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[薄らと白く染まった山道を、制服を着た一人の少年が歩いていた。白がかった金の髪に、少々幼い顔立ち。右手でキャリーバッグの取っ手を引き、左手で黒い傘をさしていて]
……雪は……
雪は喜ぶべきもの、ですか? ……
答えは、否、です。
[仄かに降る雪の粒を見ながら、少年は語りかける体で独り言を零す]
/*
入村時間がすごい被った。
お邪魔します。執事国初の若者。頑張って変な学生したいと思います。
あれ? 目標おかしい?
何故なら雪は彼らの侵略の一環だからです。
……それに僕は、寒いのは苦手です。
[やがて管理棟まで辿り着くと、傘を開いたまま振って雪を落としてから、閉じ、棟内へと入った。
ふくよかな主人に迎えられれば、辞儀をして]
どうも、失礼します。
僕は雨園孝治と申します。
ええ、今日からしばらく此方に……
[丁寧に挨拶をする。
傘置き場を示されると、首を横に振り]
いえ、これは。
傘を手放すわけには、いかないんです。
家屋への距離は、問題ではなく。
そう。
彼らから身をまもるためのもの、ですからね。
ええ、いいんです。
慣れています。そう、奇妙がられるのは。
真実、なのですけれどね。
[もっちり訝しげにする管理人、ネギヤに言われるまま、管理簿に自分の名を書き入れ]
[家屋の一つに着くと、雪を払って閉じた傘を、扉の横にある傘置き場にはやはり入れず、手にしたままで屋内に入った。靴を脱ぎ、キャリーバッグを壁際に置いてから、室内を見渡し]
……さて。
[荷物から形は様々な懐中電灯を幾つか取り出し、床の隅や椅子の上など、色々なところに設置していく。
その後アルミホイルを出すと、それで一番大きな窓を覆った。
傘を杖のように持ち、薄暗い部屋の中央に立って]
こんなもの、ですかね。
ええ、いいでしょう。わかっています。
少々欠けはありますが、この程度なら仕方ありません。
[少年の癖である、語るような独り言。
ふと、扉の方を見やり]
そういえば……
いえ。まあ、大丈夫ですか。
[呟いては、荷物の整理を*し始める*]
/*
どうにでも転べるように、な、つもり。
アルミ? 宇宙攻撃を防ぐためですよ!
……
↓今回はこんなテーマでいくかもしれない。
[乾飯を見つけた]
[荷物を整理し終えた後、家屋を後にして外へ出た。点々と家屋が並ぶ、静かな空間。黒い傘に白い雪の粒が落ちては、滑り落ち、一部は溶けて]
気を付けなければ。このような場所とはいえ……
彼らは。変わらずその目を此方に向けている。
[さく、と。小さな音をさせて一たび立ち止まる。僅かに震え、くしゃみをし]
……
寒いですね。全く。
ですが、この地は……
他の場所と比べて、「救済」が近い。
それがわかったからこそ、こうして来たんです。
寒さに凍えないうちに……
早く目的を達成したいものですが。
[くるりと小さく傘を回す。空いている右手でズボンのポケットから30cm定規を取り出し、じっと見つめて]
[家屋の一つの傍でしゃがみ込み、薄く雪の積もった地面に定規を当てる。30cm測った端からまた30cm、と、少しずつ距離を測り始め]
……、
[傘を手放す事はせず。近付く人物には、未だ気付かないでいた]
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