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―コンビニまでの道―
[還る雪が気になるのか、走るスピードは遅い。
空を見上げては首をひねって、
時折ゆらゆらと見える何かを見ては首をひねり]
今度見たらぜってー追っかけてやる!
[ぼっそり呟いたところで商店街へ向かう道の方に
ゆらゆらとしたものを見つけて]
いた!だーっしゅ!!
[そのゆらゆらに向かって走り出す]
[追いかけたゆらゆらは近づくと消えていく]
かーっ、ちきしょーっ!
[ゆらゆらがあった辺りの地面を踏んづけて
ひとしきりげしげしとやったあとに顔を上げた]
だれだ?ヒト?
[顔を上げた道の向こうにゆらゆらとしていない
人影を二つ見つけてくびをひねる]
まだ、消えてない奴がいる!
[驚いた拍子に雪が鼻に入った]
へ、へくしっ!
[抑える間もなく盛大なくしゃみが出て。
ずず、っと鼻をすすり上げた]
[不用意に近づいても…とさっき教訓を得たのか
様子をうかがうように人影にそっと近づいていたが]
あ!飴くれたねーちゃん!
[人影の片方がこの前公園で飴をくれた人物だと
わかればそちらへ駆け出した]
ねーちゃんも消えてなかったんだな!
[へへへーと少しだけ笑みを見せて]
これでえっと…
[指を折って数え、もう一人の人物を振り返って
また一本指を折った]
6人だ。消えてない奴!
[そう言って、見知った女の子の方を見上げた]
[頭を撫でられながら恥ずかしそうに俯いて
折った指を見ながら]
えっと…あと、イマリとおっさんと…
変な奴。髪が短い、ムカンシン女。
[そう言って見上げれば名前を聞いて]
オレ…デンゴ。
[短く名乗ってもう一人に視線を遣って]
あれ、ミナツねーちゃんの彼氏か?
[もう一人をじいいいと]
[二人をかわるがわる見ていたが
何となくはっきりしない様子なのはわかった]
お、おれはデンゴ、だ。
[不意にジュンタに名乗られて
びっくりして名乗り返す]
カレシじゃねーの?
[それを認めるということはどういうことなのか、
さっぱりわかっていない]
なんかはっきりしねー奴ー
もてねーぞ?
[へっへへーと笑う]
へ?なんか言ってたか?
[ジュンタにぐりぐりと撫でられたところへ
ミナツに問われて首をひねる。
いろいろ聞いた話はあるが、話す順番がわからない]
えっと…イマリやおっさんはメール送ってた。
宛先入れねーで送るらしい。
オレもやってみたんだ。
そしたらこんなんが返って来た。
[自分でも試したところ、返って来た名簿付きメール。
見せようと思って文面を出したとき、
載っていた名前が6人分だと気付いて凍りつく]
ろくにん…ってこのろくにんか、まさか。
[ミナツとジュンタに見えるように
携帯電話の画面を向けた]
[メールの文面には6人の名前。
ズイハラシゲユキ、ササキデンゴ、
クニモトジュンタ、イノウエマシロ、
アサクラミナツ、ウエハライマリ。
そこから選べといわんばかりに]
死んでる奴を見つけて、そいつの名前を…
えっと、件名に入れて…えっと。
メールに書くのは、雪に願いを。
[だったかなぁ、と首をまたひねる]
ムカンシン女はオレのこと死んでる奴じゃないって。
よくわかんねーんだけど。
[自分でもまだ混乱しているのか、
話す順番はぐちゃぐちゃで]
めし?
[聞き返した途端にぐう、と腹の虫が鳴いた。
照れ隠しにへへへへ、と笑って
ミナツとジュンタの顔を交互に見て]
オレ、邪魔じゃねーの?
[その辺の感覚は割とマセているようで。
それでも空腹には逆らえない。
構わないと言われればついて行くだろうし、
邪魔そうならばコンビニで*菓子を漁るつもり*]
[いいのかー?と二人へ問いかけて、
構わないという返事をもらって照れたように笑う]
[ミナツに手を引かれながら雪の還る道を歩いて]
オレんちのかーちゃんロールキャベツが得意なんだぜ!
[そんな他愛のない、思い出が口をついて出る。
イマリやズイハラのことを聞かれ、空を見たままうーと唸って]
イマリは元気そうだった。
けど、おっさんは…具合悪そーだった。
[だいじょうぶかな、とミナツを見上げたとき、
ジュンタの足が止まった。
どうやら、目的地に着いたようだった]
/*
中の奴はこれから帰るらしいぜ。
今日の投票デフォはジュンタにーちゃん。
吊り合わせになるんかなあ。
明日を確実に迎えたいなら確白のオレを吊ればいいんだ!
でもオレ、霊能視点が見てーんだ。
ロールキャベツ!!
[やった、と笑顔を見せてミナツを見上げ、
次いでジュンタの顔を見上げた。
なんとなく、考え込んでいるような雰囲気に首をひねって]
…ねーちゃんのロールキャベツ、まずいんか?
[こっそりジュンタに聞く]
お、じゃ、じゃ、ましまーす。
[鍵を開けるジュンタ。中へと促すミナツ。
初めての家なので踏み出す一歩はひっそりと。
まるで忍び込むような仕草で家へ入った]
へええ。ジュンタにーちゃんちかぁ
[きょろきょろと見回している]
おー。
[リビングはこっちだというジュンタについてリビングへ。
ぺたんと座ってきょろきょろとして]
へー。やさしいあじ、かー。
[微妙な表現はよくわからない。
でもたぶんふんわりした感じだろうとか思った]
[リビングから出て行ったジュンタと、
台所へ行ったミナツを見送って
所在なさげにテレビのリモコンなんかをいじってみる]
やっぱりうつんねーや。
オレんちといっしょ。
[すたっと立ち上がって窓の外を見た。
まだ、雪は空へ還り続けていた]
/*
オレからすっと、一番印象のいくないんがマシロねーちゃんなんだよなぁーー。
でもオレの背後の奴がそれはいけないだろーって言ってんだ。
でもオマエ、それってPL視点とかいうやつじゃねーの??
どうなの、オレ?
どうなの、オマエ?
[還る雪を吸い込まれたかのように見つめていて
気づけはミナツのできたと言う声が聞こえていた]
おーっ!
めしめしーっ!
[還る雪。還すべき人物はいったい誰。
見つけなければ、望む人物達は帰ってこない。
頑張りなさい。
ムカンシン女に言われた言葉を思い出していた]
食う食うー
[皿を目の前にして、箸を握って。
いただきますの瞬間まではお預けの気分]
お、おう!
いただきまーーーすっ!
[ミナツに食べていいよと言われたので
お預けは解除。一度手を合わせてから、
皿のロールキャベツにかぶりついた]
あちっ、ほっ、ほっ
んめ。んめー。
[はふはふとロールキャベツを頬張って
満面の笑み]
うん、うめーっ!
[ミナツへそう返して、ジュンタの顔を見る]
家族?
[…とーちゃんがいたら、こんな感じなのかもな。
そう思ったが口にはせずに]
すっげわけーとーちゃんとかーちゃんだなぁ!
[あははははと笑う。
ミナツの視線を追って時計に目をやって
それからズボンのポケットに入れたままの携帯を
取り出した]
ごちそうさま。
[食器を下げるミナツに言って
手元は慣れない携帯を操作する]
…ゆきに、願いを。
[ようやく覚えた漢字に変換して、
送信ボタンを押した]
――。
[かーちゃん…]
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