10/31 SUN
宛先 美夏ちゃん
件名 happy!ハロウィン(カボチャ)
内容
うぃーっす!約束通り勝ったぜ?
お菓子が欲しければ、昨日の公園に来なさい(笑)
合言葉はトリックオアトリートだ(笑)
―公園―
[俺は、昨日のベンチで空を見上げていた。秋の空なのか、冬の空なのか。よくわからないけれど、空は高く澄んでいた。]
久しぶりに……いい空。
10/31 SUN
宛先 美夏ちゃん
件名 Re:おはよ。
内容
あー、信用してないなぁ?
俺、なかなか強いんだから!
うん、待ってるからー☆
[美夏ちゃんからのメールに返信をした。何故か顔がほころんでいて、いかんいかんと首を振った。]
しっかりしろ、俺!
違うぞ、そんなんじゃねぇぞ!
[誰もいない空に言い訳をしながら、彼女を待った。]
おわわ!?
[ぽけぇーっと空を見上げていたら、突然頭を押されてびっくり]
美夏ちゃん……びっくりしたよぉ。
ほい、ハッピーハロウィン。
[なんだかんだで、結構悩んだ結果決めたクッキー。それを美夏ちゃんに渡した。]
そそ、買いに行ったの。
恥ずかしかったんだけどさ、まぁ勝ったし。
女の子って、そーゆーの好きだろ?
[わからないから、女の子が並んでる店で買った。]
美夏ちゃんは、今日予定なかったの?
いきなり呼んじゃったからさ。
彼氏とかと約束してたら、悪いかなと思ったんだけど。
約束だったから、一応誘ってみたんだよ。
[彼氏いるの?とは聞けないから、変化球で]
あぁ、そうそう。駅前に人が並んでてさ。
どうせだからって買ったんだ。
ハロウィン限定だから、買っとかないとなーって。
[彼女は喜んでくれたようで、良かったと微笑みがこぼれ]
あ、予定なかったんだ?良かった良かった。
彼氏いないんだー?もてそうなのに。
[隣に座る彼女に、少し胸のあたりがくすぐったくて]
あぁ、可愛いお菓子が多いよなー。
アイス屋でハロウィン特集やってた。
タオルケットがあたるらしいぜ?
[駅前のアイス屋でみた看板を思い出した。]
ゴロゴロ過ごしたらもったいないぜ?
………なんていいつつ俺もまた博打打ってたけど。
[自分の今日を思いだしてため息。]
彼女いたら、彼女と遊びに行きますよー。
遊園地とか、ハロウィン用の飾り付けしてるじゃん?
見に行きたいさー。あんま乗り物は興味ないけど。
この寒いのに、アイスなんか食わねぇよなぁ。
俺ってさ、博打打ちに歓楽街をあるくじゃん?
いろんなイベントを見るんだよな。
[毎日歩いている街だから、大概の事は知っている]
あはは、浮気は嫌いなんだよ。
みんな不幸になるから。
[少しだけ、嫌な事を思い出した。それは顔に出たかもしれないし、出ていないかもしれない。]
ジェットコースターとか無理。寒いし、高いし。
夏は気持ちいいけどなー。
[美夏ちゃんに、小さく微笑んで]
あぁ、歓楽街にあるんだよ。
キャバクラの客引きと仲良くなっちまったさ。
[あはは、と肩をすくめて]
あぁ、よくわかんねぇ。よくわかんねぇよな。
[ふぅ、とため息をついた。]
あー、もぞもぞするよな!
でもよ、あれってドキドキしねぇ?
人を好きになった時と同じ感覚だよきっと。
あの気持ち悪さ、くすぐったさは。
あのな、勘違いしてねぇか?
俺はまだ未成年。キャバクラには行けないの。
[あはは、と笑って見せた。]
同じなのさ、あれは。
いつ落ちるのか。いつ失うのか。わからない。
どんなに怖くても。どんなに悲しくても。
もう一度乗りたい。もう一度会いたいと思う。
ドキドキすんのさ。
[肩をすくめてみせた]
博打は18から。酒は20から。
誤魔化せる範囲にも限界があらぁな。
[笑われて、たははと頭をかいた。]
んー………昔な。一回だけそんな恋をした。
付き合えなかったけどな?
失ったから、俺は。
[くすり、微笑んで見せた。]
聞きたい?
そそ、高校生は禁止なんだよ。
煙草や酒は、楽しくないだろ?
楽しくない悪さなんて、する意味ないじゃん。
[俺って基本つるまねぇし。と彼女にいいつつ。悲しい思いをするのならとの答えに、微笑んで]
優しいな、美夏ちゃんは。
別に、悲しい思いなんてしないって。
去年の明日、11月1日。
事故で死んだんだよそいつ。ただそれだけ。
おーおー、誘ったる誘ったる。
美夏ちゃんが困らないなら、いつだって。
[おどけてみせても、やはり顔はくもっていたようで。彼女に頭をなでられたら、少しだけ変な感じがした。あの時も、こんなんだったかなって。]
別に、どうって事ないんだけどさ。
死んだ人間に義理立てしてても始まんないし。
でも、そう簡単に忘れられるわけでもないからさ。
学校に行くと思い出すから、毎日博打。
[ちょいちょいっと、指で牌を打つ真似をしながら]
もう二度と届かない。そうなって初めて………
好きなら好きって言えば良かったなって。
今みたいに、誘えば良かったなって思うかな
雪……か。降るといいな、雪。綺麗だしさ………
[ふと、高い空を見上げて。雪が本当に降ったなら。それはきっと、サヨナラなんだろうと思って。それでも、あーんと言われたから口をあけて]
あーん……うん、うまい。
[などとやっていたら、それを見ているイマリの姿。]
………げ
あれは、雪が笑ってるからさ。
生まれてこれて良かったって、笑ってんのさ。
だから暖かいんだ。
[きっとそうだ。例えばすぐに消えてしまうとしても。あいつらは笑って消えていくんだ。]
甘い物は好きだけど………覗かれるのは嫌いだ。
イマリ!隠れてないで出てこい!