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■聖痕者=【スティグマ】
スティグマ、または痣を持っています。何かのRPの足しにして下さい。(酷)
どこにつけようwwwwwwwwwwwwww
−ピェルヴィクラース・コンパートメント−
『斯くして女帝は壮麗なる莫斯科を背に
浦潮への長い旅路へ吾を誘い給ふ。
遙かなる東の凍土。吾の血潮は彼の地に遠く、また近くも繋がれり。
白き大地と花の色は離れてなお、魂の記憶に鮮やかなれば』
…おや。
[葡萄黒の万年筆が動きを止める。
窓の外に視線を向けると、爆竹の音は華やかに出発を謳った。
先程開けたピロシキの包みの中身は既に胃へと消えている。
書きものをしない手には、今はプリャーニクと呼ばれる菓子があった]
[茶色い表面の上には粉砂糖がかかり、まるでそれは残った雪に似ている。
蜂蜜入りの生地、胡桃に干葡萄にジャムが入っている。
崩れやすいその菓子の最後の一口を丁寧に口に運んで、
それから書きものを止めた手は万年筆に蓋をした。
窓の外には遠くなっていく駅があった]
さて───旅は道連れ、と言うからには少し散策するのも悪くないな。
[分厚い手帳と万年筆を懐へと仕舞い込んでベッドから腰を上げた。
上質な生地で作られた長い外套の裾がひらりと揺れる。
コンパートメントの扉を開いて廊下へと出れば、向かうのは食堂車]
(己の旅の道連れと成り得る人々を見ておくのは悪くない)
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1901=明治34年。
■ウラジオストク/浦潮斯徳
明治9年(1876)に日本政府貿易事務所が開設。
大正9〜10年頃(1920頃)には6000人近くの日本人が在住。
最盛期には、現在の市中央部には日本人の営むあらゆる種類の店が並ぶ。
−→サロンカー−
[列車の中は、この記念すべき初運転を楽しむ人々の往来が幾らかある。
ピェルヴィクラースの乗客達はと言えば他の車両よりも幾らか上品に
列車の旅を愉しむ乗客たちが多いらしいようであった。
そんな人々と簡単な挨拶を交わしながら眼鏡の主はサロンカーへと辿り着いた。
上質な食堂車でもあるその場所は上等な設えとなっている。
入口の近くに用意されているサモワールも凝った意匠が刻まれて、
その傍を通ればやはり温かく、また、その上の小さなポットに用意された
紅茶の馥郁とした香りが銀色の給湯設備のあたりに漂っていた]
(流石、女帝の名を関するだけはある。趣味のいい場所だ)
[薄い唇を持ち上げると笑みの形になった。
流れる風景を楽しむことができる窓の傍の席を確保して、
給仕が通りすがれば温かい紅茶を頼む。
花型の小鉢に用意された添え物は、花のジャムだった]
…おや。
[丁度紅茶が用意されたその頃、向こう側から人がやってくるのが見えた。
小さな人影と、その人物に挨拶を投げる坊主頭。
フランスは黄金の丘とも呼ばれる街で料理の腕をふるっていたという噂の
厨房の主が選んだ花のジャムには種類かあり、勃牙利の薔薇に
仏国の蒲公英に菫、どこから手に入れてきたのかは分からないが桜もあった。
その中から金色に輝く蜂蜜のような蒲公英のそれを金色の匙ですくい上げて
とろりとした柔らかい甘さを口に運びながらその二人に視線を向ける
幸いか、災いか、その二人と眼鏡の主が座る席はとても近かった。
挨拶を交わす様子を聞きながら、紅茶を口に運んだ*]
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■ペルミ(ペルム;ロシア語:Пермьピェールミ;ラテン文字転写の例:Perm’)
1723 年に建設。1781年からペルミ市。1860年代には人口が2万人を超えた。
ウラル山脈西側のふもと、カマ川の両岸に広がる。交易と工業の中心地。
シベリア鉄道が通る鉄道の分岐点で、陸上・水上交通の要衝でもある。
モスクワから1,385km。ペルミ第2駅(ペルミ・ドヴァー)が中心的な鉄道駅。
金属工業、製紙業、蒸気船製造が行われ、工場の一つにはイギリス人が出資。
1870年にはオペラハウス設置、1871年にはロシアで最初の燐工場が建設。
1916年にはペルミ大学が開設(村当時はまだ)
地質学用語のペルム紀(二畳紀)はこの街の名に因む。
約2億9,000万年前から約2億5,100万年前までを指す地質時代。
石炭紀の後、三畳紀(トリアス紀)の前の紀である。古生代最後の紀であり、
ペルム紀が終わると中生代となる。
[微かなざわめきは人と人との会話で生まれる。
静かな波の行く来るに似た音の中から名前を拾う。
G・B・オラヴィ。ラウリ・スモーバー。
時折新聞や雑誌の記事で名前を見かけたことがある気がする名前、
その周りにも気づいたものがあれば幾らか二人の邂逅を見ていた。
一転、眼鏡の主はと言えば滴る金色と紅茶のカップを交互に動かし
懐の手帳に葡萄黒のインクで今まであったことを回想しながら
文字を書きつけ、耳を欹てるにすぎないという状態であった]
…何か?
[金色の蒲公英のジャムの最後の一口を頼み、新しく紅茶を
給仕へと頼んだところで掛けられた声に気づいて、万年筆を動かす手を
止めてから眼鏡を軽く押し上げながら、幾らか俯いていた顔を上げた。
相席の申し出、聞こえたムッシュウの呼称に破璃の奥にある
双眸を幾らか愉快そうに細めて快諾する]
ええ、是非どうぞ。
折角の旅路、これも何かのご縁でしょうから。
[新しい紅茶が丁度きたこともあり、給仕を呼びとめ相席者の注文を待たせる。
それから頼んだものを聞き取り、さりげない動きで手元の手帳に書き込んだ*]
Je vous en prie.
[どういたしまして。薄い作りの唇は笑みに釣り上げたまま
うつくしい作りの言葉を口にする。男の告げた言葉に対するように。
あたたかい紅茶を、今度は菫のコンフィチュールと共に楽しみながら
万年筆は男の言葉を簡潔に単語だけでまとめていく]
『仏語男。牛の煮込み壺焼き。
ピロシキ参、貴腐と露蒸留酒。
絵のない車両。
指揮者。大英帝国→Macbeth』
[ただ、ロマネス。その単語を拾った時だけゆっくりと瞬きを一つする。
目の前の男が、小さな指揮者が、丸坊主の演者が
どんな話をしているのかを、紅茶とコンフィチュールと交互に往復する
手を余所に、聞き手は万年筆を走らせる]
[次々に増えていく人々、声を聞き取るのは徐々に難しくなる。
一度万年筆を置いて聞き手を休めようとすればこちらを見た男に
破璃の奥の瞳は幾らか丸くなった]
麗しき女帝の取材をしているのです。これでも、記者でしてね。
もったいなくも一等車で素晴らしい旅の始まりを先程迎えました。
[にこり。笑みの形を表現するならそんな形だった。
性別の判断をさせない低く掠れた声は続ける]
そのようですね。
記念すべき初走行で何かあってはいけませんからね。
鉄道を埋設した側も警備は念入りにしたいのでしょう。
[幾らか薄い唇は笑みを浮かべる。
それから首を横に振った]
欧州列強の中にあって極東の方が出世なさるのはとても難しいことでしょう。
職業上、そういった方々をいくらか見ておりますが、どうして、なかなか。
まだ拝見してはおりませんが、きっと才能に満ち溢れた方なのでしょうね。
[そういった方々に、己が含まれることに今は口を閉ざす。
そして紅茶を一口]
兵隊の方々も折角の旅の邪魔にならぬように
心を砕いて下さっているのでしょう。
それほど物々しいとは、感じていませんね。
[独特の甘い香りの菫のコンフィチュールを口に運び、
改めて紅茶でその甘さと渋み、香りを楽しむ]
[ウォッカにむせる男>>76をみて、軽く首を傾げるも
結局は貴腐の葡萄酒の杯を受けることになる]
正反対、とはどのような意味かはお伺いしませんがね。
そういった夢のある噂は面白くはありますけれど、
残念ながらこの旅行が記事に纏められ世に出る頃には
既にこの旅は終わってしまっています。
記者とは真実を書く為にありますからね、過去を現在のように書くわけには。
もっとも、そのような事が真実であれば私的には興味も引かれますね。
しかし公的な記事を書くのであれば噂とは不要なものです。
[女>>80の表情。
見やってから破璃の奥の瞳を細めた]
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