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養護教諭 小鳥 ヒナは、ここまで読んだつもりになった。[栞]
[ヘイケが提示した、ミニクロワッサンストラップが付いた携帯電話に、思わずスタンダップ]
あた、あたしの!
あ゛〜っ!?
[挙手して、あたふたと主張する間に函体は消されてしまった]
使い魔……?
[足元を見ると、イースターエッグが一個転がっていた。
更に、テーブルの上には鳥モモ肉が鎮座していたので、八の字眉のへの字唇で涙目になった]
と、取ってこ〜い!
[犬に命じる口調で扉の方を指さすが、ヒヨコは反応せず]
可愛い……。
[ヒヨコを高い高いしているルリに癒されている]
あなたも魔女なの?
[問い掛けてから椅子に腰掛けると、モモ肉が否応なしに目に入る]
ガモンさん。
[何を考えたのかは口にせず]
気が触れそう。
[俯くと涙が零れた。
両手で顔を覆う姿を、一際小さなヒヨコが見上げて首傾げていることには*気付かない*]
[>>+29ルリに撫でられて余計に涙腺が刺激されたところで、ぐぅと鳴るお腹]
あたしも、ちらし寿司、頂いても宜しいでしょうか……。
[厨房で跨がった箒のことを思い出した]
あたしも、空なんて飛べなかったわ。
[一番小さなヒヨコが一羽、よちよちと部屋を出ていったことにも気付かずにいる]
祖母が亡くなったときに。
[手にした烏龍茶を見下ろし語る言葉は穏やかなもの]
遺品の中から私宛の手紙が出て来て、そこにはこう書かれていました。
私が小さな頃に姿を消した母――祖母から見たら一人娘でした――が、今も元気に生きていて、私には母から魔女の血が受け継がれているのだと。
ずっと、祖母の創作だと思っていました。
絵本とか、小説とか、そういう。
けれど、一緒に入っていた白黒写真に写っていた景色は、この塔とあの屋敷と……
[黙り込んで、烏龍茶で*喉を潤した*]
養護教諭 小鳥 ヒナは、ここまで読んだつもりになった。[栞]
[>>+37ぐるぐる回るルリに目を回す]
魔女じゃないから。
[語気は弱い。
が。>>37を聞き付けて]
誰が野蛮よ誰が!
[>>40にはヤケクソで]
鳥ワールドへようこそ!!
[拾い上げたイースターエッグ]
きーらーきーらーひーかーるー……
[真っ黒に塗られた殻は、所々に白い点がちらばっている]
ここは月ばかりで星が見えないわね。
[窓をちらり。
視線を手元に戻すと、殻の表面に爪を立てた]
まはりくまはりた〜
[形ばかりの呪文は何も起こさない。
地道にこそげ落とした黒い塗料は爪先を汚して、殻には太陽光を受けた猫の瞳孔のように細い白が浮かび上がる]
[>>+43ルリの頭をなでようとしたが、黒の塗料がついた自分の指先に気付いて断念する]
あたしは、空を飛ぶどころか、ここから飛び降りたらあの世に行っちゃうわ。
でーきたっと。
[黒い卵には、元からあった無数の白い細かな粒に混じって、たった一つ少しいびつな真珠大の丸い白が増えていた]
『あら、ニワトリだったんじゃなかったの?』
[聞こえた声の方に振り返ると、ヘイケが作り出していた水晶球>>+16が目に止まる]
ぴよちゃん?
[アンの頭頂部と、足元に小さな黄色が見えた。
ヒヨコの上で、猫をじゃらすように携帯電話が揺らされている。
青い蝶に彩られてはいたが、それはまさしく自分の物で]
あたしの!!
[ガタッと音を立てて立ち上がった拍子に、手からは卵が転がり落ちてテーブルの端へと向かい出した]
っと!
[転げる卵を慌てて止めて、>>+49ヘイケの笑みには営業スマイルを返す]
あいにく、教員の仕事が忙しいので遠慮しておきますわ。
ニワトリは空を飛ばないものです。
[一拍おいてから肩を竦めて、視線をそらす]
黒とは何のことでしょう。
[水晶玉越しにヒヨコに念じる]
とってこーい!!
[他に何を言ったらいいのかわからない。
水晶の画面がまっ黄色になった]
寄り過ぎ、寄り過ぎ!!
[電話にまつわる騒動を認識しているのかいないのか、別のことを懸命に祈っている]
神様仏様ブラック・ジャック様〜!!
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