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病院受付
[去っていった見舞い客の残した憂いが
12月の冴となって病院内を包み込む。
それはほんの少しの寂しさと
同じだけの優しさを孕んでいるような気がして
故に、警備員の男にとって
そう、悪いものとも感じなかった。]
[深夜。
見回りの為の靴音が廊下へ木霊する。
無機質なその音色は地下、
遺体安置室の奥で停滞した。
すすり泣く女性の声音。
此処での死は日常だった。
病院から海が見える景色になった不可思議さに
誰も、気づく事はなかった。]
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