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[―――その瞬間。]
[男を横殴りの衝撃が襲う。
誰かが、爆弾を仕掛けたのだろう。
崩れていたビルの横が吹き飛び、男の身体が瓦礫と共に、吹っ飛んだ。
軽業師が如何なったか定かではないが、
男と分断された形であるのは間違いない。
爆縮を行えば、ビルが内側へ倒壊した筈だが、それが無かったのは、その計算が出来る者が居なかったからか。]
…―――…はっ、
[空気の塊を肺から押し出す。
腹部が重く熱い。口元から溢れるのは血液だろう。
音が聞こえる。喜び、歓声、興奮の]
うぅ……―――〜〜〜〜〜〜
[皮が再生し切っていない血濡れの指先を、側頭部から片頬にかけて押し当てた。もう片方の手が、ぬめりと這う何かに触れる。躊躇わず、掴んだ。―――…蛇だ。]
[「前頭葉のみ」を灼き潰そうとした意志までは察せられてはいなかった。恐らくは、「思い出」に反応した結果だろうか。]
[もし――――、]
[あの時、其れを知っていれば、行動は変わっただろうか?命ある侭、意思無きものとなることへの―――。]
[音は、聞こえなかった。
瓦礫が「崩れる音」も、何もかも―――。
インパクトの瞬間以外は。
異能の血は辺りに撒かれている。]
[粉塵の中の様子は、光がなければ窺い知れない。]
[ひゅ] [ライフルを構える住人の胸に、鉄棒が生えた。]
[ひゅ] [起爆装置を持つ男の頭を、鉄棒が貫いた。]
[ひゅ] [少年少女の身体が纏めて何処かのビル壁に、鉄棒で縫い付けられた。]
[ぐちゃり] [何かの咀嚼音が一つ]
[ひゅ] [安全装置に指が掛かりきりの少年の胸部を]
[ひゅ] [ククリナイフを構える男の首を]
[ひゅ] [マシンガンを乱射し始めた老人の胸を]
[音と、感情の源へ、
次々と指の太さ程の鉄棒が飛んでゆく。]
[蛇を咀嚼する音が響く。
粉塵の中、両足を踏ん張らせ立ち上がり、
口元から蛇の身を躍らせている。
他の蛇の群れが、この殺し合いに巻き込まれたかどうかまで、男が今意識を向ける事はない。]
[片手をゆるゆると上に掲げ、ひゅっと降ろした。]
[男の頭上に浮かんでいた、大小様々な瓦礫達が、
まだ命ある者達を、骨砕きながら薙ぎ払う。
阿鼻叫喚、血臭が合歓の匂いを掻き消していた。]
[ビクン、ビクン、と身を躍らせる蛇は、まるで男の口から生えた舌のようだ。其れを丹念に噛み砕いては、嚥下し続ける。]
[肋骨が折れ、内臓が潰れていた。皮膚や筋肉ごと骨を掴み、元の位置に戻そうとする。その間、蛇を強く噛み締めていた。]
[―――其れ>>74は、
『檻』に居た時と然程変わらぬ環境でもあることか。]
[ぽた、ぽた、と足を伝い血が滴り落ちる。
口元と腹部から流れる血は、街の者達の目印になる筈だが、周囲の「塊」が爆ぜては時折足取りを隠す。
尤も、其の血溜まりが、また新たな目印となるのだが。]
―――…(ぐちり、ぐちり)…―――
[一歩歩む毎に、周囲から槍の素材となる物が集められ、時には硝子の、時には鉄塊の捻子くれを作り、向けられる殺意と音と匂いあれば即座に投擲する。
血飛沫が、散る花弁が如くに夜闇を彩る。]
[やがて蛇を喰い終われば、瓦礫に背を預けた。
ふつふつと腹部の再生が行われている様だが―――。]
…―――…、
[「炉」の熱や、爆弾の影響で布は緩み、血と煤が消し流せぬ染みのように付いていた。見上げる。感じる。]
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