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[薄らと白く染まった山道を、制服を着た一人の少年が歩いていた。白がかった金の髪に、少々幼い顔立ち。右手でキャリーバッグの取っ手を引き、左手で黒い傘をさしていて]
……雪は……
雪は喜ぶべきもの、ですか? ……
答えは、否、です。
[仄かに降る雪の粒を見ながら、少年は語りかける体で独り言を零す]
何故なら雪は彼らの侵略の一環だからです。
……それに僕は、寒いのは苦手です。
[やがて管理棟まで辿り着くと、傘を開いたまま振って雪を落としてから、閉じ、棟内へと入った。
ふくよかな主人に迎えられれば、辞儀をして]
どうも、失礼します。
僕は雨園孝治と申します。
ええ、今日からしばらく此方に……
[丁寧に挨拶をする。
傘置き場を示されると、首を横に振り]
いえ、これは。
傘を手放すわけには、いかないんです。
家屋への距離は、問題ではなく。
そう。
彼らから身をまもるためのもの、ですからね。
ええ、いいんです。
慣れています。そう、奇妙がられるのは。
真実、なのですけれどね。
[もっちり訝しげにする管理人、ネギヤに言われるまま、管理簿に自分の名を書き入れ]
[家屋の一つに着くと、雪を払って閉じた傘を、扉の横にある傘置き場にはやはり入れず、手にしたままで屋内に入った。靴を脱ぎ、キャリーバッグを壁際に置いてから、室内を見渡し]
……さて。
[荷物から形は様々な懐中電灯を幾つか取り出し、床の隅や椅子の上など、色々なところに設置していく。
その後アルミホイルを出すと、それで一番大きな窓を覆った。
傘を杖のように持ち、薄暗い部屋の中央に立って]
こんなもの、ですかね。
ええ、いいでしょう。わかっています。
少々欠けはありますが、この程度なら仕方ありません。
[少年の癖である、語るような独り言。
ふと、扉の方を見やり]
そういえば……
いえ。まあ、大丈夫ですか。
[呟いては、荷物の整理を*し始める*]
[荷物を整理し終えた後、家屋を後にして外へ出た。点々と家屋が並ぶ、静かな空間。黒い傘に白い雪の粒が落ちては、滑り落ち、一部は溶けて]
気を付けなければ。このような場所とはいえ……
彼らは。変わらずその目を此方に向けている。
[さく、と。小さな音をさせて一たび立ち止まる。僅かに震え、くしゃみをし]
……
寒いですね。全く。
ですが、この地は……
他の場所と比べて、「救済」が近い。
それがわかったからこそ、こうして来たんです。
寒さに凍えないうちに……
早く目的を達成したいものですが。
[くるりと小さく傘を回す。空いている右手でズボンのポケットから30cm定規を取り出し、じっと見つめて]
[家屋の一つの傍でしゃがみ込み、薄く雪の積もった地面に定規を当てる。30cm測った端からまた30cm、と、少しずつ距離を測り始め]
……、
[傘を手放す事はせず。近付く人物には、未だ気付かないでいた]
! ……
[背後からした声にはっと其方を振り向きながら立ち上がった。しわがれた声。いまいち正確な年齢がわからない格好の人物を見据え]
……見ましたか?
見てしまったんですね……?
……残念です。
[す、と目を細め、静かな声色で、だが脅しをかけるように言う。開いたままの傘をその人物に差し向けかけて、すぐに戻し]
……、なんて。
冗談です。僕は彼らとは違いますから、まさかそんな乱暴なんてしません。
今日は。僕は雨園孝治と申します。
[などと言って、丁寧に一礼を]
すみません。
此方も驚きましたから、おあいこ、という事で一つ。
[尻餅をついた様子には、そんな事を。表情はほとんど変わらないが、冗談らしく]
星野さん……ですか?
[別の名前を言いかけたのにはやや首を傾げるも、追求はせず。彼らについて聞かれると]
彼らは、彼らです。
あの空の向こうに……はるか宇宙に存在し。
僕達人類を、動物を、植物を……
観察し、それと知られずに攻撃してきている。
隙さえあれば蹂躙してやろうと目論んでいるんです。
それと知られずに。そう、僕がそれに気が付いたのも、単に運がよかったからなのかもしれません。
知った者の使命として、僕は事実を喧伝し……そして「救済」を求めていかなければならないんです。
これはそれの一環です。
[饒舌に語っては今し方測っていた地面を定規の先で示す。瞳は至極真剣に]
ええ。この雪も……
彼らの侵略の一環なんです。天候が悪い時ほど彼らの力は高まりますから……
そうでない時も絶え間なくされる攻撃を防ぐため、僕は常にこの黒い傘を持っているんです。
[曇天を一度見上げてから、星野だと言った人物の問いに頷き]
間接的に、ですがね。さっきは……家屋と家屋との距離を測っていました。
我がオカルト部……まあ、部員は僕だけですが……による調査の結果、この地が「救済」に適しているという事がわかり、出向いてきたんです。
測定は、儀式を行うために必要不可欠な……
と……
あまりこうして喋っていると、彼らに聞き付けられてしまうかもしれませんね。
[ふと、声を潜め]
触れるだけなら、冷たいだけです。
降っているという事自体が、危ういんです。
そうして、太古の昔から徐々に……
もうこの世界の基板は滅する間近まできている。
[異質なパワー、というのに、ええ、と]
……この村には、とある伝承が伝わっているそうです。
それもどこかで力と、彼らと関わるものなのだろうと、僕は検討をつけていますが。
[突然のくしゃみに、首を傾げ]
大丈夫ですか? 寒いですからね。
それとも、どこかで誰かが貴方の噂を……?
なんて、確かめようもない事ですが。
常夏の国の場合は、一つに蜃気楼が……
[説明しかけて、伝承の話に]
そう……何でも、昔村人が相次いで変死を遂げる事件があったそうです。
どこからともなく、突風が吹き……
それを受けた者が、謎の切り傷を受け息絶えるという。
真夜中に、遠吠えのような音をさせて吹きくるので……
人々はその風を、その現象を、「人狼」と呼んで恐れたのだと。
[御伽噺のように語る。
寒いと答えるのには、やはり「彼らの仕業です」と]
心当たりはありますか?
僕は人に噂をされる事はしばしばあるようで……
ええ。大分話した事ですし、構いませんよ。
[問いかけに頷いてから]
まさか。そんな乱暴な事はしませんよ。
深淵を覗く時、深淵もまた……とは、いったものです。
彼らに対抗するのなら、彼らと違った存在でいなければならない。彼らと同じ手段をとってはならないんです。
まずは村の色々を測定してから、ですね。
[30cm定規で測定をし切るには、この静かな廃村も、大きすぎただろうが]
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