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………お辛くはなかったんですかね。
[皮肉めくウラヌスの声音に、深く思索するらしき間は己の裡へ浮かぶ感情を探るよう。狼使いと言えど同じ群れに暮らし続けた者たちを想い、ぽつりと零す声は語尾のあがらぬ小さな呟きに留めた]
名乗れば危険かも知れません。
潔白の方とて表に出れば狙われるかもです。
見つけて下さるまで待てればいいんでしょうけど…
そんなに時間はないですね、きっと。
[やがて長老のテントが見え始めれば、集まる者たちの姿もあるだろうか。遠目にも目礼を置いて、訥々と語る声は飲み込んだ溜息の分だけ静か]
こんな手段を選ぶ理由は…―――
[探せど出ぬ答えを一旦は脇へ置くように、一度だけ小さく首を振る。語られぬのを無理に話題を続けず、ウルスラの言葉に耳を傾け―――途切れ隠される不吉な言葉に前髪に隠れる眉を顰めた]
待ちぼうけでもさせてしまいたいです。
[下がる眉は隠れども、冗談めかぬ口振りで嘯く声音は切実に響く。キィキィキィキィ…―――車椅子の音は、ウルスラと共に長老のテントへと近づいていく*]
― テント ―
[ウルスラと共にテントに着いた時、肩越しに外へ振り返ったのは、冷えた鼻先に違和感を感じたから。知れど馴染みの薄い血の臭いと気配を確りと嗅ぎ分ける事は出来ず、そのまま静寂を破りテントの中へ]
…………
[キィキィキィキィ…―――長老と、アルマウェルとを順に見てから、ぎこちない軋みそうな目礼を添える。周囲を見回し部屋の隅まで車椅子の音は響けど口は開かず、増えた息遣いと燃える*焔の音*]
…………
[曇る眼鏡をはずしつるに歯を立て思索の海へ沈んでいたのか、トゥーリッキの視線を感じ眼鏡をかけ直して顔を向けたのは間を置いてから。促さずも口を開きそうな気配はマティアスの行動で途切れ、視線を向ける先で外へ向かう彼は膝掛を羽織っていたか]
…………
[マティアスの背にお気をつけてと声をかけるより先、トゥーリッキの声が異変を語る。コートのうねりにお連れさんの様子に気づき、眼鏡の奥の瞳を瞬かせた。
マティアスを耳聡いと評し外へ向かうらしきに、言葉を受けどうするのか確かめる態で室内にある者を見回し、長老へ眼差しだけでひと時の退席を語る。キィキィキィキィ…再びテントの外へ向かい、曇る視界にも異変を気にしていれば聞こえるて、トゥーリッキの声と物音と―――臭いに前髪の奥で眉を顰め*近づいていく*]
[キィキィキ…―――よく見えずともただならぬ気配は感じられて、曇る眼鏡をはずさず袖口で拭う―――雪に広がる赤黒い色は、紅いオーロラや村に灯る明かりのせいではない。
戦慄いた口は倒れているビャルネの名を紡げず、見開いた瞳が揺れる。カウコの口振りからビャルネに危害を加えたのは当人と知れ、ビャルネからカウコへ軋みそうな所作で顔を向けた]
………彼が狼使いだと…―――
[トゥーリッキに止められしりもちをつくカウコの声は震えていたから、問いかけた言葉は半ばで留まる。トゥーリッキがビャルネに声をかける中、集まる人を見回し―――手遅れだ―――カウコの声が聞こえ生きる事を望んでいたビャルネへ向き直る]
…………
[引き留めず追い遣らず痛ましい姿のビャルネを見て、瞬きには長い瞑目すらうまくいかず、堪えるようにきつく瞼を伏せた。キィ…―――整えるように震える白い息をひとつ吐き、彼に向き直り近づこうとして―――カウコの行動に目を見張る]
…………
………すみません…
[跳ねるビャルネが事切れ、担げずひとりテントへ戻るカウコを呼び止めず。キィキィキィ…―――ビャルネの傍へ寄り、誰に対してか項垂れ掠れる謝罪を零した。
ビャルネの瞳は開いていただろうか、開いてたなら閉じさせようと、彼自身の意思か誰かの手により閉じていたとて、車椅子から身を乗り出し、触れる。生の温もりが抜け落ちていくビャルネの額―――触れる手が震えた]
………、…―――
[死者に触れた手は静かに離れ、震えごと手の中に握り込む。溶けぬはずの雪と氷は赤黒い液体の熱に少しだけ溶けていたか、それすらも共にまた冬の女王に抱かれ凍るのだろう]
………僕もテントに戻ります…
[カウコの向かった先をちらと見てから、周囲の者たちはどうするのだろうかと視線だけが問う。ビャルネを運ぶ人手を求められれば、車椅子の膝の上ならと*申し出るだろう*]
………気がかりですから。
[一度は名を呼ばわられた相手の言葉に多少の間を置いて返し、誰と添えずもトゥーリッキへ答える。キィキィキィキィ…―――ウルスラやイェンニや見えぬマティアスにも目礼を置き、カウコの後を追うように惨劇の場を離れた]
…………、…―――
どうして彼だったんですか?
[音とカウコから返る答えをなぞり、曇る眼鏡をはずしつるに歯を立てる。彼の腕から血が伝っていたとしても、腕を庇わなければビャルネのものに見えるだろう。
アルマウェルがテントを出る背を見て長老に向き直り、すぐに戻ると添え眼鏡をかけ直し、長老のテントを出る。テントを出て向かった火のない自身の小屋は既に外と同じに冷たく、指の跡がついた容器に手を伸ばした]
…………、…―――
起きれるかな…
[呟き容器の蓋をあけると中には小さな丸薬らしきものがいくつか、悴む手が一粒を摘み上げる。目線に持ち上げ、死の淵へおりるほどに深い眠りをもたらす丸薬を見て、眼差しを細めた]
…ビャルネ。
[亡き人の名を紡いだ舌に丸薬を乗せ、呑む。彼の額に触れた手を自らの額に触れ―――カクリと力を失い項垂れた]
―――…、………
…………ッ
[止まりかけた呼吸が再開するのに咳き込み、見開いた瞳。肩で息をして何度か瞬くと、生理的なものか涙がぱたぱた頬を伝った]
彼は…―――違う…
[項垂れて呼吸も整わぬままに掠れた声が呟き、袖口で頬を拭う。丸薬の入る容器を棚に戻そうと掴んで、握り締めた]
………伝えないと。
[キィキィキィキィ…―――血に濡れずとも紅いアルマウェルの姿は、ビャルネの遺体の傍にあるだろうか。あるいは伝達に向かう道中でいきあうか、傍へ向かい彼に目礼を置く]
………彼は狼使いではありません。
みんなに報せて下さい。
貴方の身が危険にならないように…
必要なら僕の名を出しても構いません。
カウコには―――僕が伝えます。
誰とも知れぬ相手の言葉では…
[言葉を切り続けず、目礼を置き場を辞す。キィキィキィキィ―――長老のテントへ向かう途中、マティアスの姿も見えるだろうか]
…………
…見えないと聞こえたりするんですか。
僕は気づけませんでした。
[先にひとりテントを出た折のマティアスの事を指摘するらしき口振りで、彼がテントに戻るなら入り口で待つ間もあるか。彼の向こうに遠く遺体が見えたなら、眼鏡の奥の眼差しを細め―――伏せた]
そうなのかも知れません。
僕は先に戻りましたが他の人たちは…
[言外には遺体の行く先も問うらしき様子で、膝掛けを手にすれど長く外にあったらしきマティアスをテントへと促す。テントに見える顔はあるかと中を覗き、誰かの姿が見えれば目礼。
返り血を浴びたカウコの姿を見ると、震える手を握りこんだ。キィキィキィキィ…―――すみませんと周囲に断りカウコの傍へ寄り、俯きそうになるのを堪え彼を見上げる]
………ビャルネは狼使いではありませんでした。
[他の誰でもなく自らの言葉であると同時に己をまじない師と察するに足るであろう言葉を、彼にだけ届くくらい小さな声で囁く。キィキィ…―――カウコの言葉があれば幾らか会話して、目礼を添えると*テントの隅へ*]
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