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―― 裏路地 ――
ご苦労様です。
これ頼まれてた差し入れ、はいはい。
[本署の警官、パトカーの同僚にコンビニ弁当を渡す。
わざわざ隣町まで警邏の足を伸ばして買ったもの。]
…こういうのは、地元で調達したほうが
村民のみなさまの受けがいいと思いますけどね。
[ちくりと嫌味を言った理由は自身にもわからない。
鼻白んだ同僚には、
地元の弁当屋の電話番号メモを渡しておいた。]
[本署の警官、ノギ巡査部長は駐在所へと戻りゆく。
道すがらすれ違うのはアンという女学生を捜す
捜索隊の面々。顔色を窺うに手掛りは薄そうだ。
人骨遺棄の次は、行方不明。
普段なら駆り出されて足を棒にするところだが、
今は同姓のノギ巡査に代わって駐在所詰めの身。]
…差し当たっては 連絡係、か。
[パンクの直った自転車が、空き地前で減速*した*。]
―― 空き地前 ――
[本署の警官、制帽の鍔を摘んでゼンジへ会釈。
口許には笑みが浮かんだが目許は三白眼の侭。
背に注がれる彼の視線には気づくべくもなく。
そうっと減速させる自転車のブレーキがなく。
会社員らしき男と話し終えた様子の同僚を見、]
…ご苦労様です。
[敬礼を向けながら駐在所へと入っていった。]
―― 駐在所 ――
では、容疑者を絞り込むのでありますね。
はいはい。
[ノギ巡査部長、白髪頭の警部へ軽く頷く。]
それで――
「どちら」の案件の、容疑者ですか?
[人骨の遺棄か、女学生の失踪かを尋ねる。
返ってきた答えは「両方」。
捜査本部はこの事件に関連性を見る様子。]
なるほど、
了解しました。
[捜査本部でなくともそうだろうとの響き。
ノギ巡査部長、腰をおろし机に向き合う。
ぱらり、容疑者リストに目を通し始めて]
…
[容疑者リストには、見掛けた顔が幾つかある。
最前にすれ違った和装の彼や会社員の彼など。
ノギ巡査部長、トン、とペン先で紙面を叩く。]
しかし、警部殿。
事件発生――否、発覚?の
タイミングで言いますと…
本官などは、けっこう怪しいと思うのですがね。
[どうですか?等と添える声は生真面目すぎて、
その場の雰囲気をどうにも微妙なものに*した*]
はいはい、こんにちは。
[窓から覗いていた娘が、戸を開けて入ってくる。
ノギ巡査部長、迎えつつ容疑者リストを閉じる。]
いらっしゃい。
…お供えは、仏さんにかな?
[立ち上がると、娘…プレーチェの足元が見える。]
ん、
[昨日から飾られていた花冠は僅かに萎れている。
その輪の向こう、硝子越しに頭蓋骨は鎮座する。]
空き地には、まだ行ってないのかい?
[ノギ巡査部長、つるんとした長靴を眺めて言う。]
ノギ巡査から、頼まれてるんだ。
…君の長靴が汚れていたら、
これで君を撃っておいてって。
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