[1] [2] [3] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
…カナメ? どうしました。
[やおら、ここから退出をと、
促す声色は硬さを帯びていた]
この部屋がイヤですか?
どうして、ですか。
[面白い所を邪魔され、
対するルリの問いも少しばかり強くなる。
だが今の所は、声はパートナーで]
――テンマ?
[肩を包んだ温もりに瞬く。
[振り向き、相手を確かめた顔が、
ゆっくり、ほころんでゆく。
彼の言葉を聞けば、その笑みは――]
テンマ、眠るですか。
[そして手渡されたものを、
握りこみも放しもせずに。掌で受けて]
鍵ですか。
でも。でも。コジンの――テンマだけのが鍵です。
[鍵をもったまま、彼の冷たい指先へ
そっとルリの手の甲が触れた。けれど]
[どうぞお好きに、という――
微睡む亡霊の目をルリはただ見つめた]
時がきたらきっと、テンマにお返します。
[そのまま彼の手を引き、
祭りの映像をさし、次に会った時は、
こんな楽しそうな遊びをしようと誘って。
やがて去りゆく背を見送る、表情など誰にも届かない]
――ばく?
[ごはんに必要なものは階下に揃っている
そう声からきき、螺旋階段へ行けば、
月光を浴びる人影が]
ごはん、らしいですよ、
食べましたか?
まだでしたら、食べにいきませんか。
はい、きっといいですよ。
いえ、きっと食べるのが、よいのでしょうから。
[わざわざテンマが教えてくれた、
そう思考して、ふいに下の方を覗き込んだ――。
テンマ? 唇だけで呟き]
ごはんは、したのほうですよ。
[獏が頷くなら、共に階下へと向かう]
せかいの色。かわるですか。
やっぱり獏はむずかしいですね。
いっしょなのは…きっと…
[留まる表情。
カナメに聞いても答えが得られない類と、
判ってきたようである]
はい、いっしょに。いきましょう。
[月光を浴びた後姿を、
どこか急いたように追いかけたのは、
もう去った亡霊の背が、過ったせいだろうか]
ごはん。
プリン?
[プレーチェの単語を反芻し。
ミナツのさした寄って行き、鍋を覗き込む]
プリン?
[よそろうか、というのに応じてか、
とりあえずは皿を取り]
[それから、ミナツへ視線が向く]
あなたはどなたですか?
[ミナツへ挨拶]
ルリです。
ミナツ、おはようです。
[不器用に適当に二枚の皿へ、カレー、ライスの順で盛り付ける。それとスプーン二つをテーブルへ運んだ]
ばくー、ごはん。
[獏に向け、一皿を指し。
椅子へかけ、自分のカレーライスを食べつつ、魅入られたようにミナツの手元に眼差しを注いだ]
あお?
[ふと隣席の人物をみやり] みどりな、気がする*
[カレーの刺激は少し新鮮だったようだ。
真面目な顔をして頬張っている。
なまえを並べた女性に向け、目覚めの挨拶が]
ぐっもーにん?
ぐっもーにんですね、ペケレ。
ルリといいます。眠り姫かは、わかりません。
[スプーンを置いた後。
戻されたスケッチブックを捲り、蒼い花のページの『RIP』をなぞる指、ゆるとルリは顔をあげた。
レンの背中の上着を見て、ポケットの鍵を取り出し掌へのせる]
RIP。白。――しろ? テンマの鍵と同じ色。
この花はどこかに咲いてるですか*
[少年の名乗りに]
レンですね、よろしくです。
ぐっもーにん、は。かわいい、かんじです。
[目覚めに関するやりとりに耳を傾け。
テンマを求め行く後ろ姿を、じっと見送り]
[ポケットへ手を入れ、白い鍵を握りしめる]
しろを、探してくるです。
[告げて皿やコップを片付けると、キッチンの扉を出た*]
――あれ?
[ビオトープへ入り、
土を踏む、足がふらついた]
つかれた、ですか?そうですね。
少しやすむですね。カナメ。
[ブランケットをかきあわせ、
樹の幹によりかかり、梢を見上げる。
そうしてどれほど過ごしただろう]
―墓碑群―
儘ならない眠りなら、呼び声は救い。
[レンたちの後方、
突如として少女の声が響く]
テンマの声が…聞こえたです。
[瞳を見開いてルリは、
静かなような、そうでもないような声で。ふらとその扉へ寄り]
テンマ。
部屋は…扉は…見つかったですか。
テンマの上着…プレーチェにもきっと、あったかいですよね。
もう――テンマは、眠ってるですか。
[カナメの言葉に、
表情から色が抜けてゆき]
ゆうれい…。
[かけられた声に。そっと手を握りこむ]
はい、カナメは…
なんだか今、嫌がってるかんじ、です。
[戸惑い浮かべ。「ゆうれい」へ語る]
テンマは、影みたいです。
眠ったひとは…こんなふうになるですか。
[ついでレンへ視線を移した]
見えるもの、聞こえるものがあるかないかの、ちがい…。
眠ると…
レンたちに声が、とどかなくなるですか?
それ、は――
[瞳が見開かれる]
[誰にともなく尋ねたのは――こんな事だった]
[つと俯く。
前髪が表情を隠した]
いえ…。
テンマは。眠れるひと、ではない。
少しずつしか眠れない、彷徨うひと、なんですね。
[ポケットの鍵に触れる。
鍵穴は…ここなのだろうか。
瞬間。恐れたみたいに、一二歩後ずさる足のわけが、ルリ自身でもわからない。
かわいた白を、握りしめる]
[やがてライデンの後を追うようにして墓碑を去った*]
―通路―
[遠目にペケレの姿がみえる]
ごきげんよう、ペケレ。
おさんぽですか?
でも、歩を、してないですね。
[挨拶に続き、
彼女が手にする物の方へ、珍しげな視線がとび]
[びっくりしたペケレを、ふふふと笑い。
窓際へ足を進めて、下のミナツたちとペケレの胸元を交互にみた]
瞬間を取っておける?いつまでも?
とっておいた瞬間は、このなかですか?
[そっと手を伸べて、カメラへ触れてみた]
え――
これは―シャシン?
とっておいた瞬間、ですか。
[どこからかの声の補足を受け]
[手を戻し。
示された写真を、目をまん丸くして見つめる]
[写真のなかの人々]
レンと、ルリと、ライデンと… あと、しらない男のひとですね。
[ユウキとの面識はなく、
彼の顔と名を結びつけることはできない]
これは。いつの瞬間…。
[目覚めてから写真をとった覚えはない]
[自問が続く]
もしかして。起きる前の??
いえ……わかりません……どうして
わからないですか…じぶんの、ことなのに…
瞬間、写真も、いつか、きえる、きえる…。
これは、おいてきてしまったくらい遠い時?
でもまだ、ここにある。でも、いつ…。
[ただ疑問は巡る]
[11018.11.24 XXXXの日付へ目をおとし、途方に暮れた様]
[窓際へ乗り出し、
写真のもう一人の該当者へ、叫んだ]
レンーーっ!
レンとルリとライデンで、写真をとったこと、ありましたか?
[ペケレの説明に頷いて]
そうですか。
ユウキというのですね、このひとは…。
写真を、
ほんとうでない瞬間を作ったり、するですか?
なんのために。
でも、これがほんとうの写真かというと…
う――
[軽く、片手で頭を押さえる]
うるさいです、カナメ。どうしたですか。
[1] [2] [3] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ