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──あっつ……。
[右、左、右。並木道に繋がる階段の最上段を、丁度右足で踏み締める。12段。
折りたたみイーゼルに30号ほどのキャンバスが入ったカーテン…もとい、手製のバッグを肩に引っ掛け、手には筆洗い油入りのアルミ缶、筆と絵の具が限界まで詰まった工具箱が握られている]
…太陽、爆発しろ……いや、したらあかん…。
[えっちらほっちら、荷物を揺らしながら真っ直ぐに木陰を作る木の根元へ。
ついた途端乱暴に荷物共々腰を落し、深々と溜息をついた]
[向かい側のベンチでは、少女たちが談笑していた。
眉を寄せぐっと目を凝らすと、片側の少女には見覚えがある。
高校時代の部活の後輩だ。名は、確か──]
トリヤマ……じゃねぇな、小鳥。小鳥川!*
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