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[正確には死が冷たかったんだろうと、今になってなら考えられる。
あの時はもう何も、何も。
痛み。気が狂うほどの痛みが襲ってくるのかと思えば、実のところ気は狂う前に止まっていた。
白いフラッシュ。飛んでいく思考。
もう後は痛みに強制的に引き起こされる自我が本能的に首を振るのと、その直後に失神し痙攣するのを繰り返すばかりだった。]
[抵抗はしたくても出来なかったと言う他ない。
死に従順な男だった。怖くなかったかといえば、嘘だが、期待もゼロではなかった。
ただもう少し、死にしがみついてもよかったかもしれないと、今なら思える。]
[夢を見ている。
一面色のない夢を見ている。
それが夢だ、と思いながら、ゆっくりと覚醒する。]
――おはよう。
[何でもない顔でそう言う。
そうすれば、何でもない事のように歯車は噛み合いなおすのだ。
たぶんね。]
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