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─クランクアップ─
[ラストシーン収録後、周囲がわっと歓声にわく。
張り詰めていた緊張が一気に緩んで、抱き合って喜び合ったり、中には感極まって泣き出す生徒もいた]
はーい、みんな!お疲れさま。
[手を打ち鳴らし声をかけながら、こっそり持ってきていた段ボール箱を持ち上げ皆の前で開く]
これは先生からの差し入れだ。
持って行ってくれ。
[清涼飲料水のペットボトルを、差し出される手に順に渡す。
後から駆け寄ってきた生徒が一斉に来るから、途中で諦めて勝手に持って行ってもらうようにした、…が]
……。
[人数分あるはずだけど、減り具合が早すぎてちょっと心配になる。…たぶん、大丈夫だけど]
小鳥遊先生もどうぞ。
[生徒たちを笑顔で見守る彼女の傍へと向かい、お茶のペットボトルを差し出す]
…文化祭が楽しみですね。
[隣に並ぶと、自分用に持ってきていたもう一本の封を切る。
まさか、教師である自分たちにも声がかかるとは思っていなかった、と当時を思い出して笑いあう。
自分にとっても楽しかった一時だが、彼らの思い出つくりに参加できた事が何よりも嬉しい]
先生の演技、迫真に迫っていましたよ。
特に、血を顔中に塗りつける辺りとか…実を言うと私、内心怖いと思ってしまいました。
[軽口のように添えて笑い、次に切り出そうとする内容にそっと覚悟を決める]
小鳥遊先生、…今度飲みに行きませんか?
いえ、…劇中でそんな台詞があったでしょう?いいなぁ、と思ってしまって。
[平然を装ってみたけれど、少しだけ緊張して脈が早くなる。
彼女の返事より先に、拒絶された時の取り繕う台詞を考え用意する。しかし]
…───え?
[用意していた台詞が使われない場合については、まだ考えていなかった]
─END─
─クランクアップ続き─
>>21>>22>>23
[承諾を得て浮かれたのも束の間、新たな壁が目の前に立ちはだかり内心密かに動揺する。
美味しいフレンチ…?
お洒落なバー…だって?!
美味しい炭火焼鳥の居酒屋なら知ってるから、何も考えずにそこへ行こうと考えていた。
しかし、そこで初めて気づく。
あんな煙たい店に連れて行ったら、ニオイが移る事を気にするかもしれない。相手は大人の女性だ。学生時代のデートとは違うのだと思い知らされる]
小鳥遊先生の、行きたいお店でいいですよ。
[と返してみたが、フレンチコース二人分となると一体いくらになるのだろう]
文化祭の後にしましょうか。
[もっともらしい理由を付けて予定を誘導する。その頃なら給料日後だから]
[適度に会話を合わせながら、頭の中で素早く計算をして綿密なシミュレートをする。
耳元に柔らかい囁きを吹き込まれた時は、完全に油断していた]
…────!
[危うく茶を吹くところだった。
いや、いずれそうなる事を期待しなかったわけではないけど、き…期待されているのかなぁ…?]
…分かりました。任せてください。
[口元を拭って一息吐いた後、彼女に頷いてみせる。平静を装ってみたけど、動揺した事は見ぬかれたかもしれない。
なんだか急に気恥ずかしくて、居たたまれなくなる]
えー…っと、あ、ちょっと生徒たちの様子を見てきますね。また相談しましょう
[軽く手を挙げ会釈すると、そそくさとその場を足早に立ち去る事にする]
>>24
[校内に組み立てたセットは、撮影が終了したら速やかに撤去しなければならない。
談笑し合い中々動かない生徒たちを急かして撤収しないと、と考えた所で近藤の姿を見かける]
やあ、近藤さん。また来てたんだ?
[お約束通り声をかけた。
以前、学園内で見かけた時に無視したら、何故あの時声をかけてくれなかったんだ、と後でしつこく責められたから。
学園の教師でもない彼が、ここへ何度も足を運ぶ理由は知っている]
塾講なんかやめて、うちの学園に来ちゃえばいいのに。
近藤さんがうちの先生になってくれたら、俺の担任代わってくれてもいいんですけど。
[彼の目当てが、自分の担任クラスの生徒だという事は既に知っている筈だ。
こちらに背を向け歩き出そうとしていた近藤が、足を止め振り返る。そこにすかさず、こう付け足す]
なんて、出来るわけないじゃないですかー。
[軽く悪態を吐きながら近藤が再び背を向ける。その背に、もう一度声をかけた]
近藤さん、後でちょっと時間くださいよ。
相談したい事があるんですけど。
[彼ならきっと知っているだろう。大人の女性が好む食事や店の事を。
からかいはしたものの、何だかんだで年上の友人を頼りにしている]
さーて、お前ら、いつまで休んでるんだ!そろそろ撤収始めろー!
[生徒たちに向けて、手を打ち鳴らし声をかける。待ち望んだ文化祭まで、あと数日…───。]
─END─
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