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アレや。
ヨシアキ君も大きくなったなあ……みたいに。
親戚のおじさんとかがしみじみ言うんやよ。
赤飯パーティーなんて、いいかもしれんな。
いや、飯パーティーか。
好きやぞー?
やっぱり日本人やからな。
日本の米。米米米米。
納豆にネギを刻むとうまいんだー、ってな。
[知る歌の歌詞を口にしては、笑い。最後の踊り場を通り過ぎる。廊下に着けば、一旦止まって]
変態は、大人の階段なんか
そんな階段、登りたくないわ
つか、飯って太りやすいん、しっとるか?
[一階の廊下は、静まり返っていた
風の音すら、ここには無い
ただ、無音と、濃密な気配の道
常世と現世の境目に、立ち竦むような気がした]
…―――
[マシロの袖を掴もうと、手を伸ばしていた
勿論、無意識にであるけれど]
だら。飯は健康食やぞ?
食べ過ぎでもせんなら、むしろいいもんや。
[などと話しているうちに辿り着いた廊下。其処に満ちる気配に、ふっと口を噤む。あらぬ視線を、肌に触れる冷たさを、感じた。袖が掴まれたなら、避けはせず]
……
[ただヨシアキの方を一瞥し、続けてナオの方を見やり、無言で頷いた。正面を見据え]
――学校の怪談なんて本当でいいから、もー。帰りたいにゃ……
[また消えた。ここまで来たら嘘本当という問題は問題すらならない。
ただひたすらに、自分たちが無事でいられるのか、それすら危ういのだから。
消え入る声で、ぼそりと呟く。]
……甘いもの、たべたい。
[こんなときにまで、そんな他愛ない話題。
その強かさが、少しだけ心強い。
そうこうすれば、女子トイレにつくのだろうか**]
喰いすぎなきゃの、喰いすぎなきゃ
[軽口を叩く口も、重たくなっていく
拒否されなかった手を、自覚してしまうと
自分の行動に、恥ずかしさを感じるけれど
それでも、何処か繋がっていないと、不安で]
…―――
いくか、この先やろ
[一歩、一歩、足を進めた]
そやな、甘いもん、喰いたいわ
帰ったら、甘味パーティーするか
[ナオに、そう言った
帰ったら、戻ったら、そう考えないと
心がきっと、折れてしまうのだ]
ほうか。菓子なら持ってきとるさかい。
後で一緒に食べんけ?
[ナオには、そんな風に言っていただろう。「後」は必ず来る、というように]
ん。ほんなら、行こうか。
……二人とも、気を付けまっし。
[かつり、廊下を歩き出す。二分とかからず、目的の女子トイレの前に辿り着いた。もう着いてしまった。そんな事を、一瞬だけ思いはしたが。
入り口から、トイレの中を見る。此処からでは並ぶ個室は見えない。奥にある小さな窓が、きしり、と小さく軋む音を立てていた]
…―――
[目的の、女子トイレの前
辿り着いてしまった、校内最後の七不思議
さて、どうやって切り抜けたらいいのだろう
もう、誰も消えないようにするには
どうしたら、いいのだろう
わからない、何もわからないけれど]
ノックして、花子さん呼ぶんやっけ?
俺が、いこか?
[守らなくては、ならないのだから]
手前から二つ目の扉を三回叩くんや。
ほんで、花子さん遊びましょ、って言うんよ。
……ほんなん。
私がどう言うかなんて、わかっとるやろいね。
[ヨシアキの問いには呆れたように、笑い混じりに返した。ヨシアキに先行の危険を冒して欲しくはなかった。そして、ナオにも]
私が行くわ。
ヨシアキは、「そん時」止めてくれんけ?
信頼しとんやからな。
[ヨシアキをじっと見据えて言い]
どうしてもそれが駄目なら……
私とヨシアキで、じゃんけんや。
[半ば冗談半ば本気のように続けて、に、と笑った]
…――――
俺は、マシロを守る
そう、ゆうたしな
ええわ、止めてやる
その代わり、マシロ
何があろうと、俺ん手、離すなよ
やる事やったら、無理矢理引きぬく
花子さんが、返事しても、せんでもな
それで、ええか?
[マシロに、右手を差し出した]
良し。
[ヨシアキの返事を聞けば頷き]
おいね、しっかり握っとるげん。
ちゃんと引っ張りまっし。
[再度頷きながら、差し出された手を左手で握った。握り合わせた手を一度見てから、トイレの中に入り込み]
……行くじ。
[二つ目の個室の前で止まり、その扉を見つめる。左側に立つヨシアキを一瞥すると、一つ深呼吸をしてから、扉を叩いた。こん、こん、こん。三つノックの音が響き]
……はーなこさん。
遊びましょ。
[個室に向かい、声をかける。と、次の瞬間、ばたん、と大きな音を立てて扉が――外開きの筈のそれが――内側に開いた。個室の中は、一面が血で真っ赤になっていた。便器からも血が溢れ出していて]
[ドアが開くのを、この目で見た瞬間に
返事の声など、聞く前に
思いっきり、マシロの手を引いた]
っ…―――
[体が動くとか、動かないとか
片手じゃ重たいとか、そんな事どうでも良く
ただ、純粋に、無くしてはならないと
無くしたくないと、思って、引っ張った]
こっちや、戻れっ…―――!
[背中から、今までで一番大きな寒気を感じた]
[便器の前の床には、頭があった。床が血の水面であるかのように、それは顔を覗かせて笑っていた。おかっぱ頭の、真っ白な肌の少女――花子さん]
!
[それらを視認するが早いか、花子さんの頭の横から、やはり真っ白い手がぬるりと長く伸び、素早く少女の右足首を掴んだ。そしてそのまま、ぐい、と引っ張る。それはヨシアキが左手を引っ張るのとほぼ同時で]
ヨシアキ……!
[その名を大声で呼ぶ。どぷり、と右足首までが赤い床に――血の沼の奈落に入り込み]
戻れ、マシロ…―――!
[渾身の力を入れて、引いているけれど
腕力と霊力は違うもので
そうそう、上手くは行かないかもしれない
それでも、この手だけは離さないと
そう、心に決めたのだから]
離さんからな、絶対っ…―――!
[背中から、声がする
聞いた事のない、女の声がする]
[問う声は、くすり、くすりと笑い続けて
願いを叶えたいのかと、語る]
そら、叶えたいわな
こいつ以外は、なんもいらんわ
[引っ張る手に、力が籠り
霊との引き合いは、どちらが勝つか]
[酷く強い力で、足が引きずり込まれていく。恐怖のせいもあったか、体が固まったようにうまく動かなかった。それでもヨシアキの手を離す事はなく]
っ……!
[ずるり、足が滑る。体がどぷりと血の沼に落ち込む。ヨシアキの手を握る手に、右手も重ねた。視線はヨシアキと花子さんとを順に見て]
[両手が添えられた手を、更に強く握り
俺も、両手で彼女の手を握る]
っ…――――!
[どうなるか、わからないけれど
力は、確かに籠っている]
マシロ、痛くても我慢しや?
一緒に、おるからな
……うにっ。
もー、二人ともいちゃらぶだに。
[普段と変わらないような二人に、少しだけ、気分が落ち着いたような。
けれどそれも、女子トイレに入る所まで。
先程の理科室や階段と同じ様な、重苦しい空気。]
[自然に、喉が動く。
瞬間、風景が一変する。
逃げ出したい衝動が意識を駆け巡るけれど、足は縫い付けられたように。]
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