[男には妹がいる。
少し年の離れた彼女はまだ学生で
電車に揺られながら男は、
妹の生まれたときを思い出していた。
手が紅葉よりもちいさくて。
身体全体がふにゃっとしていて。
別の生き物みたいだった。
男は新しく現れた存在に、
恐怖し、嫉妬し、不安になった。
そんなことを思い出す。]
[車内にいる少女達を見ると、
余計に不快な思いが想起されて苛立ってきた。
彼女らが悪いわけではない。
それは分かっている。
だが、安心が欲しかった。
当たり前のように現れた妹を見た、
あのときのような不安が全身を覆っていた。
だから女性のいる進行方向を見まいとする。
せめて人を見ようと男子学生の方を見たが、
その近くにいる小さな少女が目に入り
男は誰もいない方へと視線を処理した。]
[家族らしき乗客は、この車両にはいない。
それがまだしも有難かった。
もしはしゃぐ子供の声や、優しい母親の声や、
余裕ぶった父親の声なんかを聞いてしまったら
男は嘔吐でもしていたかもしれない。
若い乗客しかいないことを、改めて認識する。]
[ここにいる乗客達にも家族がいて、
兄弟や両親との軋轢や安らぎがあったりして、
そんなことを男はぼんやりと思う。
会社員らしき男にも妻子がいたり、
おっさんとしか見えないあの人物にもパートナーが、
はたまた難しい年頃の学生達にも。
そこまで考えて、違和感に気付く。
あの一番幼い少女は、どうしたのだろう。]
[自分の知ったことではないと分かっていたが、
車内をもう一度見回した。
ほとんどが学生で、
会社員と自分は社会人。
あのおっさん(?)は職業不明だが、
恐らく独立しているだろう。
ひとりでいたとしても何の不都合も不自然もない。]
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折角なので「みっちゃん>>1:=6」は『三四郎』からとってみた。
名前を圭か碌入れたいよねって思ってるけどギンスイって名字なの名前なのどっちなの
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ここで挟んだりメモで非村建てばれたりしている銀水ですどうも!
銀水って書くと井上陽水みたいだね!(???)
・共鳴の方でログ伸ばしてしまいそうです。
・降車後のポルテさんの日常がとても気になる。