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ふぁ、
[手元に飛び込んできた鈴をじっと見つめる。
ネギヤへの伝言として告げられた言葉にはこくりと頷いて]
あ。
[顔を上げた時には、ザクロは既に走り去っていた]
[テントで働くエビコに会えば、頭を下げる]
ネギ……じゃねえや。
自治会長は?
[テントの中を見回しながら問う。
その姿は見つからず、ちぇっと舌を鳴らして、屋台の方へと視線を向けた]
じゃあ 行って来る
[サンダルを突っかけて家をでようとして]
あんたお面わすれてなぁい?
[母親がお勝手から声をかける]
ああ・・・うん
ちゃーんと お面しないと ---からね!
[出て行く背に声が掛けられた]
はい、はい。
[小さな声で・・・]
もう 小さな子供じゃないし
[といいながらも 頭に 面を掛けて]
なんで かならず お面をかぶれっていうんだろう・・・このお祭り
かっこわりぃ
[少し離れた屋台のあたり、人ごみを割るように駆ける少年の姿が目に入った]
あれは、昨日の?
……はしゃぐ気持ちも分かるが。
元気だなあ。
[視線は行く先を追った]
境内の入り口までいくと 町内の役員らしき人達が 家から用意してないものには ペラペラの紙でつくられたひょっとこやおたふくのお面を配ってるのが見える。
手をふって挨拶をしながら ふらりふらり 出店をみてまわる
[立ち止まって、まだバクの後ろ姿が見える時に]
動くもの苦手なんだけどな。
[異国の言葉で独りごちながら、シャッターを何度か切る。
色とりどりの祭り風景、真っ青な空、雑踏を駆け抜ける、あお]
―宝物庫―
[鈴を宝物庫の奥、棚の上にしまう。
外に出て、扉をきっちりと閉めると]
猫さん、見張りお願いね。
[猫はザクロの実をガツガツと食べながら、『ぶにゃーお』と返事した]
[一息ついて周りを眺めると、何故だかお面をつけて歩いている人の姿が多く目についた]
なんだ。こんなの付けて浮かれてるの俺だけだと思ったら。
結構みんなつけてるんだなぁ。
[頭の上にのせたお面を外して、道行く人のそれと見比べている]
[女性は落とした鈴を拾うと、携帯を弄った後に、鈴をもう一人に投げたように見えた。
その後、こちらにお辞儀をする様子に驚く]
『バレてた?!』
[探偵失格だ、心の中で呟いた。
女性が去った所で周りをもう一度見回すと、もう一人の姿がよく見える。先日ネギヤ邸の前にいた少女ではないだろうか、と得心したところで、慌てて消えた女性を*追いかけることにした*]
……やれやれ。危なっかしい奴だ。
怪我してねえだろうな。
[少年がコケるのが見えれば、テントを出て彼に近づいていく。
少し離れた場所には、カメラを構えた写真家の姿も見えるだろう]
[少年が走ってきた方向から、カメラを手にした女性が早足で進んでくるのをみとめて]
あれ?昨日の、座敷わら……じゃなくて。
外人さんじゃないかな。
[見知らぬ土地で、見知った顔に会ったのが何となく嬉しくて、にへら……と半端な笑みを浮かべつつ、手を振ってみる]
[少年の近くには、黄色い動物キャラクターのお面をつけて両手をヨーヨーや焼きそばやらやらでふさがれた中年男性が]
大丈夫ですか?
これおっさんの落し物?
[バクがぶつかった時に落としてしまったらしい薄荷パイプを拾って グリタに話しかけた。]
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