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[誰かの声が聞こえ、うっすらと目を開ける。
明るい場所、居間、だろうか。そして目の前には、掌サイズの白熊のぬいぐるみ。
しろくま?
覚醒しきらない意識を動かして、周りを見る。声の主はフユキ先生だった。
ほわり。胸の呪符がやわらかい暖かさを運んでくる。
先生は物の怪じゃない。安心していいんだと]
[頭が少しずつ覚醒するにつれ、昨日のことを思い出す。
昨日…ヌイさんと話そうと2人で書庫に行って…ああ、話そうとしてたはずなのに。緊張して勢いのあまり払おうとして…ああ、本棚にぶつけられて気を失ったんだなと。
そこで、ふと疑問に思い、右手を開いたり閉じたりする]
俺、生きてるよな…殺されて…ない…
[物の怪が俺を見逃すのか…
そう考えると、ヌイが物の怪なのは間違いなのか、とまた頭の中がぐるぐるし始める。
どちらにせよ、ヌイともう2人で会うのは難しくなる。物の怪だとしたら、これから俺はどうすればいい…
天井を見上げたまま、*深い思索に没頭していった*]
[気がついたらどれだけ時間がたっていたのだろう。居間ではナオが囲炉裏の傍にいた。そして囲炉裏には雑炊がかかっている]
もうこんな時間か。俺も腹減ったな。
[何があろうと人間腹がへる。腹が減っては戦もできぬ。食べられる時に食べておいたほうがいい。
そこへ、台所から戻ってきたホズミの姿を見つけ、声をかける]
あ、ホズミさん。ホズミさんも雑炊食べない?
[お椀に雑炊を入れ、ホズミに手渡す]
はい。熱いから気をつけて。
[傍らで一緒に雑炊を食べようとする。口に運び、少し食べたところで、エビコさんにしては味がいまいちだということに気づく]
あれ?エビコさんにしては、めずらしいな。
[今日誰が居なくなっているかまだ知らないまま、彼女の名前を出した]
[ヌイのこと、彼女に伝えるべきか。心の中で逡巡する。
しばらく考えて、意を決して話始める]
どこから話そうか…ちょっと長くなるかもしれないけど、最初から話そうか。
ホズミさんは、退魔師って知ってる?人には見えないものが見えて、悪霊を祓ったりする人たちのこと。…俺も、そんな一族の端くれ。ほんとおちこぼれみたいなモンだけどさ。
[懐から呪符を取り出す]
俺はたいしたことできないけどさ、これ、うちの総領のおばばさまがくれた符なんだ。
…こいつが、ヌイさんのことを、「人狼」だと指し示した…
信じたく…ないんだけどさ。それで話をしようとして…気がついたら頭に血が上ってた。かっとなって、どうにかしようとして…気がついたら、本棚にぶつけられてた、ってわけ。
信じてもらえるかわからないけど…人にこうやって説明するの、難しいなぁ。
[軽く頭を掻いて。笑われるかもしれないけど…どうにかしないといけないんだと、心の中でつぶやいて]
[沈黙の流れるの中、すっくと立ち上がる]
判断はホズミさんにまかせるけど…
俺としては見えちゃったものは仕方ないわけで。
ノギさんとエビコさんは、管理人さんと同じところ、かな…会いに行ってくる。
[そのまま、囲炉裏を離れようとする]
[ヨシアキはふらふらと廊下を歩いていた。さほど遠くない管理人室に向かうだけのはずなのに、足どりがあまりに重すぎた…
管理人室の近くまで来ると、中からナオの声がする。
中に入るべきか、入り口でしばらく悩んでいた…]
?!
[自分の名前が聞こえる。助けを呼ぶような声…
悩む間もなく、ドアを開け中に入ろうとした]
[ドアを開けると、ナオが振り返ってこちらを見た]
ナオ…
[彼女の後ろには、4つの毛布につつまれた塊。
何も言えずに、ゆっくり彼女に歩み寄る。近づいて、彼女にむけてそっと手を伸ばす]
[目の前の少女が涙を流している。小さな肩を震わせ、泣いている。
俺の手を握った彼女を、そっと抱きしめる。
自分の腕も震えてるのはわかっていた。それでも…それでも。
彼女を怖がらせないように、*そっと抱きしめた*]
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