情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
[1] 絞り込み / 発言欄へ
[赤い涙を流す者たちが徘徊する只中に
取り残されたノギ駐在員とアン嬢――
従姉たる美津保嬢を探して視界ジャックを
繰り返すうち、少年の心を揺らした光景。
ひとり隠れるか。危険を冒して助けるか。
葛藤の末、
少年が選んだ道は――――後者だった。]
[取りに戻ったもうひとつの忘れ物を手に、
少年は裏路地へ向かいそっと身を潜める。
もうひとつの忘れ物(たからもの)は…
美津保嬢の弟、従兄のカズキから貰った
一束のロケット花火。数本を土に挿す。
危険な中、慣れぬらしき視界ジャックを
辿々しく駆使して忍び歩くノギとアン。
彼らが逃げきるための陽動になればと、
少年が花火に火をつけようとしたとき、]
[あれ、と]
――。
[既視感、という言葉を思い出すのに時間がかかった。
先ほどは丸みを帯びた指。
今は己の節くれた指。
先ほどは勢いよく開いた扉。
今は己がきしんだ音をさせて開ける扉。
とすると、次にくるのは――**]
―回想・どこか―
[従姉は、赤い涙を拭って少年の前に現れる。
少年を燃やさない、と…
祟り神へ捧げないと言う。
まだあたたかく慕わしい半屍人の在りようが、
少年には悲しく恐ろしく――ほろりと涙が零れた。]
いやだよ
…廻り続けるなんて、いやだ
…おねえちゃあん…
[くるくる 従姉が触れた地球儀が、*まわる*。]
―教誨所近くの茂み―
[辺りは暗い。鈴虫が鳴いている。
意識を失った後で茂みに引きずり込まれたらしき
見知らぬサラリーマン風の男――ズイハラ氏の傍、
足のない少年の幽霊が立ち、見下ろして*いる*。]
いでででで……
[これはあれだ、上司の子供の運動会にかり出されて騎馬戦借り物競走綱引きあれそれあの人またでてるわと奥様連中にささやかれ続けた悪夢の日をようやく追えたと思った次の日にも訪れた悪夢]
ちくしょうなんだってんだ。
[ネクタイをゆるめようとして、それがとうになくなっていることに気づく。あぐらをかいて、乱暴に頭を掻いた]
あー ひでえ。
[頭がぐらぐらする。
顔をしかめて目をつむると、波の音の様な、静かな耳鳴り。
暗かった視界に明かりがともるように、何かが映る。霧の向こう。誰か、人のような、姿。見上げるような、角度]
いいよ。
今度はやり返すし。
[ごめんの声の主をまっすぐに見上げる。
ゆらりとかすむ姿に、今度こそ目をこすった]
……赤くない?
俺は、タケシでいいか。剛速球の、剛。
[女――と思いめぐらせ、こんな感じ、とポニーテールと胸元を手の仕草でしめし。
からり。
回る地球儀。
差し出されたままのそれなら、受け取り、己の指でも回してみる**]
T社、知ってる?
アンテナ建てにきたんだが……どうも、だまされたのかな?
[1] 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了