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―回想―
村瀬さん…無理はしちゃだめだよ?
[言外にこの場に留まるように伝えたつもりであったが彼女はそれを突っぱね共に行くという。
ちらりと櫻木を見やるが軽く首を振り村瀬に向き直る。
まるで子供にするようにぽんと頭を撫でたのは彼女にどうとられただろうか。]
そうだね、そうかも。
その、出来る限り誰かの役に立ちたいんだ。
助けられっ放しだから…
恩返しがしたい。
[椎名の柄じゃないと言う発言にクスリと笑みを零す。
真っ暗闇の外を見つめ窓が開かないか確認しながら何処か譫言のように呟く。]
[一向に開く気配のない窓に焦燥感が募る。
反対の窓も調べようとした時、そばを歩いていた小鳥遊が震えているのに気付き]
小鳥遊先生、大丈夫です。
僕らがついてますから…
[何の根拠もないがただ小鳥遊が少しでも安心してくれればと声をかける。
寒気からくる震えではないと知りつつ自身のブレザーを彼女の肩にかけ]
元気になるおまじない、です。
…大したものじゃないですけど
[ころんと彼女の手に金平糖を転がせ、再び窓の確認へと戻る。
遂には何も得るものはなく肩を落とし元いた車両へと戻った。]
―回想終了―
[4号車へと戻り、誰かに結果を聞かれたならば他の皆と同じように静かに首を振っただろう。
ボイスレコーダーを聞くと言う村瀬と共に皆の声を聞くことにする。
先程出し損ねた金平糖をそっと隣に置き]
見事に意見が割れているね…
[思案顔で俯き先程までいた扉に戻り暫く思考に耽る。
そしてひとつため息を零せば意を決したように顔を上げ、渋い顔のまま]
どの意見が多いのは判らないけれど、これ以上この話をしても意味はないと思う。
[そこまで言い切り一度言葉を切る。]
僕は、鬼を見分ける事が出来る。
[皆の顔をぐるりと見渡し言い放つ。]
今は言うタイミングじゃなかったかも知れない。
でもいつまでも出るかどうかの話し合いをしている訳にはいかない。
皆、申し訳ない。
[徐々に語気が弱くなっていく。
自分勝手なことをしか自覚はあった為、皆に向けて一度頭を下げる。
先程言い放った時よりは随分と辿々しく言葉を継ぐ。]
と言っても、自覚したのはさっきなんだけどね。
星々が僕達を天命の元に運命を巡らせ、悪しき者を浄化へと導く。
僕は、その手助けが出来るらしい…
[胸元から小さな星を象ったネックレスを取り出し強く握り締める。**]
対抗は出ないのか…つまらないな
[ギリと爪を噛み顔を顰める。]
まあ、いい
いずれ出てくるだろうしね
でも明日襲われるのはいただけないな
そこまでご主人様も愚かじゃないだろうか?
[少し不安そうに思案顔を浮かべるもまだ見ぬ主人を信じることにし、仄暗く微笑む。]
お楽しみはこれから、だからね
やっぱり余計な事をしてしまったみたい、だね。
本当に申し訳ない…。
[皆の視線、意見に昔の自分が思い起こされ目線が下がり俯いてしまいそうになる。
しかし自身の役割を思い出し震えながらも大きく息を吐く。
再び顔を上げて皆の方を向き]
でも、出た以上皆の力になれるように頑張るよ。
まずはまとめ役の話かな?
出来るだけの事はするつもりだけれど、期待はしないで欲しい。
その…余り人の話を纏めるのは、苦手なんだ。
最終決定だけ皆に伝えられれば大丈夫かな?
勿論、私情は挟まない。絶対に。
[言いきってから三枝の方を向き直り]
三枝さん返事が遅れてすまない。
残念だけど時間を挟んで1人ずつしか見れないんだ。
一度に全員を見分けられればすぐにでも帰れるんだけどね…
本当に、ごめん。
[彼女に向け申し訳なさそうに頭を下げる。]
僕の考えは、述べてもいいのかな?
僕が気になったのは、やはり近藤さんと椎名君かな。
最初にこの状況を喜んでいたのは不思議というか、正直おかしいとしか思えない。
でも、色んな問いかけや提案をしてくれている。
ただそうであるからこそ彼らが鬼だったら怖いなとも思う。
それに少し気になったのが、皆が同意しているから言い出しづらいんだけど…
以後自身の能力の有無を伏せるという事。
僕は表に出るからには、鬼もしくはそれに連なる者を1人でも引き摺り出せたらと考えていた。
それ故かも知れないけれど、近藤さんの意見は鬼に逃げ道を与えたように見え…ました。
今後もし偽者が出てきた時に色眼鏡をかけられるのは僕としては、避けたいしね。
でも、隣の車両に移ってもらう程でもないんだよね。
逆にこれからも意見を聞いて判断させてもらいたいと思っています。
だから、希望としては近藤さんを見たい。
そして提案はしてくれているけど、これと言って決定打となる発言が見えてこない椎名君に移ってもらいたいかな…?
[見知った友人を希望先に挙げることはやはり抵抗があるのかチラリと椎名の方を見る。
]
あと、もしその2人を候補から外すとすれば他に希望は…
とにかく意見の見えにくい人から希望を出したい。
ただ…僕も人の事は言えないのだけれど。
ごめん、櫻木さん。
僕にも聞かせてくれないかな。
[他の名前を挙げようとするがそこで言い淀み、曖昧な表現を口にする。
誤魔化す様に苦笑いを零すとそそくさとボイスレコーダーの方に寄って行き]
[ボイスレコーダーを聞きつつ一度皆の方へと向き]
ああ、あと寺崎君の意見は僕的には怪しくは移ってないかな。
気になる所は言わせてもらったしね。
もし寺崎君が鬼だとするなれば少し悪目立ちする発言だと思った。
あと気になってるのは成瀬さんが一番に希望を言った所?
ただただ一番になっただけならいいし、多分そうなんだろうけど
鬼が今後の主導権を握りに来たと邪推することも出来る。
一番に希望を言えばその意見に引きずられる人もいるだろうし。
すごく失礼な発言なのは自覚しているよ。
…ちょっと、いっぱいいっぱいなんだ。本当にごめん。
少しコレに集中するよ。
[申し訳なさそうな顔で前髪をかき上げ頭を抱える。
謝罪を口にすればボイスレコーダーを指さし暫し其方に集中し**]
/*/
発言内容むっちゃくちゃやなwww
もう、噛まれたくないからぁ…
ちょっと、なんか?狂人ぽく?←
あ!僕、リア狂でした!てへぺろ(ゝωο)
/*/
ぐむむん(´омо`)
日替わり立ち会いきびーから
みんな早く意見ー!
今はー、あれ?
櫻木ちゃんか椎名っちなんか?
もー!鳩やからわからんー!
近藤さん、わざわざすみません。
どうも皆の意見が他の話に紛れてしまって…
明確な希望だけもう一度簡潔に言ってもらえると嬉しい、かな。
[ボイスレコーダーから顔をあげ、皆から少し離れた扉の前に戻る。
少し咳を零しつつ手帳を取り出すと複数名の名を書き連ね]
出来れば僕が見るべき先の希望もお願いしたい、です。
[常のように話していたが相手に先生や近藤がいる事を思い出し、慌てて敬語を付け足す。]
話の途中だったらすまない。
今日、隣の車両に行ってもらうのは…椎名君でいいんだよね。
そして僕が皆の意見から鬼を探る。
椎名君、ごめん。
もう少し話が聞けたら良かったんだけど。
…隣の車両にいてもらうだけだから。
[椎名に向け言い辛そうに言葉を放つ。
先程から仄暗い嫌な予感が頭から離れない。
どうか何も起きませんようにと胸元を強く握り締めた。**]
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