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[むにゅ。
イマリに鼻先を突かれてむずむずと顔を動かして
なに、すんだっ…よー。
[文句ありげにイマリを見るが
真面目な表情に目をぱちくりして]
イマリ、と、おっさんと、他に?
ええと…。
[あとは黒髪の、学生]
なんか、髪の長い、変な奴。
みんな居なくなった…みてーなこと、言ってた
[秘密基地の前に立っていた姿を思い出して
膝をぎゅうううと抱えた]
他にぃ?
[首をひねる。とはいえあの時は…
いきなり立っていて驚いたのが半分で。
それでもぽつぽつと言っていた事を思い出す]
死んだ奴の、思いを還せ、って
この街はもう、いつもの街じゃないから…って。
あとは。メールで何とか…
[そこでぶんぶんと頭を振って]
意味わかんねーよ。
なに言ってたんだか。
他には、会ってねー。
おっさんと、イマリだけだ。
[望みの込められた瞳を避けるように俯いた]
[きっと、ほとんどの人がいなくなった
それは頭のどこかで認めていて。
しかしそれを受け入れられない何かも、あって]
イマリは、見てねーのか?
ほんとに、オレたちだけになっちまったのか?
ちがうよな、誰か、いるんだよな?
おっさんも他に誰か見てるんだろ?
[イマリと、ズイハラをぐいっと見上げる目は
真っ直ぐで]
ケータイのメールでなんかしろって言ってたんだ
アイツ。
[そうすればみんな帰ってくるのか、と]
だれも、みてねーのか。
[イマリの返答には不服そうに口を尖らせて。
でも街の中に人の気配がないのは自分も見ていて]
それで、どーにかなんのか?
[イマリの手元のケータイを見た]
[イマリの操作する様をじいいと見て
くびをひねる]
あて先って、入れねーと送れねーんじゃねーのか
[違ったっけ?とイマリとズイハラを見る]
あて先は入れないとして…後は…
送るんだからなんか書くん、だろ?
[あて先なし、件名、文面なし…では、
さすがに意味はないだろうと]
[二人がケータイを操作するのを見て
驚いたように口をあけて]
何であて先なしで送れんだ?
すげーなー。
[それがどこへ届くのかなどとは考えもせず。
イマリが星に願いをと入れて送信するのを見ていた]
なんか、違う気がする。
[あの時アンが言っていたのはなんだっけ?
…に願いを。なにに?星?空?…雪?]
ゆきに、ねがいを。
[たしか、そうだった]
やっぱケータイ、必要なんか?
でもオレ持ってねーしなぁ。
[二人を見ながら腕を組んで考える。
しかしすぐにそうだ!と勢いよく立ち上がった]
オレ、かーちゃんの、持ってくる!
[バタバタとコンビニを出る。
さっきまで空へ上っていた雪が、
再び空から落ちてきていた]
また、ふってやがんの。
変な、天気。
[街全体が変になったとは考えたくなかった。
降る雪を顔に受けながら自宅まで*駆けていく*]
―自宅前―
[はあはあと白い息を吐きながら団地の前で立ち止まって
自分の家のベランダを見上げた。
そこに、ゆらゆらと陽炎のように何かが揺れた気がして]
――!!
[あがる息をこらえて階段を駆け上る]
かーちゃん!!
[急いで家に駆け込むも家の中には誰の気配もなく。
ただ、冷え切った空気が出迎えるのみだった]
…はは。
[乾いた笑いを一つ上げて、そのあとはこらえて。
食卓の上の携帯電話を手に取って開いた]
[画面に表示されている日付は11月1日]
あ、れ?
[首をひねる。それは確か昨日の日付。
壊れているのかと他の日付機能付きの時計を見るが
どれも全て11月1日を示していた]
なんだそれ…。
[この街の何かが、狂ってしまった。
なのに何をしていいかわからず携帯電話を握り締めて。
そうだ、とイマリとズイハラがやっていたように宛て先未定のメールを
たどたどしい手つきで送ってみた]
送れた…。どーなってんだ。
[すぐさまエラーメールが返って来て。
そこに自分の名前も載っているのを見て唖然]
わっけわかんねーぞ!!
[小さな脳みそはいっぱいいっぱいで
携帯電話を握り締めて家を飛び出した]
くっそー、ぜってー…ぜってー元に戻してやる!
[歯を食いしばって全速力で向かうのは、さっきのコンビニ。
前を開けたままのダウンジャケットがばたばたと揺れて]
…ん?
[走る視界をすっと掠めたのは学生服を着た、女の子。
急に止まれずに一度は通り過ぎたものの、慌てて引き返した]
…オ、オマエ、消えてない奴だな!
[はあはあと息を吐きながら、ビー玉を手にしたその人物の前に立って
じいいいと*見上げた*]
[オコサマ、に一瞬ムッとした顔をして]
なぁ、オマエ、誰だ?
オレはデンゴ。
街のみんなが、どっかいっちまったんだ。
オマエなんか知ってるか?
[3人目の消えていない人物に問い掛ける。
手には携帯電話をぎゅううと握りしめたまま]
[街の人々に無関心な様子に唸って]
オマエ、冷たい奴だな。
街のみんなはいい奴なのに。
[ぐっと手を握ってその顔から視線をはずした
内心ではムカンシン女だ、などと思いながら。
黒髪の女が妙なことを言っていたアンだと気付き
また懸命に小難しい顔をする]
オレのとーちゃんとかーちゃん?
[なんだか見透かされたように感じたのか]
オマエ、知った風な口聞くんじゃねー!
オレのとーちゃんなんか帰って来るもんか!!
[ぐぐっと手を握り締めて睨みあげる。
父親の顔なんて、生まれてから一度も見ていない]
そんなこと、わかってるさ
[心配したところで帰ってくるわけじゃないのは
わかっていた。けれど、それでもそんなふうに
冷静にはなれなくて]
オレは。
[ずっと消えない不安で揺らいでいた気持ちが
もう限界だと悲鳴を上げる]
オレはあっちのコンビニに行く。
イマリも…おっさんもいるし。
[一人よりも二人、二人よりも三人…の方がいい。
それはいつも仲間といて実感していたから。
それに、走ったおかげで喉がカラカラだった]
言われなくても…っ
[手をにぎにぎして俯いて積もる雪を睨みつければ
また、雪が空へ還って行く。
視線は自然と雪を追うように空へ]
何をすべきかって、なんだ?
死人を探すってことか?
オレが死人じゃないことを知ってるって、
何でそんなこと言えんだ?
[悪戯を仕掛けても一番面白くない類のオトナ。
それだけはよくわかっていたが]
それで、かーちゃんが帰ってくんなら
探してやるよ、死んでる奴を。
[頑張りなさい、って言葉に素に返って頷いて。
じゃあな、と言ってコンビニへ向かってかけだした]
―コンビニまでの道―
[還る雪が気になるのか、走るスピードは遅い。
空を見上げては首をひねって、
時折ゆらゆらと見える何かを見ては首をひねり]
今度見たらぜってー追っかけてやる!
[ぼっそり呟いたところで商店街へ向かう道の方に
ゆらゆらとしたものを見つけて]
いた!だーっしゅ!!
[そのゆらゆらに向かって走り出す]
[追いかけたゆらゆらは近づくと消えていく]
かーっ、ちきしょーっ!
[ゆらゆらがあった辺りの地面を踏んづけて
ひとしきりげしげしとやったあとに顔を上げた]
だれだ?ヒト?
[顔を上げた道の向こうにゆらゆらとしていない
人影を二つ見つけてくびをひねる]
まだ、消えてない奴がいる!
[驚いた拍子に雪が鼻に入った]
へ、へくしっ!
[抑える間もなく盛大なくしゃみが出て。
ずず、っと鼻をすすり上げた]
[不用意に近づいても…とさっき教訓を得たのか
様子をうかがうように人影にそっと近づいていたが]
あ!飴くれたねーちゃん!
[人影の片方がこの前公園で飴をくれた人物だと
わかればそちらへ駆け出した]
ねーちゃんも消えてなかったんだな!
[へへへーと少しだけ笑みを見せて]
これでえっと…
[指を折って数え、もう一人の人物を振り返って
また一本指を折った]
6人だ。消えてない奴!
[そう言って、見知った女の子の方を見上げた]
[頭を撫でられながら恥ずかしそうに俯いて
折った指を見ながら]
えっと…あと、イマリとおっさんと…
変な奴。髪が短い、ムカンシン女。
[そう言って見上げれば名前を聞いて]
オレ…デンゴ。
[短く名乗ってもう一人に視線を遣って]
あれ、ミナツねーちゃんの彼氏か?
[もう一人をじいいいと]
[二人をかわるがわる見ていたが
何となくはっきりしない様子なのはわかった]
お、おれはデンゴ、だ。
[不意にジュンタに名乗られて
びっくりして名乗り返す]
カレシじゃねーの?
[それを認めるということはどういうことなのか、
さっぱりわかっていない]
なんかはっきりしねー奴ー
もてねーぞ?
[へっへへーと笑う]
へ?なんか言ってたか?
[ジュンタにぐりぐりと撫でられたところへ
ミナツに問われて首をひねる。
いろいろ聞いた話はあるが、話す順番がわからない]
えっと…イマリやおっさんはメール送ってた。
宛先入れねーで送るらしい。
オレもやってみたんだ。
そしたらこんなんが返って来た。
[自分でも試したところ、返って来た名簿付きメール。
見せようと思って文面を出したとき、
載っていた名前が6人分だと気付いて凍りつく]
ろくにん…ってこのろくにんか、まさか。
[ミナツとジュンタに見えるように
携帯電話の画面を向けた]
[メールの文面には6人の名前。
ズイハラシゲユキ、ササキデンゴ、
クニモトジュンタ、イノウエマシロ、
アサクラミナツ、ウエハライマリ。
そこから選べといわんばかりに]
死んでる奴を見つけて、そいつの名前を…
えっと、件名に入れて…えっと。
メールに書くのは、雪に願いを。
[だったかなぁ、と首をまたひねる]
ムカンシン女はオレのこと死んでる奴じゃないって。
よくわかんねーんだけど。
[自分でもまだ混乱しているのか、
話す順番はぐちゃぐちゃで]
めし?
[聞き返した途端にぐう、と腹の虫が鳴いた。
照れ隠しにへへへへ、と笑って
ミナツとジュンタの顔を交互に見て]
オレ、邪魔じゃねーの?
[その辺の感覚は割とマセているようで。
それでも空腹には逆らえない。
構わないと言われればついて行くだろうし、
邪魔そうならばコンビニで*菓子を漁るつもり*]
[いいのかー?と二人へ問いかけて、
構わないという返事をもらって照れたように笑う]
[ミナツに手を引かれながら雪の還る道を歩いて]
オレんちのかーちゃんロールキャベツが得意なんだぜ!
[そんな他愛のない、思い出が口をついて出る。
イマリやズイハラのことを聞かれ、空を見たままうーと唸って]
イマリは元気そうだった。
けど、おっさんは…具合悪そーだった。
[だいじょうぶかな、とミナツを見上げたとき、
ジュンタの足が止まった。
どうやら、目的地に着いたようだった]
ロールキャベツ!!
[やった、と笑顔を見せてミナツを見上げ、
次いでジュンタの顔を見上げた。
なんとなく、考え込んでいるような雰囲気に首をひねって]
…ねーちゃんのロールキャベツ、まずいんか?
[こっそりジュンタに聞く]
お、じゃ、じゃ、ましまーす。
[鍵を開けるジュンタ。中へと促すミナツ。
初めての家なので踏み出す一歩はひっそりと。
まるで忍び込むような仕草で家へ入った]
へええ。ジュンタにーちゃんちかぁ
[きょろきょろと見回している]
おー。
[リビングはこっちだというジュンタについてリビングへ。
ぺたんと座ってきょろきょろとして]
へー。やさしいあじ、かー。
[微妙な表現はよくわからない。
でもたぶんふんわりした感じだろうとか思った]
[リビングから出て行ったジュンタと、
台所へ行ったミナツを見送って
所在なさげにテレビのリモコンなんかをいじってみる]
やっぱりうつんねーや。
オレんちといっしょ。
[すたっと立ち上がって窓の外を見た。
まだ、雪は空へ還り続けていた]
[還る雪を吸い込まれたかのように見つめていて
気づけはミナツのできたと言う声が聞こえていた]
おーっ!
めしめしーっ!
[還る雪。還すべき人物はいったい誰。
見つけなければ、望む人物達は帰ってこない。
頑張りなさい。
ムカンシン女に言われた言葉を思い出していた]
食う食うー
[皿を目の前にして、箸を握って。
いただきますの瞬間まではお預けの気分]
お、おう!
いただきまーーーすっ!
[ミナツに食べていいよと言われたので
お預けは解除。一度手を合わせてから、
皿のロールキャベツにかぶりついた]
あちっ、ほっ、ほっ
んめ。んめー。
[はふはふとロールキャベツを頬張って
満面の笑み]
うん、うめーっ!
[ミナツへそう返して、ジュンタの顔を見る]
家族?
[…とーちゃんがいたら、こんな感じなのかもな。
そう思ったが口にはせずに]
すっげわけーとーちゃんとかーちゃんだなぁ!
[あははははと笑う。
ミナツの視線を追って時計に目をやって
それからズボンのポケットに入れたままの携帯を
取り出した]
ごちそうさま。
[食器を下げるミナツに言って
手元は慣れない携帯を操作する]
…ゆきに、願いを。
[ようやく覚えた漢字に変換して、
送信ボタンを押した]
――。
[かーちゃん…]
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