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―藍住中央公園―
かーちゃん、おせーなぁー…
[流石に犬とのデッドヒートは疲れたらしい。
公園のベンチにくったりと座ってぼんやり]
ちくしょー
腹減った。
[家に帰ればあるはずのオヤツ。それが今日に限ってなかった]
[耳からイヤホンを抜く。
それを鞄へと片付ける。
電車が通る音が、先程よりも大きく耳へと届く。]
………………。
[ゲラゲラと笑い声をあげている男子学生と目線が合うもすぐに逸らし。
くだらない、と言わんばかりに溜息をつく。]
………………。
[男子学生の声は遠くなる。
視線を正面に戻すと、落書が目に入った。]
かーちゃん頼むよー。
ソダチザカリなんだぜ、オレー
[偉そうに胸を張って、ふんぞり返って。
口をへの字に曲げてみる]
ぐうぅぅ。
[虚勢もほんの一時。
空しく響く腹の虫の鳴き声にまたくったり]
-駅前のコンビニ-
[気だるそうな店員の挨拶に迎えられ]
――。
[商品が陳列された棚の間を颯爽と歩く]
…あった、あった
[止まったのはお菓子の棚の前だった]
[其処からスナック菓子の袋を二つ取り]
あとは、っと
[飲み物の棚まで移動し、紙パックのジュースを掴む]
おっけ
[そして、迷う事無くレジへ]
[しめて、487円のお買い上げ]
…どうも
[代金と引き換えに袋に入れられた品物を受け取り]
[やる気の無い店員による二度目の挨拶に背を押され]
……今日、ちょっと涼しすぎる、かな
[外気に触れれば小さく漏らし、店を出た]
[のさーっとベンチに背中を預け、ぐうう、と身をそらす。
逆さまになった茂みの中に、サッカーボールを見つけて]
よっ、と!
[勢いよく立ち上がる。
すたすたと慣れた手つきで茂みをかきわけて
目当ての物を手に入れてしたり顏]
っと、よっ、よっ、っと
[とんとんと小気味良くリフティング]
-商店街-
[駅前から歩き、歩き]
[足はやがて商店街へと踏み入っていく]
あ、イッチー?
アタシ、アタシ。イマリだよ。
チケットありがとね。
すんごくよかったよ!
[携帯を耳に押し当て、にかにか笑い]
[手にはビニール袋を携えて歩き続ける]
またチケット回せたら、御願いね。
凄く助かるんだ、ああいうの。
[電話の向こうにお礼を言いながらも]
[本日の話題で気になっていたスナック菓子]
じゃ、また電話するね。ばいばーい。
[それの味が気になって仕方が無い]
[そんな心など関係無く、足は商店街から出る頃合]
-商店街→藍住公営住宅付近-
-藍住公営住宅付近-
[携帯をポケットにしまい込み]
[矢張り気になるのか、ビニール袋をそっと開き]
――。どんな味するんだろ。
[中の袋を覗き込みながら、にまにま]
[前を見る事無く、感覚だけで歩き続ける]
2種類買っちゃった。
[パッケージにはバターソルト味と。
イタリアンピザ味、と明記され欲望に対し手招きする]
ふふふふ
[袋から顔を剥がし、前を見て歩き出す]
[視界は中央公園の林を捉え始めるだろうか]
-藍住公営住宅付近→藍住中央公園-
−藍住中央公園−
さむい…。雪でも降るのかな…?
[こてり首を傾げ空を見上げて、首に巻いたマフラーの端をきゅっと掴みぶるっと身震いをする。
リフティングに夢中になっている少年に気づきしばらくじーっと見つめ]
うわぁ。小さいのに上手…。
[ぽつり呟きまた空を見上げ、白い息を吐く。]
-藍住中央公園-
[るんるんと喜色を顔中に浮かべ]
[スキップ寸前の足取りで公園の中へ]
…やっぱ、今日はちょっと寒い
[ぶるる、とほんのり身を震わせて]
[あたりの景色を見遣りながら一路、自宅へ]
…あら
[しかし道中にボールで遊ぶ少年の姿が目に入り]
…不良だ
[ぼそっ、と自分を棚にあげて呟いた]
…ん?
[サッカーボールと戯れる子供の姿に気が付く。]
へぇ…なかなかやるもんだなぁ。
[学生時代にやってたのを思い出したりとか。]
[誰かの視線には気づかずにだだポールだけを見て。
たまにボールを頭に乗せたり、背中に乗せたり。
調子づいて勢いが止まらなくなったのか
やや焦ったような顏をして]
あっ、やべっ、落ちる、おっ、おっ
[…ぽてり]
あーあ。
…んあ?
[落ちて転がったボールを残念げにみて口をあんぐり。
いつの間にか非とに見られていたのに気づいて
口をぼかりと開けたまま辺りを見回した]
…み、みんな、よー…。
[やがてむすっとしてぼつり、と]
[ころころと転がるボール]
あっ
[どうやら失敗してしまったらしく]
[その際に小さな彼が此方に気付いたろうか]
ふぅ
[一つ、息を浅く吐き辺りを見回した]
[自分以外に彼を見ていた人が居るようだった]
…?
[しかし暗くて、きちりと顔を確認するには至らぬ距離で]
[とんとんと響いていた音が止んだのに気づき、少年へと視線を戻せばころりと転がるボールを残念そうに見つめる顔。
見られているのに気づきむすっとぽつりと漏らす言葉にくすりと笑い]
ごめんね。
上手だからついつい見ちゃった。
[他にも人がいるのに気づく。目が合えばぺこりと頭を下げるだろうか。]
[転がってきたボールをひょいと蹴り上げる。
スーツに革靴。
しかもほろ酔い…とそんな状態の割りに、ボールはすんなりと動作に従う。]
…よっと。
[とんとん、と膝で蹴り上げたり。]
[小さな彼が自分からは一番近く]
……?
[目を凝らせばどうやら、少年の少し向こう側に
学生らしき人物が一人]
――?
[そして、もう一方に社会人らしき人物が一人]
あ
[学生らしき人物が会釈しているのを見て]
[ぎこちなくも、会釈を返す]
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