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……うん、有難う。
具合が悪くなったら、帰るから……
心配しないで。
[返事を聞くと、小さく笑って頷いた。ふと目に入ったてるてるを、少しく眺め――タカハルの後をついて、裏山へと向かう。
踏み入れたその一瞬だけ、体が痺れたように強張ったが、立ち止まりはせずに]
―― 廃屋 ――
…
嘘 つかれんで ごめん
[自分のサマーセーターをキクコの頭に被せる。
キクコの肩をぐ、と抱いて降りしきる雨の中、
――彼女を軽トラの助手席へと連れて行く。]
駐在さん と。
アンに―― 報せんといかん。
[荷台へ蜂の巣箱を移し終えると、軽トラは走り出す。
エンジン音と雨音に紛れ、
そのアンの声が微かどこかで聴こえたような―――*]
ホントは、すぐに帰って寝た方がいいんだろーけどー。
[ぼそっと言いつつ、裏山へと踏み込んでいく]
おーい、アンちゃー。
いるなら返事しろー。
[手にした灯りを右左と動かしながら声をかける。
けれど、答えはなく。
奥へと踏み込むうち、ふと、灯りの輪が山には異質な桃色を捉えた]
……あれ。
あれって、もしかして……?
……え。
傘……?
[タカハルの後ろから覗く、道の先に桃色が見えた。ぼんやりと窺える傘の形。桃色の傘。タカハルの呟きに、眉をひそめ]
……、?
[続けて其方へ歩いていったが、はたと。傘より手前、足元に落ちる、塊に気付いた]
何だろ……
[膝を曲げ、拾い上げる。ところどころ土が付いた、てるてる坊主。タカハルの持つ灯りにかざすようにすると、その模様が――]
[――音符模様が、見えた。
それは間違いなく、自分がアンに貸したハンカチだった。鋭い目付きが、より鋭くなる。ひゅう。掠れた呼吸音が喉奥から漏れる]
……アン、ちゃん……?
[震える声で、名前を呼んだ]
どこに、行ったの……?
[がんがんと、また、頭が痛む。吐き気がする。蒼白な顔で、口元を押さえ]
……やっぱし、アンちゃの持ってた傘だなあ。
[桃色の折りたたみに、ぽつり、呟く。
けれど、周囲にその姿はなくて]
っと……セイちゃん、それ……てるてる?
[灯りにかざされたそれ。
模様つきのてるてる坊主に、瞬きひとつ]
って、ちょ! セイちゃん、顔色悪すぎっ!
[けれど、すぐに意識はセイジの顔色と、口を抑える様子に向いた]
みんなにも知らせた方がいいだろーし、一度、戻ろうぜ!
何いってんのか、わかんねーよ。
[立ち去るヌイとキクコの背中に、吐き捨てた。
一階には何もなかった。
二階のベランダに出て、辺りを見渡す]
蛍みたいだな。
[ゆくえ知らずの人々を探す明かりが、踊っている。
雨ににじむそれは[スイカの名産地]という文字に似ていた]
……大丈夫……
……じゃ、ないかも……
[ふ、と、普段の閉じたような双眸に戻り。
だが笑顔は浮かべずに、タカハルの問いに弱々しく答え、首を横に振った]
うん、下に……一度、降りよう。
[提案には頷いて]
……あのね。この、てるてる坊主……
このハンカチ……
僕が、アンちゃんに貸してたものなんだ。
[そう告げて、一瞬だけ泣きそうなように眉を下げてから、裏山を降り始めた]
ダメだ、つかれてる。スイカって何だ、スイカって。
[ふらりと離れて、建物の入口へと向かった]
……傘おいてけよ。荷台にあんだろ。
[残されたヌイの自転車が柵の向こうに見える。
しばらく待っても彼が来ないなら、その時は腹を括るしかないなと*思った*]
あー……そ、なんだ。
[一瞬だけの泣きそうな様子。
どういえばいいのかわからず、視線はちょっと彷徨った。
ともあれ、セイジと連れ立って、山から降りる]
……っかし、どこ行っちまったのかなぁ。
ネギ兄やんと同じ……だったりすんのかな……?
[ぽつり、小さな声で呟いて。
セイジの様子を気遣いながら*歩いていく*]
え……?
[タカハルの小さな呟きには、其方を見たが。特に何も言われなければ、言及はせず。些かおぼつかない足取りで、*歩いていった*]
―― 回想 廃屋にて ――
[エンジンをかけた軽トラにキクコを乗せてから、
――移民の男は一度廃屋の中へと戻ってきた。
カウンターのそばへ落ちている重そうな袋を拾い上げ、
簡易レーダーが置き去りになっている傍へと置いた。]
ンガムラさん。
――これ、りんご。
ギンスイが 『喰ってくれや。』 と。
[ギンスイが持ってきていた袋。
中には重いほどに、林檎が詰まっている。]
姉ちゃ 見つけてくれた、礼じゃ ち。
[移民の男は、袋を開ける素振りも見せずそう言い添える。]
適当に分けて、言うこつじゃったで。
ちっと 残しといてくれりゃええがよ。
[キクコを送った軽トラが彼を迎えに来るまで、
果たして林檎はいくつその数を減らすか――*さて*]
―― 回想 終了 ――
[その頃ンガムラは、ほんの少し前に『んな得体のしれないもんいらねぇよ』と言っていたはずの、林檎を食べていた]
俺、ホズミさん見つけてねーんだけど。
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