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終わり、ました。
約束、守れたでしょうか。
[無事だった、ただそれだけを伝えようと、言葉を選ぶ。かえって、不自然な硬さが目立つ声だったかもしれない]
お帰り、なさい。無事で良かったわ。
ご褒美は何がご所望?
[軽口を叩いた後、なんとなく違和感は気づいて、]
何か、あった?
[そう尋ねた。]
どうやら一等客車の方が騒がしいようよ。
とりあえずは客車に戻るけれど。
可愛らしいおまけ付きでね。
またしばらく動けないわ。
……っ あ――
[なにかあった、には、答えられず。言葉を飲み込んだ。一言でも答えたら、全て言ってしまうだろう、そう思えたから、なおさら言えない]
……今、一等車にいます。このままこちらにいた方が、利になるでしょうか。
かわいらしいおまけ、ですか。フリルの彼女ではなく?
[続く言葉に、ようやく、戯れを口にして、幽かな笑いを漏らした]
…?
[小さな叫びを聞きとがめたが、
言葉が続かなければ、それ以上追及することなく、]
うーん、どうかしら?
不審者と間違えられてもコトだし…。
…お任せするわ。気をつけて、ね。
ええ、フリルちゃんじゃなくて、小柄な女の子。
酔っぱらって髭わしゃわしゃしてたわ。
[思い出し笑いをくすくすと。]
それでは、また後で*
そうですね。
確かに、出て行ったばかりの人の部屋を使う理由を、上手に説明出来る理由が思いつきません。
[不審者という言葉に、くすりと笑って]
酔っぱらって、髭を? はは、なかなか盛り上がったようですね。結構なことです。
[くすくすと楽しげな笑い声に、微笑んで。目を閉じると深呼吸。音のしない動作は、ほとんど伝わらなかっただろうけれど]
ええ、では、また後で。
[ゆるりとした口調で返す]
そう言えば。
[手紙を書きつつ]
あなたはなんで、この仕事を? やっぱり「ロマネスの秘宝」に興味があったからですか?
[音符、速度記号、あるいは、表題、訂正。それらを楽譜に仕立て上げる。楽譜を装った、暗号に]
かの秘宝の存在は、本当でしょうかね。それを取り巻く噂も。
[噂、秘宝を開ける、鍵のこと。アナスターシェ嬢。オラヴィが言ったことは真実か否か、結局の所、自分にはわからない]
[わからないけれど、その噂を信じる者がいるのならば、自分のとる行動は変わらない]
何を今更、ですよね。すみません、忘れてください。
[書き付けた楽譜を折りたたんで、散乱した荷物の、もう一匹いる兎のぬいぐるみの中に押し込む。
これに一番最初に気づくのは、そして読めるのは、会話の相手だと思うから、の行為]
[書いたのは、「アナスターシェ」に連絡をとるための方法。仲間内で特定の相手を呼び出すための、コード。
解読して、相手が驚くかは、知らない。し、そもそも、この「合図」が本当かどうかもわからないけれど。
もし、自分に何かあったときは。一番に見つけてくれるのが、この話し相手であればよい、そう思っての、行為]
え?私は…。
[不意に、この仕事を請けおった理由を聞かれて、 少し戸惑った。]
そうね、興味、なくはないわね。
[言いよどんでいる内に、忘れてと言われて、首を傾げた。]
食堂車できいた感じだと、噂は流れているみたいね。
どれだけの輩が動いているかは分からないけれど。
[昨日話した中にも、混ざっていたのだろうか?]
>>*13
……はは、変、ですよね。
[こんなに間近にいるのに、内緒の話、内心苦笑しつつも顔には出さず]
ただ何となく。噂がただの噂であればいいなと、思ったものだから。
昨日あった、オラヴィが言っていました。ロマネスの秘宝を開ける鍵は「アナスターシェ」だと。どれほどの人がその噂を知っていて、どれほどの人がその噂を信じているのか。
ワタシはやっぱり……アナスターシェ。が利用されるのは、我慢ならないというか。
[語尾を曇らせ、視線を落とす]
いつか。秘宝を守るという仕事を、放ってしまいそうです。
それと。
先程ワタシの部屋に、手紙が。なんというか、どれだけワタシの客室が開放的なのか問いたい所ですが、ともかく。
ワタシとあなたの正体を知っている者が、居ます。ミーシャと手紙に書いてありましたが……多分、あの男。大食漢のフェイスイーター。
あまり状況は良くない、かもしれません。
アナスターシェ…。
[そっと繰り返す。詳しい事情は知らされてなくて。]
大食漢のフェイスイーター。
…ああ、あのフリルちゃんが、そう…。
[ほんの一瞬、瞳が揺れたか。]
ぼんやりタイムももうそろそろ終わりかしら。
そう、アナスターシェです。けれど、その噂が本当かなんて、誰にもわからない、そうでしょう?
[相手の言葉の響きから、知らぬ様子を感じ取り。だから少し、嬉しそうに弾んだ声だったかもしれない]
たぶん、間違いないでしょう。出来うるなら排除したいところですが……なかなか手強いでしょうね。
[剣の鞘にそっと触れて。ぼんやりタイム終了という相手に、その言いぐさがおもしろくて、くすりと笑った]
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