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[とりあえずルリは大丈夫そうだと判断すると、立ち上がり廊下へ向かう]
せんせー、あとでこっちも手貸してよ。
[擦れ違い様に言って、ホストコンピュータのある部屋へ]
レンは何を探してるんだ?
イヴに何を望んでる?
[モニタを眺めるが、表示されている内容はさっぱり理解出来ない]
なぁ、レン。
ありもしない記憶を、自分のものだと思い込むのは気味が悪いよ。
犬に追いかけられただの、弟と一緒に迷子になっただの、どこの誰の記憶だ。
これがバグなら、私は生まれた以後の記憶しかない方がよっぽど清々する。
そうなっても破棄されない道筋は、ありそうか?
[傍らの蝶を通して、声は届いているのかいないのか。
反応はない]
―自室―
何でもいいとか一番困るんだよ。
[ぶつくさ言いながらヴァイオリンケースを抱え、すぐさま廊下へ。
コンピュータ室の前で立ち止まり、一度検査室に向かうことにした]
オトハさん、何か聴きたい曲ある?
言ってたじゃん、波長が合うって。
弾けるよ。
[何でも、とまでは言わなかったが、笑みを浮かべ]
何を夢見てるの?
[言いながら、ケースの中から愛用のヴァイオリンを取り出す]
しかし残念ながらここからじゃ届かないんだな。
パソコンに音楽聴かせるなんて初めてだよ。
[くすくす笑いながらコンピュータ室へ戻る。
窓の外を見ると、いつの間にか吹雪はおさまっていた。
冷却ファンの音だけが、室内に低く響いている]
今日は、オトハさんの幸せを祈って弾くとしますか。
[楽譜を思い出し、その通りに演奏をする。
離れた蝶から、もう一つの旋律が響いていることにも気付かず。
場合によっては間違えたフリをすることも出来たけれど、今回ばかりは機械的に正確に]
[終演後、コンピュータに向かって、丁寧に頭を下げた]
――で?
[何も変化のないモニタを渋い顔で見つめる]
“イヴが居ないということがわかった”
[レンの言葉を鸚鵡返しし、聞こえて来たスリッパの音に振り返る]
壱乃宮せんせー。
イヴの寿命って知ってる?
博士も死んでるんじゃないの?
って、もしもーし?
[地下街の携帯電話状態に音声がぶつりと途切れた蝶をゆさゆさ]
>>97
……ロボットの使い捨て事情というものを、レンに聞いたんだけど。
何十年も使われているイヴの子が居ないのは、長持ちしないからだって。
[掻い摘み過ぎて要領を得ない]
>>101
君、短命なんだよ。何か問題でも?
とか言うなボケ!!
[ヴァイオリンで殴りそう]
イヴの量産が止められれば、今居る私達が大事にされるよねって、そういう話で、イヴのことを。
>>106
生きていたいんじゃない。
必要とされたいだけ。
ロボットは、誰かに必要とされなきゃ意味がない。
その上でなら死ぬことは厭わない。
言ったじゃん私。命令があればなんだってするって。
[俯いて、しばらく沈黙してから言葉を零す]
……壱乃宮せんせーに必要とされたいんだって言ったら、笑う?
[指先でジュンタの手に触れて、苦笑を零した]
せんせー。
悪いことした子はちゃんと叱らないとダメだよ?
わかってないでしょう。
イヴも、イヴの子も、居なくなっちゃえばいいって思ってたんだよ。
な、なんて悪どい……!!
目撃者いるよ目撃者!
[驚愕の表情。>>113問いには小さく頷く]
スパイを捕まえたら、欲しいものをくれる。
>>115
私のこと暗示してないかそれ……?
[ヴァイオリンと弓をPCデスクの脇に置いた。
渡されたメモリと入れ違いに、胸ポケットからハート型に折られたメモ用紙を取り出す]
“いちのみや先生”
[真面目な顔で、ピンクのラメラメで書かれた文字を読み上げて紙面を見せる]
>>120
こういうときは、人間は物じゃないんだから!って教えないとダメだって。
[触れられた手にくすぐったそうに身をすくめて、笑う]
ちゅーしてみる?
ロボットとしてみる?
[すごい楽しそう]
>>123
な、に……
[ツッコミを入れるのは間に合わず]
わー!!
何それずるい。何で飄々としてんだ!
[顔が離れてから叫ぶ。
赤面機能があったなら、真っ赤な顔をしていただろう勢いで叫びながら抱きつく]
せんせーのばかー。
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