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[脳に直接、斜めの圧力がずんっ・・・とかかったような気がした。
眩暈がして、思わず握っていた箸を取り落としてしまう]
あ、あれ・・・?
あれ・・・・?
[涙がぽろりと、落ちた]
あれれ、どうしてわたしは泣いているのかな・・・?
[くらくらする頭に手を当てて、落とした箸を拾おうとする]
わかんないよ・・・。どうして?
ここはとてもすてきな場所なのに・・・。
[みなの問いかけには、ただただ首を振るばかりでワカラナイを繰り返す。
涙は留まることなく流れ落ちる]
いやだ、ここにいたい。
みんなと一緒にいたいよ・・・。
[箸を拾うと、スイに]
ううん、おいしい。すごくおいしい。
[無理に笑おうとして、また涙が落ちた]
[箸を拾おうとしてくれたユウキにも、痛々しげな微笑で]
ありがとう、ととさま。
おなかはだいじょうぶなの。
でも、何かが足りないの。
へんだね、おかしいね。
かかさま、ありがとう・・・。
[ツキハナからハンカチを受け取り、目に当てる。
真っ白な布地にじわりと涙の染みが移り、何だか悪いことをしたような気分になった]
きれいなのに・・・染みになっちゃった・・・。
ととさま、こころが痛いから涙が出るの?
どうすれば治るの?
ととさまは治すことができる?
[期待をこめた眼差しで、ユウキをひたと見詰めた]
ヌイの言うバスって何だろう?
バスで行ってしまうのならばともかく、誰かが来るってのは…どういうことなんだろう?
わっかんないー。
ちかの身の上も名前の由来も、ほとんど言っちゃったようなものだし、後は少しずつ夢を小出しにしていこう。
エピでは生存か死亡か、どっちになるかなぁ?
よごしてもいいの?こんなにきれいなのに。そっかぁ・・・。
[涙を綺麗に拭い取って柔らかなギンの毛並みに鼻先を埋めながら、ふと炬燵の端に置きっぱなしていた自分の短冊を見つける]
あ・・・結ぶのわすれてた。
[手を伸ばして取ると、指の先で丸をなぞっていく]
ネギあにさま・・・ナっちゃん、リンちゃん・・・。
・・・あれ?
[思わず、ぎゅ、とギンを抱きしめる。
申し訳なさそうな目で、スイを見た]
ごめんなさい、ちいあにさま・・・。
わたしが泣くと、ナっちゃんさびしいの?
それはいやだな。
[ヌイの言葉は良く分からないが、ミナツのためにも頑張って泣かないようにしようと思った]
はんかち、すごいね。
かなしいの吸い取ってくれるの。
わたしのこころ、かぜをひいたの?
甘えるのが、おくすり?
・・・・うん!
[笑って、ギンごとユウキに抱きついた。
間に挟まれたギンは、ちょっとくるしかったかもしれない]
だめなの。
ちいあにさまもいっしょなの!
[ペンを引き寄せると、短冊に丸を描き始める。
しかし空きがなくて隙間を縫うように描かれた丸もどきは、やはり伸びきった輪ゴムみたいになってしまった。
よく見ると、ギンの丸と正確な鏡像になっているのが、分かったかもしれないが、ちかはそんなことにも気づかないまま、水色の色鉛筆でスイの丸に色を塗った]
ほら、できた!
ちいあにさま、どうして泣くの?
かぜひいた?
甘えるの!いっぱい甘えるの!
[泣き出したスイに慌てて、ユウキから離れ、今度はギンごとスイを抱きしめる]
ほら、あったかいよ。
ね?
うれしくて涙?うれしくても涙が出るの?
[不思議そうな顔をして。
しかしスイのほうからも抱きしめられると]
うん、あったかいね・・・。
[何度も何度も、スイの背中を優しく*撫でた*]
[突然謝りながら駆け出したスイに、しばし訳が分からずぽかんと]
あ、短冊・・・。
[ふと短冊を握り締めたままであることに気づき、スイを書き込んだ短冊を、ギンが持ってきた笹にしっかりと結わえ付けた。
既にみっつの丸が色褪せて見えるのを、気のせいだとばかりに頭を振って小さく唇を噛む。
部屋に戻ってしまうと、その間にまた誰かがどこかへ行ってしまいそうで、ちかは再び炬燵に。
やがてするりと睡魔が侵入してきて・・・]
― 夢 ―
「おなか、すいたな・・・」
[ちかはぽつりと呟くと、のろのろと起き上がり覚束ない足取りで川原へと向かった。
河原では、そよ風に揺れる薄桃色の春紫苑を愛でることもなく、虎杖をぽきりと折ると、地べたにぺたりと座り込んで表皮を剥いて齧りだした]
「・・・・・」
[無言で次々と手折っては齧る]
「あっ、ちかだ。またイタドリ食ってるぞ」
「やーい、イタドリー」
「もうお前、名前をイタドリに変えろよ」
[通りがかった子等が、ちかを囃し立てる]
「イタドリだけじゃないよ、ウドもセリも、いろいろ食べるよ」
[的外れなちかの答えに、どっと笑声が上がった。
なぜ笑われているのか分からないちかは、戸惑いの表情のまま俯いた]
― 夢・*了* ―
むーん、約二年ほどパン作りから離れていたのだけれど、その理由を思い出したというか、気づいた。
人狼にハマって、パン生地を弄る暇がなくなったからじゃないかーーー!!!(どーん
あ、イタドリは普通に旨いですよ。
小さい頃は良く食べました。
野山に遊びに行ったときのオヤツでしたね。
塩か砂糖をちょっと付けるとなおよろしい。
アルミホイルに塩を包んでポケットに入れて遊びに出てました。
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