[1] 絞り込み / 発言欄へ
[本を閉じる音が夜空に響く。]
確か…物語にも忠告として載ってたけどね。
[降り積もった蒼白い地には鮮血。足元には事切れる男の顔]
知りませんでしたか? 真夜中は本来の顔に戻るってこと。
[紡ぐ言葉は羽毛のように*軽い*]
へぇ、聲が聴こえる奴が居たんだ。
[彼は夜空を眇めながら、問いかけの声に口許を緩めた。]
でも、その匂いだと君は人間だよね。一体どうして僕に気づいたんだろうね。
[柔く問う言葉にはよそ行きの笑みは成りを潜め、妖しい響きが色濃く*漂う*]
僕?
――…内緒。
[まるで子供の様に無邪気に嗤う声が、漏れる。
信用は、しない。する程の情報が無いからだ。]
仲間同士は聲が聞こえるみたいだけどね。人間は…知らないな。
[ぱらぱらと本を捲り、ふと思い立ったように声を上げる。]
所で。僕に話しかけてきたという事は、何か用があるの?
それとも興味本位?
それとも――…
人狼騒ぎの犯人として、正体を暴いて皆の前に突き出す心算?
[先ほどまでの無邪気さは一瞬にて消え失せ、冷たい声が響き渡る*]
そう、用がならいいや。
[返答に軽い色を乗せて紡ぐ。]
でも…その問いかけだと、誰かを噛み殺したい人でも居るの?
[更なる問いには問いを重ねて返しながら。]
[もうすぐ夜が明ける。
声の主からの答えは、彼の心をどのように揺さぶったのか。]
そう。でもきっと「ずっと前」と僕とはきっと別の人だろうね。
[歌うように伝えると、振り続けた雪は*止んでいた*]
神様に誓う前にヴィンセント先生の所に行った方が楽だったんじゃないの?
[酒に呑まれた看板娘を一瞥しながら、静かに本を捲る。新たな犠牲者で疑いが深くなった者達が再び集められた集会場、その中で手渡された一枚の紙切れは栞代わりに挟んでいた。]
では、俺らが疑われるのは、死して尚束縛する彼の正義、という事になるのでしょうか。
[はらり、と頁を捲る。昨日の雪は止んでいた。]
へぇ、人狼はかみ殺してひとを殺すんだ。
[耳を掠めたメイの言葉に、興味深そう声を上げた。
視線は相変わらず文字を追う。]
まるでその場を見た言い方だね。
あ、あとそれと――…
オードリーさん、かな。
集められた内訳が、必ずしも狼と人殺しだけとは限らないんじゃないかな。
…たとえば、人とも人狼ともつかない、厄を齎す存在とかも。
いないとは言い切れないでしょ?
[手に持つ本で表情を隠しながら、彼は眇めるように辺りをゆっくりと*見渡した*]
[張りつめた空気の中、一枚頁を捲る。はらりと落ちた投票用紙に目を向けた少年は微笑む。]
ハズレなら、昨日の時点でもう引いてるじゃないですか。
[細い指で用紙を拾いつつ、ノーマンへと視線を向ける。鮮やかに歪む口許は、この場で初めて見せる砕けた顔。]
[1] 絞り込み / 発言欄へ