美術品盗みに来たのなら承知しませんよゲボハー。
[いそいそと鶏の卵の殻をかぶりながら喋っている最中に鼠に撥ねられていた。どーん。ごろごろごろ。]
激しく痛かったです。
ちゃんと信号見てよ!とんだパトロールだよ!
[熊は毒づきながらのそのそ起き上がって、人身事故を起こした犯人を見る。なんと!それは鼠だった!]
ねずみって喋るんだ! 知らなかった!!
熊じゃないよ。スノウだよ。
[言い張る熊]
気づいたらここにいたのか。不安か。
気にするな!人生どのみちそんなもんだ、今を楽しめ!
[顔を伏せる少女を見上げながら、自分なりに慰める]
怪我はないよ。でも心は傷ついた。法廷で会おう。
冗談です。
信号はね。四つ角の支配者です。
GOとSTOPを完璧に掌握しています。
[凛々しい表情で知ったかぶって解説した]
そして唐突ですが、ぼくはこれ以上今日のパトロールは無理です。
ファラオが寂しがるので添い寝してきます。
今夜のミュージアムの平和は君たちにかかってます。
雪だよ。雪でも良いの。
ぜったいぼくはスノウです。
ほら、花なのになぜかオオイヌノフグリという名前がついてたりすることもある。そんな感じです。
[自分の呼び名を受け入れてもらおうと鼠に力説する熊]
白いから。そうかも。しょっくな指摘だね。
[少女の言葉にちょっぴり悲しげ]
前からいたのか。じゃあもう慣れたもんだね。
まあ、自分探しものんびりいこう。人生は長い。
たまには回り道も良いもんだ。
何かあったら相談に乗ろう。警備員だし。
マキとニーナ。
良い名前だ。よろしく。
[各々の自己紹介にぺこっと一礼して]
ぼく鼠は食べないよ。…ぼくのことも食べないでね。
じゃあ、あとは若い二人に任せる!
[熊はとてとてとファラオのところへ*歩いていった*]
[うー。と唸るようにしながらもぞもぞ動く。眩しそうに薄目を開けて、自分に触れながら眠っている少女を見とめた]
誰だ。起きろ。
いや、やっぱり起きなくて良い。なにか気まずい。
自身の所有者であった存在に無茶苦茶に扱われた挙句、塵のように捨てられて、いくら触れ合ってもけして温まることのない寒風吹きすさぶ冬の街の酒場に出て、誰彼構わずに愚痴りながら止めようもなく泣いて、それだけが救いであるかのように大量のお酒を浴びたあげく一晩の記憶を永久に失って、見知らぬ誰かと迎えた朝に似ているような気がするんだ。経験ないけど。
[どうしようか考えながら、眠りこける少女を澄んだ黒目で見つめ。
冷えた夜気に少し身をすくめているのに気づいて]
……。寒いのか。わがままなやつめ。
[温めるように少女の首もとにそっと寄り添って、
なんとなく、そのままゆっくりとした時間を*過ごす*]