの少し、人よりも“何か”を感じられるだけなのだ、が。]
荷物は取り上げられなかったからな。
これがないと落ち着かん。
[咥えた煙草に火を付けた。]
魔女を見分ける方法、ってのはあるのかね?
何か聞いたか?
その、なんと言うか。
特殊な力を持ってる、とか。
それの判断方法とか。
[ユノラフ>>1に問いかけた。]
-法廷-
[服のポケットを叩くユノラフ>>5に笑い、煙草を差し出す。彼が受け取るのなら、火も貸しただろう。]
…あの黒い女には何も聞かなかった。
お袋が泣いてしまってね。それを宥めるのに大変だったものだから。
…魔女を探すって言ったって…どうするんだか。
裁判官の奴ら、特殊な力を持っている奴らを見抜く手段であるのか…。
[噂に聞く魔女裁判を思い出し、眉を顰める。]
[法廷から出ようとした時に、こちらへ入ってくる男>>7が見えた。]
…クレスト?
お前も連れて来られたのか?
[イルマも一緒ならば、そちらへも視線を向けて、驚いたように。]
…俺たちの中に魔女なんていないって分かって貰えれば、出して貰える、って話なら助かるんだがね。
[クレスト>>8に言う。続く言葉には、苦笑交じりだが幾分明るい笑みを。]
腹減ったってな。
牢はまだ見てないが、台所なんて無いだろう。
あるなら何か作ってやるがね。
牢屋、見てくる。
[今度こそ、法廷を出た。]**
[大切な指輪を無くしたと言う客に、探し場所を示した事があった。
そういう事がほんの少し見えるだけ。
それだけなのだ。]
…死にたく…ねぇなぁ…。
[母は…の帰りを待っているだろう。]
-廊下-
あぁ、どうも。
[見覚えのある男>>17からの挨拶に普段のように言葉を返す。]
修繕作業で来てるって訳じゃないよな?
…エリッキまでも、か。
どういう基準で選んでるのかね、此処は。
向こうで、ユノラフたちに会った。
[顎で法廷側を示す。クレストとイルマの名前も伝えただろう。]
俺も、裁判に引っ張られてきたんだよ。
仕事だったら有り難いんだがね。
[エリッキ>>21に答える。
名前を呼ばれ間違えていた気がするが、気にしない事にした。]
…現実味なんて全然ないな。
魔女なんて――なぁ。
[言葉を濁す。]
……少なくとも、あの黒服の女を怒らせた記憶はないな。
[基準の言葉に微かに目を伏せる。
疑われるにも、叩けば埃の出るにも、反応しなかった。]
[あの女の方が魔女みたいの軽口>>29には笑いかけたものの、続く言葉>>30には笑みを消した。]
…死にたくない。
此処がどういう場所かは、人からの話でも聞いてる。
[だから母は泣き崩れたのだ。]
…戻りたいと、祈っては、いる。
[やはり、目を伏せる。]
…………。
[イルマの言葉>>23を思い出した。
魔女を探す能力。
何となく嫌な予感は覚える事がある。
他者を見て、ほんの少しの違和感を。
それと同じようなもの、なのだろうか。
魔女が此処にいるとしたら、探り出せるのだろうか。]