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[サロンの隅のソファで深い眠りの中夢を見ている]
――街の劇場――
『今日の部隊も大成功でしたね!キャロルさん。これファンからのプレゼントですよー、ここに置いておきますから。お疲れ様でした!!』
はいはーい、お疲れ様ー。(ふぅ
花にチョコに香水に…、ん?本?…詩集かぁ、随分とロマンチックな。作者は…
ハ・・―イ・ウォー―・・―ガーかぁ、へえ…ってこれ!ええ?!
[夢の中なのに著者名はかすんで良く見えない]
はぁ、こんな所であの村の住人の名前を目にするとは、ねぇ…。
[その後実際に二人が顔を合わせたのは、有力スポンサーの開いたパーティーの席でのことだった]
《君、もしかしてキャロルじゃないか?!》
―――――
―夢の中で驚いたあの人の顔が見えたはずなのに、私はあの人の名前を呼んだはずなのに。
ハ……ェ…。―
[夢心地で誰かの名前を呟いた後、ゆっくりと目を覚まし上体を起こす。その眼にこちらにやってくる人影が]
ああ、ギル。大丈夫よ、ちょっとうたた寝しちゃっただけ…。ええ、そうね。下でちょっとお茶でも飲んだらちゃんと部屋で休む。ありがとう。
[気遣う声にそう答えると、階下へ*降りて行った*]
[考え事をしながら舞台衣装の裾をなびかせて、ゆっくり階段を下りてくる]
―あの夢って…。―
[階下の人々の事は見ていないようだ。そのまま厨房で数人分のコーヒーの用意をするとテーブルに付き周囲にそっけなく勧める]
良かったらコーヒーあるわよ。
随分と立派なドアになったもんね。劇場みたいじゃない。
…貧乏臭さがちょっとは消えたかもね。
[具合を尋ねられれば大丈夫だと答え、周囲に目をやりながらコーヒーを飲む]
あ…れ?あなた…。
[その眼が一人の青年の上で止まった]
ハー…ヴェイ…?
―夢の中の顔が 本の著者名が 雪の中倒れる自分の目が 最後に見た 悲しそうなつらそうなあの顔が 誰かの血に染まった腕が
《なんで君がここに!!!ああ、なんて事を…!!!》
雪が真っ赤な血に染まる
フラッシュバック
記憶の津波に飲み込まれた――
あ、あ、あ、い…いやぁーーーーー!!!!
[戻った記憶のショックで混乱して泣きじゃくっている**]
父さん!ああ、ウェディングドレス出来たのね…。
なんて…綺麗。
[ドレスを受け取ると体に当ててクルクルと回って見せる]
ね?似合う?
父さん、似合う?
[涙にぬれた顔でヒューバートに微笑んで見せた]
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