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[表紙の写真は一面の青、雲が流れているから空の写真かと思ったら、空の色が水面に映った海の景色のようだった]
この世界の風景なのか……、
[海といえば軍港しか知らない、
そして海原は鉄が浮かび砲弾の飛び交う水上の戦地だ。こんな穏やかな海はしらない]
………、
[ページを捲る度に、穏やかで美しい世界の風景が切り取られたそのままに現れる]
[その本の頁を捲る度に、眉間にしわ寄せ難しい表情になっていく。やがて裏表紙を閉じた時には、口唇さえかみ締めていた。]
……なんで、
[何故、こんなにも、自分の世界と違うのだろう。映る風景は妬ましい、というよりも――もっと、心を落ち込ませるようなものだ]
[言葉の限界とは人の思考の限界だ。
事象としてはもちろん概念としてさえも、その言葉は9thの世界に存在しない。]
ないと思う。
あったとしても多分誰も知らない……。
お前の世界では、一般的な言葉?
[問い返されたので、やはり少し不安そうに答えて、小さく呟きを零す]
……僕の世界は、やっぱり少しおかしいのかな。
ん、つまりその言い方は、
平和っていうのは、休戦のこと……?
[4thの世界は人間しかいない世界なのに何故戦争があったのだろう、それもよくわからないが続く言葉に押し黙る]
………、
[“悲しい”というのは、多分的確な言葉だった。それを表現する術はなかったし、口にしたくはなかったけれど]
知ってる、僕の世界はそこだって。
その為に死んだら駄目だって、でも……。
[言葉の続きを紡がなかったのは、それは胸の内にある疑問でしかなかったからだ。
少し、眉尻の下がったまま顔を上げれば戸惑うように見えたのは、相手の方の顔だった。どうかした?と首を傾ぐ]
[神の遺物を手に入れたから、選ばれたのだと思う。銃を撃ったあの敵の少年が手にする可能性もあったのだ、だから]
別に、選ばれたとか思ってないし……。
その理由に気付いたって言われても、わからない。
……お前は訊いてばっかりだ。
素性は話してるけど、もっと肝心なところを見せない……。
[続きを促されて黙る。
相手が何考えてるのかわからないまま、喋らされるのは嫌だったし、自分の不安定な疑問まで口に出す気はなかった]
[片耳に届く未来の記録は、2ndとの遭遇を告げる。少しだけ声を潜めた]
……殺す気無いっていうのは、
僕の世界に存続するだけの価値があると思って、そう言ったってこと?
[揺らいでいた心の内を思わず口に出して問うてしまった。世界は比べるものじゃない、4thは先ほどそういったけどどうしたって比べてしまう]
なんか、傲慢っていうか……。
神ってそういうのなんだろうけど、でも、残さなくていいとか、他所の世界の人に決められたくない気がする。……神になったら変えられるかも、しれないのに。
[そして4thの振り返った先を視線で追う、更に小さくなった声は少し不満そうだ]
大体特異で異質って、なに……。
[2ndの問いかける声に、慌てて返す声に瞬いてそちらを見た。5thの姿にびく、とあとずさった。ずっと沈黙してたから、きづかなったのか。
周囲は既に結構明るかったから、自分の性能が落ちてるのかもしれないが]
高度なステルスか……
[無駄に勘ぐった**]
おかしくても、
そうじゃなくても。
でも、世界は大事だ……。
だから、
[その為に誰かの世界ごと誰かを殺さなくてはいけない、のだろう。そんなことまでは口に出せないまま]
……日記の情報、7thが動いたのか?
[6thの零した言葉に、動向を気にすべきではある相手のことを思い出した]
そう、ならさ……、
6thは自分の世界に存続する価値、あると思う? 他の世界を壊しても、存続するだけの価値。
[別に答えなくてもいいけど。
と、小さくぽそりと添えたのは自分がそう問われてもまだうまく答えを出せないからだ]
そうか……、引きとめてすまない。
一応言うと、やっぱりあれから7thは見てない。
[6thの言葉にはゆっくりと瞬いた。
その思考は大体は理解出来るものだ。
同時に6thの世界と己の世界は違うのだ、ということもわかる]
世界を作り変える。
……神の座で聞いてたな、その話。
[その話には興味を持っていたことまで伝わるかはわからないが、相槌のように口にした。いいとこある、なんて言葉には 別に と少し詰まりながら返して手を振る6thを見送った]
[それから4thの袖をまたついと引いた、
情が移るとかそれ以前に、人の名前を呼ぶのは苦手だ]
僕自身は僕の世界に……本当に存続するだけの価値があるのか、って悩んだりしてるけど……、決めることは自分で決めたいって思う。
でも考えが違うからってそれでお前と敵対するとかは今のところ考えてない……。
お前の考え、いいとは思わない けど。
そもそも、お前が僕をどう思ってるのかもよくわかんない けど……。
[多分わからない、と思う根本的なところはそこなのだろう。なんとなくそう思いながら、猫のような欠伸をひとつ]
あと、上行くつもりだけど、……ねむい。
[訴えられても困るだろうことを口にしつつ、とりあえずその場からふらりと足を動かした*]
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