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…は?
[喉に、生温い塊が引っかかった。
視界が暗くなり、脳味噌を後ろから掴まれて引っ張られるような浮遊感を感じたのが、つい、さっきだと思う。
が、足元に見えるのは 横たわった自分だ]
……なんだ…?
[理解が追いつかず、自分の手を見下ろした]
[この笑みにも心当たりがありすぎた。
狼に代わる前の、人間はだいたい同種の笑みを浮かべるのだ]
違う。
おいらの世界は――
[ ―― 記憶は途切れる ]
― 屋上 ―
ああ、ほんとチート日記なんだな。
[幽霊でもどうも太陽の下に出ても大丈夫のようだった]
[無残な姿――といっても、自分の経験上、これはかなりましたである。ちゃんと五体満足じゃないか。
残骸にされていたり、バラバラでデコられていたり、そういう猟奇的なモンスターの趣味にされてはいなかった]
こんな日でも、朝日は綺麗だ。
んでも、あんまり、よく、みえ、な……
[この世界と本当によく似た世界。
違うところは、そこは、精霊も、妖精も、幽霊も、宇宙人もみんな心の中ではなく必ずいるところ。
何故自分がと呪った。何度も何度も死んだ。心ないお悔みも役目のまま受け入れてきた。
それでも――滅んでいいところだとは、微塵とも思わなかった。
自分の死は、物語の始まりで。
始まった物語は関わったものに何かを残していたのだから]
アン、……みんな……、創造主さま……
ごめん、ごめん……
[糸が切れたように、膝をつき。
太陽に項垂れて**]
[不思議そうな表情のまま、見下ろした手の向こう
自身の死体をコハルが担ぎ、
8thが手伝って屋上へと運ばれていくのを眺める。
ようやっと、どうやら意識と肉体が離れたらしきを
じわじわと理解して。
のろのろとその後を着いて行った]
…こう、なんのか。
触れねェ。
当たり前か。
[ふわふわとした足元を踏みしめたいがそれも出来ず
自分が置いた死体の横に並べられるのを見遣った]
[それからゼンジとセイジ、デンゴを見る。
穏やかな空気らしきを感じたのに、
向こうに開いたエレベーターの中に
倒れた男がちらと見え、息を長く吐いた。
クルミとヨシアキの後を着いて下りる。
着替える、というクルミの後ろについていく。
彼女が時計の前に蹲って泣いている。
だが、見る事しか出来ない。]
…なんだよこれ。
負けた奴への、罰ゲームか?
[は、と、最早必要の無い息を吐いて。
更に肩に指をめりこませて、視線を剥がし。
顔を目いっぱい歪めて、その場からそっと離れた*]
……結局だめだったね、12th。
[視線は12thの死体を乗せて上下する動く箱もといエレベーターへ]
だけど、4thが12thを狙ったおかげで命拾いした者がいるんだし、
あながち無駄とは……、いや。
[1stが5thへと神の日記の力を奮えずに痛み分ける、
その様もしっかりと視界におさめていた。
一度言葉を切り、]
神の視点からすれば、
無駄な死などひとつも、ない。
そうだったね。
[ともあれ“賭け”は、
対象の死による両者痛み分けで終わることなく、まだまだ続くわけで。
彼女は使い魔をうらめしそうな目つきで見た]
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