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[羽織った上着の下で、もそもそとワンピースのリボンを一本抜き取る。
何本か使われている為、服から赤のラインが消えることはなかった]
『それならば何故、墓碑で記憶を留めようとするの?』
[思い出さなくともよいと語るライデンの声が、いつかのカナメの言葉を思い出させる。
鳴き声をあげて、消えたカナメ]
[ぬいぐるみの首に、リボンをきゅっと結びつけた]
[ペケレの口からこぼれる自分の名>>37]
聞きたい?
[悪戯を思いついた子どものような笑みを浮かべる。
続く言葉>>38に、表情をすぐに落とした]
ペケレは、“それでも生きる”んだ。
なんとなくだけど。
アンからの手紙を拾いたい……!
何を書いてあるか考えていないんだけど。
さぁどうしたものやら。
いやでも残り400pt弱だし。
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毎朝通勤時に「新しい歌」(秦基博)がラジオから流れているのですが、ぽつりぽつりとこの村のことを考えてしまう今日この頃です。
「やわらかな鼓動」をこの箱庭も刻んでいたりしないだろうか、とか。
どうも閉鎖空間と胎内を結び付けたがる癖がある。
(この思考は、望月花梨「欲望バス」内の地下鉄を胎内に例えていた漫画の影響)
[閉じていた目を開いて。静かに笑うユウキを見て。]
冷凍睡眠後の記憶障害、混乱、欠如―――それは当時の技術では避けられなかったこと。
あの治療を経てプログラムの基礎が完成した後。冷凍睡眠解除時における、『いざと言う時の』バックアッププログラムとしてカナメは採用された。
今此処にいるのは本当の君?それとも、バックアップであるカナメ?君は、目覚めた後。君は自分の力で、思い出そうと、した?もしそれをしているのならば……有希。
……自らをデータと錯覚するか、本当にデータなのか。それを知る術はない、か…。それでもね。そのどちらだとしても、いまここに君が"居る"ことに。変わりはないんだよ。有希…。
―――データは、死の夢を見るのかね?
俺の心には、君は有希にしか見えないんだけどね。
覚えてる?俺と有希とルリと雷電で、写真を撮ったんだ。
写真…。
[ぽつりと呟き、彼を見る。]
あぁ、アレも僕だ。
…無数の僕のうちの一人。僕の器。
僕は僕であり、同時に無数の記憶でもある。
世界の歌。
[耳をすませば、世界は依然として様々な音を奏でている。
風のざわめき。水の揺れ。生き物の鳴き声]
世界の歌が本当はどんなものかは知らないけど。
泣き声も、喧騒も、あたしは懐かしいと思ったよ。
>>+56
……有希が助けようと必死だった顔。俺は覚えているよ。
[先ほどの有希とプレーチェの心の向き合う姿を思い返して]
プレーチェには……言うまでもない、かな。
雷電は―――有希の顔、見てたのかな。とても必死だったあの顔。見てたのかな。自分が倒れそうになろうとも人を救おうとしていたあの姿を。顔を。
ねぇ。雷電?君は、ちゃんと見ていたのかな。見えていたならば…君も掬われていたのかな?
君の想い人以外にも。君の事、見ている人がたくさんいたんだよ。知っていた?
写真を撮る事ができた時。
俺は、嬉しかったんだけれどね…。君は、どうだい?
ねえ。……雷電。
[声の届かないことはわかっている。それでも構わず、その言葉は雷電へ向けて―――]
[レンの声>>+70に振り向いて、小首を傾げた]
写真も、記憶を留める為に撮るのかな。
[独りごちる様に言いながら、近寄るのはユウキの元。
背伸びをして、右手をそっと彼の頬へ伸ばす]
せんせい。
[伸ばされる、少女の手。
肌に触れる感触はもう無いけれど、肌に触れた記憶は今も胸の中にある。]
そうだね、残しておきたいからなのかな?
瞬間と瞬間を無数に積み重ねたものが、記憶。
それの一番上に重なったものが現在さ。
[少し身をかがめて、目を細める。]
[ こつ こつ こつ 後手に、公孫樹の幹をknock。
ばささ、何を感じてか枝間からコノハズクが飛び立つ。
緩やかに舞い落ちる葉の金色――やわらかなそよ風。]
喰らい尽くしたあとを、渇いて生きる。
[墨色に透ける亡霊が、ペケレの笑みを見詰め呟く。
己の裡から響いた声…喰らった「カナメ」との約束。]
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