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ぜん…てい…?
うそ、だって…わたし――…
[変なことを言ってばかりで困らせているのに。
それなのに。
だけど友幸さんの真剣なまなざしに。
わたしは息を呑んで。]
あのっ、こちらこそ…末永くよろしくお願いします。
[今度はちゃんと言葉を噛み締めながら。
ありがとうと。
にっこりほほ笑むのです。]
[友幸自身、再会したばかりでこんなことを言うのは性急だと思っている。
けれど秘めた想いがもう、溢れてしまっているから言葉も押し込めることは出来なくて。
相手を困らせるかもしれないと思っても口にするのは止められなかった]
あ、いや
返事は、直ぐじゃなくても───
[先走りすぎたかと、慌てて言い繕う。
六花は驚いている>>109ようだったが、紡がれた言葉に今度は友幸が息を呑んだ]
っ、
あ、あぁ。
こちらこそ、よろしく頼む。
[微笑んでくれる六花に緊張に凝り固まっていた表情が緩む。
両手で包んでいた六花の手を引き寄せ、両手を解いてその背に腕を回す。
一連の行動は嬉しさによる無意識のもの。
それでも、抱き締める力は壊れ物を扱うように優しかった]
[「はー、あっついあっつい」
逃げ込んだ藤の樹の陰。
幹に寄りかかって茶化している妹が居たことを友幸は知らない*]
[返事は急がないと言われたけれど。
いま言わないと、と思って。
もちろん断ることは無く。
受け入れる事を告げると。]
あっ……
[両手を離されたかと思うと。
擁かれるように腕を回されて。
まるで腫れ物にさわるかのようなしぐさに。
ちいさく苦笑が漏れるのです。]
あ、あのね、友幸さん。
わ、わたしは――…
わたしはそんなに簡単には壊れない、ですよ?
[優しさは、友幸さんのいいところだけれども。
でも、もう少し強引に奪ってくれた方が。
友幸さんのものだって気がするから。
安心、するのに*]
そ、そうか?
[言われて>>113、抱き締める力を少し強める。
身長があるために膂力もそれなりにあり、こういう時の加減がなかなか難しい。
先程よりも力は強まっているが、どこかまだ探り探りだ**]
もしかしたら、その子に効くかもしれない。
[具合の悪そうな"シンちゃん"を示して。
問いへの応えは一旦保留。
光る水の中、ゆらゆら揺れる白。
横目で男性を見つめて。]
[ぷっつん切れた呼び声に応じたのか、それともただ、マイペースにやってきただけなのか]
[二足歩行の時計兎が、相変わらずのんびりと、鍵と螺子を使って『時計』の時を動かす]
[そうして、時を告げるおとが12回、ぱりんと砕けた見えない壁の向こうから、消えてしまった人達の姿が現れて]
レンさんっ!
[最初に 目に飛び込んだのは 怪しいかっこのままの友人で]
...て、えーと...?
[なんでお豆腐? 思わず 足が止まった]
うん。
戀ちゃんが言うなら、効くかもなぁ。
[顔を上げて、サングラスの奥の目と目が合うかは分からないけれど。
否定が無かったから、またその名を口にして、昔みたいに笑う*]
[悩んでいた一瞬のうちに、友人は、シンちゃんの傍にいた男性に声をかけられ、なんだか邪魔出来ない雰囲気に、そろそろと後ずさる]
[ふと藤の木を見ると、樹村くんが真剣な眼差しで、語りかけているのが見えた]
[ゆらり、ゆらゆら、回りの藤が、どこか嬉しそうに揺れる]
[その後、再会を喜んだ勢いで告白されたり、一足飛びに将来を約束しちゃったりしてるのを、横目に見つつ]
[ゆっくり、よちよち、相変わらずの歩きにくさに閉口しつつ、藤の木に歩みよる]
[藤模様の扇子 開いて 差し伸べる]
『たとえ、やがて散るのがサダメとしても、花は開いて香るもの』
[あの時は 造花の藤を 振ったのだったか]
『だから、咲きましょう。大好きな、あの人のために』
[ひとを愛した 藤の精の それが願いだった]
きっと大丈夫、みんな、居るから。
[ね? と 見やったのは]
会えて良かったね、キクちゃん、シンちゃん。
[にこり 笑った *ちょっと羨ましいけど*]
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