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[集会場への道は白い。
――濃淡いくつかの足跡が残る道筋を、
破落戸(ごろつき)の男が背を丸め歩む。]
ちっ。
[破落戸はひとり、目を眇める。]
[振り返る視界、後方の広場には
自警団長アーヴァインの姿があり。
破落戸の背を見張るごとき仁王立ちに、
舌打ちをひとつ。男は逸れず道を行く。]
けったくそ悪ぃ。
[教会の鐘が鳴る。
顔を上げると、女学生のメイが先立って
集会場へと軽快に駆け行くのが見えて。]
……
[彼女が開く扉から、ふわりとできたての
バロンスープの匂いなど香るものだから、
不機嫌な破落戸はますます目を眇める。]
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