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[信じられない、信じたくない、という風にか細い声でアンの名を呟いていたが、ピエトロとビセの死に、今起こっている事が冗談等ではない事を悟り]
……ジョークじゃない、ホントのこと……
どうして……?日本、平和な国の、はず……。
できること……
[あまりにも短い時間に多くの死を目撃したショックは拭えず。おぼつかない足取りではあるが、近くの鍵の開いている部屋からシーツを持ってきて、丁寧に、死者にかぶせて]
[わかる単語を、必死で聞き取って自分なりに現状を把握しようと心掛けながら、ダンケの傍を離れず歩いていく。]
お兄ちゃん……
プレーチェは、お兄ちゃんや、アンちゃんや、レンくんに、課題のレポートのこと聞こうと思ってた。今の課題難しい。どうしても困った時はおいしいカレーの作り方を書けばだいじょうぶって、アンちゃん、教えてくれた。プレーチェの家のカレーは教授は好きじゃなさそう。日本のカレー独特。学食カレーは素晴らしかった。プレーチェは日本のカレーの作り方知らない。アンちゃんに聞こうと思ってた。アンちゃんはたくさんの事を知っててお話もすごく面白い。お喋りいっぱいするはずだった、楽しみに……してた………のに……どう、して、ですか……?
ビセさんとピエトロさんも、どうして……。
[ダンケの袖をぎゅっと握って俯く]
ズイハラさんの指輪、パールの指輪?アクセサリー。
プレーチェ、アクセサリーいっぱい持ってきた。
新しく作られたのじゃなくて、昔からある、ほぞん、とか、じょうたい、とかが良いものだって。ママがくれた。今のお仕事の相手の人が貴金属の流通関係言ってた。それで手に入ったって。
お兄ちゃん。パパとママのお仕事は、とても良く進んでるです。パパもママもとっても元気。
プレーチェにいっぱい送ってくれた。ドレスも一緒。
最近だよ。
アクセサリーはしまっておくんじゃなくてつけるもの。でもプレーチェ大学忙しい、つける暇ない。
招待状が来たです。
みんな違うって昨日言ってたお手紙、プレーチェのはパーティの招待状。お土産に着飾るものほしいって。
アクセサリーは着飾るものだから、プレーチェは丁度いいと思ってママにもらったアクセサリーとドレス持ってきた。
大学も、トラブルないです。
みんな親切。喋る言葉がうまくできなくて時々通じなかったり、きちんと読めない字があったりする時は大変だけど、日本来てよかった思う。お兄ちゃんにも会えた。
嬉しいのでいっぱいだった……のに。
[ポケットに入れっぱなしにしていた差出人の書かれていない招待状を取り出す。それを持つ手に力が入るのは無意識か、やり場のない気持ちか]
大変な時に何もしないことはとてもとても良くないです、国のママがよく言うます。お兄ちゃんがいる、プレーチェ大丈夫……。プレーチェは、何ができますか?食べ物を調べるは、知識ないです。
[首を突っ込まないでほしいと言うポルテの言葉を気にしながらも、何かできないかと兄を見つめて訴えかける]
[屋根裏や色々な場所の探索を進めて]
おとり捜査、テレビの中で見たことある。
ホントにするのは危ない。
プレーチェは、よくない思うです。
これ以上何か起こるの、嫌です。誰が犯人とか言うのも、なんか嫌です……
お兄ちゃんは大好きなお兄ちゃん。ずっと会いたかった、ひつじくんも一緒。
ポルテさんは刑事さん。レンくんは日本に来たプレーチェによくしてくれた。よくアンと一緒に騒いだ。プレーチェここまで頑張れたのレンくんのおかげ。ズイハラさんは楽しい人です。ここで初めて会ったけど、悪い人に見えないです。
………痛っ…あ。
さっきの窓ガラスの……
[足元は部屋から出てきた時のまま。裸足にスリッパだった事はめまぐるしい出来事の中、今の今まで頭の中から抜けていたようだ。ガラスの破片で滑ったときの怪我に気づく。]
なんか、べたべた、するです。
……靴、取りに行こうと思う。
お兄ちゃん、プレーチェは、一度お部屋に戻りたいです。それに……靴以外も、机の上に忘れ物してきた、です。
[べたべたの感触に気持ち悪さを覚えながらも
部屋へと向かう。]
……白いの、なんだろう。
[アンのショックでへたり込んだ時にでもついたのか。腿から足にかけて、不自然な白い、液状のものが乾いたような付着物。]
……みんな不安。お兄ちゃんも不安。
プレーチェにはひつじくんがいる。大事なひつじくん。お兄ちゃんにはいないです。だから……
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