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[続々と店に入ってくる若者達を見て]
おやおや皆さんこんにちはですにゃー。
お外は雨で大変だったでしょう。ウミもさっきスカーフを濡らしてしまったんですにゃ。お風邪をひかないようにあったまるのが一番ですにゃー。
ほら。アンさんも突っ立っていないで。
ん……??
アン……さん……?
[他の者の様子とアンの様子を何度も何度も見比べる。
きょろ、きょろと擬音が付くのではないかと言うほどに何度も何度も見比べる。
―――明らかな存在感の違い]
アンさんがいないですって?
アンさん、アンさん、どういうことですかにゃ?
ウミは見えてはいても、ずっと霊さん続けていくかたと生霊や幽体離脱してるかたの区別がつかないんですにゃ。
アンさん無事でおりますかにゃあ?どうか幽体離脱であってほしいんですにゃあ……!
……って、人間さんには言葉が通じないんですっけにゃあ。ポチさんとかキツネのランさんとかカラスのクウさんとかみたいな大抵の霊さんは言葉がお互いわかるのに、どうして人間さんには通じないのですかにゃあ……。ウミは昔から不思議なんだにゃ。
うーん、うーん。
[入り口に佇むアンを見て困り顔。人間にはその表情が判断できなくても、同じ猫から見ればわかる困り顔。
アンを探しに出て行くフユキの背に向かって]
フユキさんーーーー!!
アンさんならここに、ここにいますにゃあーーー!
にゃあ〜〜……やっぱりわからないですかにゃあ
……。
皆さん気付いて、ウミのこの想い!
[足元にまとわりつきアピール。]
全員すりすりしたところではい、みなさんウミが気になってくるですにゃあ、ですにゃあ。ここでウミに注目ー!ここにアンさんいるんですにゃあー!
[入り口に座り大声で気を引こうとするが]
[アンを探しに行こうとしてくれているのかい?と聞く校長に首を傾げて]
いやだからご主人、探しにいくとか違うですにゃあ。
アンさんここですにゃ。きづいてー!
……って、やっぱりわかってもらえないですよにゃあ。
ウミの言葉は通じないし、そもそも人間さん達にはずっと霊さんも生霊さんも幽体離脱さんも見えないのですにゃあ……
うーん、うーん。どうすればいいかにゃあ?
[アンが心配かと問うホズミには]
当然ですにゃ、アンさん心配ですにゃあ、生死が……
だってねえ、こんなアンさんが見えてしまったらとてもとても心配に決まっているですにゃあ。お話も聞き出せないっぽいですしにゃあ……
[自分が探しに行く、ウミは待っていなさいと言う校長に]
ウミは雨は嫌ですにゃあ。でもですねご主人、緊急って言葉があるですにゃ。苦手があってもねこまっしぐらしなくちゃいけない時があるですよう。
ご主人。お茶飲み終わったらとかそんな事言ってる場合じゃないと思うんですにゃ。遅いですにゃご主人……
[雨振って雷の鳴る外。雨に濡れると考えると気持ち悪いだろうなぁと猫であるが故に考えてしまうのも仕方がない事であるが、かぶりを振って]
フユキさんーーー!ウミも一緒に探しに行きますにゃあーーーーー!
[フユキを追って外へと飛び出した。止めようとする校長の声は無視して雨の中を駆ける]
冷え性 ロッカは、ここまで読んだつもりになった。[栞]
[夢から目を覚ます。
声を出そうとすると、口腔内からこぼれた泡が水面を目指した]
あ……?
[右手が掴むそれは、力を入れるとぼろりと崩れ粉となった]
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