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[結局、其々の借家に戻り、一夜を明かす。
朝になりテンマが神社へ向かうという話を聞くが、こちらに残ることにした。
誰かに伝承の事を教えてもらったのか、ふらり、一人外に出て、しばらくハナミズキの花を眺めていた。
また、どこからともなく声が聞こえる。
声の主が、2人になった…]
[声が聞こえ、振り返った。しかし、声はすれど姿は見えず。
小首をかしげていれば、目の前に何かがぼとりと落ちてきた]
あらあらら。鳥の糞ですわ…びっくりしました。
[そこへどこからかおいしそうな匂いが漂ってくる]
管理棟に戻った方がよさそうですわね。
[その場を後にして、管理棟にむかった]
[入り口に入れば、コルクボードのメモが目に入る]
あら。もしかしてこの匂いは、栗田さんの朝ごはんなのですね。
[メモを見つつ少し思案して]
…これは、夜は私が作った方がいいのかしら…?
[考えつつも、囲炉裏端に向かう]
[囲炉裏端では、すでにご飯を食べている人たちがいた]
みなさんおはようございます。
あと、これは栗田さんがおつくりになったのかしら?ありがとうございますわ。
[挨拶をして席に着き、食事を取りながら、周りの話を聞いていた。
程なくしておずおずと、話しかける]
あの…晩御飯は私が作りましょうか?栗田さんほど美味しいご飯は作れないと思いますが。
人数も多いですし、カレーくらいでいいかしら?
[食事が終わると、事もなげに―ネギヤの死に実感がわかないような雰囲気で*炊事場に向かった*]
[炊事場に向かおうとすれば、フユキの声が聞こえてくる。
程なくして、炊事場にやってきたフユキが料理の手伝いをし始める]
あらあら。…でしたら、お野菜切ったりお願いできますでしょうか?
[ビセの目の前には、不ぞろいに切られた野菜がごろり。あまり器用ではないらしい。
しばらくの間2人で野菜を切っていれば、フユキの声が聞こえる]
風、ですか?
[つられて窓の外を見た。ハナミズキの花がふわり、揺れている]
昨日の風はひどかったですものね…
[風と言われ、ふと、ドウゼンから聞いた、ネギヤの切り傷の事を思い出す]
そういえば、ネギヤさんの傷…はじまりのくらく…
…まだ…どこか、実感がわかないのです…
[小さくつぶやいて、しばらく口を閉ざし、野菜を切り続ける]
どこからともなく、ネギヤさんの声がするんですもの…
[とんとんという野菜を切る音に紛れて、フユキに聞こえただろうか]
はじまりのくらく…
「くらく」という言葉にまったく思い当たりがないのですが、はじまりということは、まだ何か続くとでも言われているような気がします。
[とんとんとん。野菜の切る音が響いている]
風が人を…さらっていく…ですか。
[つぶやいた声を聞いても落ち着いたままのフユキの様子に驚くが、ぽつりぽつりと言葉を続ける]
貴方は驚かないんですね…
…特には何も。誰かと話してるみたい…なんですけど。何も変わらない口調で…
ネギヤさんも、どこかに浚われただけのような気が、してしまいます…
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