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[ふらりふわふわと道を歩く。
時にはあらぬところへ向かおうとした…の腕を引いて
ユノラフは道を正してくれただろうか。
その都度、あらごめんなさいと言うも、改善は見られない]
そういえば今年も晴れるみたいですね。
良いお写真は撮れそうかしら?
[ユノラフの写真を何度か見たことあるが、
芸術に疎い…にもそれは繊細に移り目を引いた。
ただの風景なのに、発色や構図が良いのかユノラフの
手に掛かれば不思議と異世界の写真に見えなくも無い。]
今年のコッコは昨年よりも立派なんですって。
イルマが言ってたわ。
[昨年のコッコを撮ったユノラフの写真は、
炎の細部までが映し出されて生きているかの様に
見えたのを覚えている。
今年は更にすごいものが取れるのでは、
と密かに期待していた]
それにしても…あれだけのお写真を撮るには
きっと血を吐くような修行が必要なんでしょうね……。
[カメラなんか飾りで実は念写しているのだと、
酔っ払いの脳内妄想は行き着いた。
無論、正常時であればちゃんと彼の腕が良いと
褒めている。はず。]
[>>77カメラについて語る彼の顔はとても楽しそうだ。
瞳には少年のような輝きが見える気がする。
しかし彼の語る言葉はイェンニ翻訳を通すと、
異世界からカメラを召喚して使役するのが大変だったと実に壮大な物語へと発展している。
召喚術と言う事は彼は魔法使いかもしれない。
エスパーもきっと仮の姿…いえ、彼の能力の一部しか見ていない故の勘違いかしら。
父親やおじいさんも同じ道を辿っていると言う事は、代々伝わる何かがあるのだろう]
……ユノラフさんは。
私のような凡人には到底達する事の出来ない
領域にいるんですね。
立派な魔法使いになってくださいね。
応援していますわ。
[もはやカメラはどこいった。
異常ステータス:酔っ払いの効果を消さなければ
今の…に突っ込んでも無駄だろう。
適当に話を受け流すのが吉だ。]
─自宅への道すがら─
[…がユノラフの言葉から意味不明の妄想を広げてると
向こうから馬に乗る男がやってくる>>81]
あのペガサスに乗っているのは、ええと……。
[ただの馬を想像上の動物の名前で言う…に、
男の名前がすんなり出てくるかどうか。]
こんにちは、グダさん。
今年も美味しいお酒を期待しておりますわ。
[やあ、と長閑な挨拶に対して…も挨拶を返す。
惜しい感じに名前を間違えたが、ユノラフかダグ本人の
どちらかから訂正があっただろう。
ゆっくりと歩む馬とすれ違い、その姿を視線で追う。
──あの尻尾、掴んでみたいわ。
と言う思いを込めて*]
─店の前─
[>>95ユノラフを魔法使いやエスパーだと、
人様の生い立ちを改変する程度の失礼さがあっても
礼を欠くまでではない。
ここまで無事に届けてくれた事のだから。]
マチアスさん……、えっと、ああ、第三の目を持つ。
[舌足らずに名前を呼びながら、盲目で常に杖を
持ち歩いている男の姿を思い浮かべる。
目が見えない事に慣れているのか、
1人で歩く姿は健常者のソレと変らない。
彼、本当は額にある3つ目の瞳で見てるのよ。]
具合は、見ての通り、大丈夫ですわ…。
[体調は歩いている内に少しは回復したと思っている。
しかし脳みそはまだアルコールにやられていた。]
─店内へ─
はい、それでは中へどうぞ。
[コーヒーを飲むというユノラフを店の中に招き入れる。
間取りとしては平屋で、店舗側と居住側が
カウンタの扉とで分かれているため
そのまま居住側へと進んでリビングへ。]
少々お待ちくださいね。
……えっと、まずお薬、おくすり……。
[テーブルの椅子を引いて、ユノラフに座って貰うように
言い置いてから薬箱を漁る。
求めている薬はどれかしら。]
これかしら、違うわ、風邪薬じゃだめよ。こっちは、絆創膏ね、やだ、包帯なんていらないの。あら、無くした口紅は、ここにあったのね。
[どこにあるの、ああ、見つからない、小さく呟いた。]
[ガタゴト、探索は薬箱から箪笥へと移る。
上から下へとあさっても見当たらない。]
無いわね…。悪い妖精が隠したんだわ。
[本当は常備していないだけだろう、きっと。]
最終手段を使うしかないわね。
いいわ、雑貨屋の本気を見せてあげる。
[誰に言っているのだろうか。
…は脳内の悪い妖精と戦っていた。
どう戦うのかと言えば、なんてことはない。
店舗側へと行って、商品棚から薬を取ってくることを
選択しただけだ。
ひとつくらい、いいじゃない。
無事に酔い醒ましの薬を手に入れてから台所へと行き薬を飲む。
そしてようやくコーヒーを淹れる事に成功した。]
[時間があるとは言え、少し待たせすぎた気がするが
コーヒーと一緒に角砂糖とミルクを机に運ぶ。
酔い醒ましの薬に即効性などないので、
未だ足は頼りないがトレイに乗せたカップを落とす
失態は免れた]
はい、どうぞ、熱いのでお気をつけて。
[淹れ立てのコーヒーは湯気を立たせ、
白いカップの中を満たしている。
もしかして冷たいコーヒーを御所望だっただろうか。
しかしコーヒーは淹れたてに限る。
ユノラフが泣いて冷たいのを下さいと懇願しない限り、
…は熱いコーヒーを出し続けるだろう]
[…も対面の椅子に座り、熱いコーヒーを口につける。
何もいれないブラックのコーヒーは、
少し良いコーヒー豆で淹れているため
苦味の中に微かな甘みを感じさせた。]
ふー……。
こうしていれば何とかなりそうだわ……。
本当、こんなとこまで付き合わせてしまって
ごめんなさいね。
[薬を服用した後での一口は、実に褒められた行為ではない。
服用時の注意書きを読めば避けられた筈だが、
…は気づいていなかった]
[コーヒーを飲んだせいで薬の効果は
失われてしまったかもしれない。
もしも…は酔いが覚めても薬を飲んだという
プラシーボ効果による回復を見せただろう。]
……はぁ。
酔いが覚めたら屋台をどうにかしないと…。
[億劫そうに言葉を零す。
酒を飲んで良い感じになっているのに、
何とかしなければならない義務感がどうも苦手だ。
飲まなければ良いのに、店を出さなければ良いのに、
と思わない事も無いが、それはそれ。]
イルマも手伝ってくれるって言ってくれた手前、
彼女の言葉を裏切るわけにも行かないのよね…。
[確定事項ではないが、その厚意を無駄に出来ない。
その為この酔いを何とかしないといけない。]
[ユノラフがコーヒーを飲み終えた頃だろうか、彼はそろそろ会場へ行くようだ。]
……私も戻らないと…。
[彼と共に店を出たが、空にある太陽を見れば
夕暮れまではまだ時間があるだろう。
ならばもうちょっと、あと少しだけ……]
あと<89>分ほど休んでから行きますね。
[会場へと戻るユノラフの背を見送り、
…は自室のベッドへと真っ直ぐ戻って体を沈め、
目を閉じれば良い具合に睡魔に襲われる。
このまま寝たら次に起きるのはいつの事やら。]
………夕暮れになっても寝ていたら
誰かが起こしにきてくれないかしら…。
[そこまで寝ていたら屋台は諦めるべきだろう。
無謀な望みを抱えながら…は意識を手放した]**
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