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欠夜来の頃に夢を見よう。
こっちにおいで。
[ネギヤのいる方から聞こえた声。紙に書き残されていたという文章を、繰り返す形で呟いた。
興奮したり怯えたりしている老人の姿が多いのに、ふう、と溜息を吐き]
高血圧の方も多いのだがね。
[独りごちる。ぽたりぽたりと降り出した雨が、徐々に強さを増し――すぐに、ざああという音を立て始めた]
? 何か……
[ふと、少し空気が変わったのを感じた。明らかに動揺したペケレの姿を見つけると、眉を顰める。辺りには...のように何も目撃しなかった者も多かったが]
……ネギヤさんは?
[雨の音と同時に、電話の鳴る音は聞いていた。彼特有の重たい足音も聞いていた。
見当たらないネギヤの姿に、首を傾げ]
消えた……?
そんな馬鹿な。
誰か、目撃したのですか?
[ペケレが答える声。また、周囲が「消えた」と騒ぎ始めるのを聞いて、問うたが。すぐに近くの者から是という返事があり]
馬鹿な。
[同じ言葉を繰り返した。座したまま、集会所を見渡し]
え……
[ペケレに紙を差し出されると、少々面食らったような顔をしたが、直接目撃していないためか、拒みはせずに受け取った。
奇妙な文章を、じっと見つめて]
あ。
グリタさん。気が付かれましたか。
[起きたらしいグリタの声に、振り向き]
安心しました。
熱が高いですから、後で診療所に来て下さいね。
[グリタにそう言って、彼の質問には]
どうにも。私は見ていないのですが……
電話をしていたはずが、突然、消えたそうです。
金平糖が降りもした、と。
濡れたままでいると、冷えてしまうぞ。
[ニキには去り際、そう言ったかもしれず。傘を開きながら外に出た。「やめて」と聞こえた声にペケレを見]
……
何か、感じるのかね?
いや。
本当に神隠しが起きたのだというなら……
何があっても不思議ではない。
[ペケレの返す問いに、首を横に振り]
差出人がない、何も書かれていない、手紙。
……この紙と、同一人物の仕業かもしれんな。
[ネギヤへ「届いた」紙を白衣のポケットから出し、ひらりと揺らして]
私には、腕力や変わった力はないが……
また何かあったら、私で良ければ頼ってくれ。
電話をしてくれても良い。
[明らかに異変を来たしている、顔色も悪い彼女に、気遣う言葉をかけた。それから家までペケレを見送る。色々と話しもしただろうか]
[ペケレを送り届けた後には、診療所に戻った]
……もうこんな時間か。
[本格的な夜になりゆく時刻を示す壁時計。それを見上げてから、デスクに向かい]
……、神隠し。
集団妄想の類、か? それとも……
それも。ペケレの異変も、全て本当の、人知の及ばないような現象であるとしたら?
[呟く。患者用の椅子を横目で見て]
先んじて隠されるのは、賛成派か。
[...は、賛成派ではなく、老人の心情を考えてと、むしろ反対派に寄っていたが]
それと……
余所者、か?
[そこまで言って、頭を振り]
非現実的な話だ。
神隠しなど、起こるわけがない。
何かの間違いだろう。
[独り言を止め、往診の記録など整理*し始めた*]
[翌日になっても、ネギヤが戻ったという報が来る気配はなかった。その日最初に診療所を訪れたのは丸林という老婆だった]
丸林さん。
今日はどうされました?
[問い掛けに、老婆は「昨夜から気分が優れない」と答えた。診察を行ったが、特別な異常は見つけられず]
少し、夏バテかもしれませんね。
ここのところ、ちゃんと眠れていますか?
[恐らくネギヤの件があるのだろう、と、内心では考えていたか。再びの問いに、老婆は少し黙り]
「……先生。
ネギヤさんは神隠しに遭ってしまった。誘拐だなんて言ってる奴もいるが、んなわけがねぇ。
ずっと、やめろ、言うとったのに、聞かないで。だから、祟られてしまったんだ」
[話される内容に、...は是とも否とも返さず、黙っていて]
「先生。先生は、いい人だけども。
外から来たもんだからって、隠されるかもしれねぇ。
先生、気を付けてくれな」
……ええ。
心配して下さって、有難う御座います。
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