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無駄な、死?
[どこから聞こえたのかわからない
ただ、マシロの言葉を思い出しただけかもしれないが
痛い言葉、単語が 頭の中に引っかかる。
無駄な死。
意味ある死と、それの境は何処だろうと思う]
…どれもこれも、
望んじゃいねぇよ…誰も。
[舌打ち紛れに吐き捨てて ふわりと彷徨う]
― 3F エスカレーター ―
[どれほどの長い間、意識を失っていたのか。
気がつけば。
目の前に、マシロとフユキがいた]
……いきていて、よかったんだな。
[フユキのDead End は避けられない。
そう自分の日記を見たときは思ったが、彼は回避できた。自分は死んだ。
こうなることは、フユキに声をかけると決めたときから覚悟していたことだ]
[マシロとフユキが、狼――じゃなかった、鬼の4thと話をしている]
[自分の脱落の前に、ソラが死んだことは知っている。
だからこそ――]
8人生き残っていて、鬼3人
もう、鬼じゃねえやつは自分で生存を選べねえんだな――
[そんな鬼と人との密約を元にしたパワープレイがなされれば。
生きることを、生き抜くことを選びたいという、人の気持ちなど一瞬で踏みいじれる。それこそ、チート日記などなくても、だ]
[こんな光景は見たくなかった。
最善を目指そうにも――]
足らないことがおおすぎた、な。
おいらは所詮、ダミーか
[神の日記を持つものが、生存者を選ぼうとする光景。
口の中は何となく苦い味がした]
[ゆらゆらと 自由に。
人と人の間をすり抜け、彷徨う。
誰も、気付かない。
じわりじわりと、紙に水が染み込むように
何かが自分の内に広がっていくのを、
まだ、遠くで、感じている]
…クルミ…と…キシ?
[同じような年齢に見えるふたりが
ベンチに座るのを見た。
感じない大気が、重い]
[穏やかに話す、ふたり。
遠い。
空気が、世界が違う。
軸の違いを、感じる。
広がる染みは、幾何学模様を描いていく]
[そして、ふと
視界に見えた姿に、動きを止めた]
……12th…か?
あれ、エレベーターで…
[死んでいた筈。
不思議そうな声で呟いて、目を眇めて見遣る]
やぁ、ソラさん。
[死んでしまえばゲームの枠外の存在だ。
敵意も害意も持ち得ない。嘗て、自分が他の絵の妖精を待っていた、青い空間と同じように、彼女に挨拶をした]
あなたと同じだ、ゲーム開始前にちらりと――あの神のアシスタント? らから聞いた、幽霊、というやつなんだな
えと、ネギャ、だっけ。
[人づてに聞く名前は覚え難い。
ゆらり揺れて、そのにこやかに見える
ふっくらとした顔を、じ、と見た]
そうか。
…謝らねぇぞ。
[襲い掛かった相手。
害意は感じないが、少しだけ顎を引いて
低い声で、言う]
ネギヤ、なんだな。
[と、音を訂正しつつ]
おいらも謝らないよ
1st殺しにかかったこと。
[ソラが低くうなる様子に首をすくめる]
謝るくらいなら、最初っから行動に出てないんだな。
ま、そうだよな。
謝って何か戻るなら謝るけど。
俺と、あんたの世界だって、
…―――――、
[眉を顰め、口元を抑えて暫し止まる。
息を吸って吐くようにして、背筋を伸ばした]
ネギヤな、ネギヤ。
んで、俺らはこれ…干渉は出来ねぇ、んだよな。
見てるだけ。
うん、謝って戻るなら、きっとこんなゲームは起こってなかったと思うんだな。
[世界の行く末の話をされれば、顔が流石に曇るも]
ああ、おいらたちは、見守ることしかできないんだな。
幽霊っていうのはそういうもんだ。
多分、幽霊同士が争うこともできないのも……
触れ合うことができないからだとも思うんだ。
[ソラへと、骨も浮かない程度にぶっとい大人もみじの手を差し出した]
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