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トメ先生か。
[村道でかけられた声に足を止めて]
……転んだだけだ。
手短に頼もう。
[明らかに不機嫌そうな表情を作り、話を聞きます]
あんたの言いたいことがわからんな。
勝手な憶測や仮説に基づいて、下らん妄想を並べ立てるとは。
とても教師の発言とは思えん。探偵か物書きの方が向いているのではないか?
[くくっと笑い声を漏らして]
ああ、失礼。神隠しだの祟りだのと騒がんだけマシか。
それで。仮にそうだとしたら。
他人の意見など聞かずとも、あんたの慧眼から結論は出ているんだろう?
お聞かせ願おうか。
……ふん。
個体が識別できればどう呼ぼうが構わんだろうが。
教師ってのは全くもって面倒な生き物だ。
この村に必要なのは、外の血だ。
知ってるか?人の身体ってのは、90日で生まれ変わるそうだ。
人も村も、変わっていかねばやがては腐り死に至る。違うか?
おや。まるで脅しのように聞こえるが。
高潔なセンセ様の言葉とは思えませんな。
[冷たい笑みを浮かべて、腕に伸ばされた手に逆に手を伸ばしました]
恫喝に嫌悪を抱く発言をし、自らはそれを行う。立派な教師様ですな。頭に二文字付け加えて。
[ザクロの腕を取ったまま引き寄せ、挑発的な瞳で見つめます。口元に笑みを浮かべて]
今度は歴史の講義か?くくっ。よく知ってるじゃないか。
……今から400年程昔。この村は争いの渦中にあった。そして、鬼がいたそうだ。
聞いたことはないか?
昔話をしてやろう。
[それは遠い記憶。まだ幼き頃、森に住む隠居老が、戯れに話してくれた物語]
今からおよそ400年程昔。未だこの国が一つの国家でなく、各地で群雄が覇権を目指して争いを起こしていた頃のことじゃ。
東の国の領主が、国境を越え、村へと軍を進めているという噂が流れたのじゃ。
村は二つに分裂した。
一つは速やかに投降し、そのまま村を差し出すという穏健派。
一つは村で自衛団を作り、軍と戦って村を護るという交戦派。
連日連夜会議は続いたが、結論は出なかったそうじゃ。
そうして、二つの勢力はそれぞれ、人ならざる者へと助けを乞い、命運を委ねたのじゃ。
穏健派は、古くから村を護る狐神に。交戦派は、近隣に巣食い悪さをする鬼に。
そうして村は、人を超えた者らの争いの場へと発展したのじゃった。
その村がどうなったかじゃと?
さて、のお。わしはその頃から生きておったわけじゃないからのお。
[ふぉふぉふぉ。老人は笑うのみ。
そんな信憑性の欠片も見えない話]
まったく、お優しいこって。
[首を横に振り、肩をすくめます。他愛ない話に興味を示したことに、意外そうな表情]
鬼の仕業だとは一言も言ってないが……いや、ある意味そうとも言えるか。
……それはこっちの台詞だ。最初に手を出して来たくせに。恐ろしい女。
[石木の手を放しました]
あんたに俺の腕が折れるか。
[すでに受けた傷跡は治りつつあります。それは尋常ならざる速度]
紳士的にってのは無理だが。無闇に喧嘩を売りたいわけじゃねえ。
欠夜来、角夜鬼……その由来は様々だが。
狐神と鬼が、この地で永い間戦っていたと聞いた。
そうして、神は鬼に呪いをかけたと。馬鹿馬鹿しい御伽話だがな。
[唐突に取り出された手紙に視線を向けます]
[手紙の欠夜来の文字を指でなぞって]
さてな。夢は、所詮届かぬものか。
[遠い目。呪縛からの解放と、同胞を見つけて共に過ごす一時。叶うことのない夢]
試してみるか?
[鍛えられた筋肉の塊のような腕を差し出して]
詳しいことは知らんさ。
意外だな。非科学的な事象など、眉に唾して聞き流すと思ったが。
狐は鬼を遥かに凌駕する智謀と霊力を持ちて、鬼を手玉に取った。
鬼は類稀なる生命力を誇りて、狐の霊力にも滅ぼされることはなかった。
やがて訪れるのは、平穏な時代。
狐は神として村に祭られて。鬼は狐から逃げながら人と交わり、その血を薄めていく。
狐は鬼へと直接手を下せなかった。
人の中に鬼の血が混じることを恐れた狐は、ある時鬼に呪いをかける。
鬼の血を濃く受け継ぎ、その力に覚醒しそうな者を見つけると、その者の周囲から人を消すのだと。
理由の一つは、神の忠実な僕らへの目印。
そんな、荒唐無稽でくだらない作り話。
光野?ああ。あの写真屋か。
消え行く者が何かを遺すとは。
[石木の掌の上で転がる真珠を眺めて]
呪いが弱まっている証拠か……
[小声でつぶやいて、目を細めました]
そうだな。
現実を見据えてる方が、失望は少ないさ。
[いざという時、との言葉に肌が歓喜の震えを起こします]
名前と同じで保守的なお堅い教師かと思ったら、意外に……ん?
また誰か、姿を消すかも知れない。
[ざわりと風が頬を撫でると、忌々しそうに空を見上げました]
葦野の吾鬼さ。
いいことを教えてやろう。
[去り際の石木に、背後から声をかけます]
もし神という存在が在るのなら。
俺が生きている限り、神隠しに遭った者が還って来ることはない。
もっとも。そうでなくなった時に、還って来るという保証もないがな。
神なんて存在するはずがない。してたら不条理極まりない。
だからそんな下らん話、全力で否定してやる。
この村を変えて、神の祟りなんかねえことを証明してやる。
[にたり、と口を歪めました]
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