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[うっすらと目を開けると、
世界は90度ほど傾いている。
介抱されて身を起こす友人たちの姿が見える。
誰ひとり、欠けてはいない。
ああ、よかった。
じわり 安堵と覚醒は緩やかに同時進行。]
[陽が射している。
ここは、「答え」に手が届く世界。
答えに手が届かないあの異空間では、
"どちて坊や"が壊れてしまいそうで]
[相変わらず、視界は低いまま。
「あみん」はパンプキンパイもおいしいけれど、
今の時期ならいちじくのヨーグルトタルトもいい。
なのに、首だけの姿じゃ食べられない。]
( ああ。
なんて 不条理―― )
[そんなことを考えながら"寝返りをうつ"と、
ぱたりと視界の真ん中に自分の手が*見えた*]
[差し伸べられる手。
ナオの表情は、逆光で見えない。
しぱ、しぱ。二度、瞬きをする。
首だけの姿で見上げたときの、
心配と恐れとが綯い交ぜだった
ナオの表情が脳裏をふと過ぎる。]
…
そうね。立てるわ
[差し伸べられたともだちの手が
引かないうちに、つかまえて――]
つまり、
これは甘えてるのよ。
[にこりん と唇を*端引いた*。]
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