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[カーテンを外した窓の外は、壁の時計が
5時を指しても 6時を指しても白いまま。
――雪は止まない。
養蜂家は一人の部屋を出て階下へ降りる。
屋内には、まだ昨夜に饗された食事の香りが
淡く残りただよっているような心地さえする。]
やあ、おはよう。
[ひと気のある大部屋を開け、声をかける。
常の長閑なあいさつは人数にかかわらずひとつ。]
[――やがて一人、またひとり人々が集う。
話題の中心は回復の兆しがない天候の話。
それから、薪に食糧等今後の見通しの話。
見通しのつかなさに場が重くなることを嫌って、
意識的か無意識的か軽口を言う者もいたろう。]
[朴訥な養蜂家は、前日と同じく皆の会話へ
積極的に加わるということがなかったが――]
… ?
―――― ホホイ。何だろ
[ふと、声をもらす。
直後、土間にいる荷馬のいななきが聞こえた。]
[養蜂家は、騒がしくてすまないと
面々に詫びたあと、しばらく席を外す。
そして戻ると――常になく困惑げな声で、
誰か外へついてきてくれるように*頼んだ*。]
/*
結局メモ使ってしまいました
お邪魔いたしております ひっそり。
スムーズに殺し合いへ移行できるよう
村建てさまがご企画くださってることですし、
2日目冒頭は和気藹々モードの回想を
ぐっとこらえて異変発覚描写といきたいものです 愛。
―― 屋外へ ――
[荷馬は、しきりに外を気にするらしく。
盲いたマティアスには、土間で忙しなく
足踏みを繰り返す蹄の音が聞こえるだろう。]
うん、助かる
[馬の主たる養蜂家は、同行を承諾してくれる
クレストへ頷いて、みじかく言い添える。]
… 無論、"俺でいい"さ。
[昨夜は寝袋だった遮光カーテンが、
――今朝には合羽代わりになる。
養蜂家が使う部屋の窓から
もう片面も外し、若き司書へと手渡した。
吹きつける雪は、横殴りに白くしろく…。]
村から、救援でも
寄越してくれてるんだといい。
[視界の悪さに戻り道を見失わないよう、
戸口で灯りを掲げてくれるユノラフへと
そう言い残し――馬の導きに任せることに。]
/*
ここで、
[ダグの荷馬が感知したのは村の救援でなく
変わり果てた姿のドロテアだった。
運ばれてきた遺体に祈りを捧げていた○○は…]
と大胆な場面転換をしてくれるPLさんが
おいでだととてもわっしょいです(無茶振り)
いまのところ全レス村ですよね 対極!
―― 屋外 ――
[はや膝下まで積もった雪のなか――
先をゆく養蜂家が後ろを振り返る回数は、
背に視線を受ける数よりずっとすくない。
コテージで待つユノラフが掲げる灯りを見、
色白の若者を見、手探りで彼の手を取り、
――出発前の短い時間で教えたばかりの
『進めるか』を尋ねるハンドサインを
そのてのひらへとんとんと2回ぶつける。]
―― 氷雪吹き荒れる、湖畔 ――
[――ドロテア。村の娘。
養蜂家も蜂除けに使う3本指の皮手袋を
脱ぎ捨てて、素手で細い首筋に触れるが]
……
[そうする前にしんでいるのは解った。
それほどに、骸は雪よりしろく在った。]
… うん
[ベールの下から、漸うクレストへ応える]
――
…マティアスが、けさ
[思案を手繰りながら、司書のほうを向く。
彼の顔色と震えを目にして――
年嵩の男は言いかけた言葉を止めた。]
[呼吸を、意識的に深く吸って 吐く。]
… 連れて戻る。
[続きは置いて、決断を伝える。
触れた手を一度引くと、
死したドロテアの蒼いくちびるが薄く開いて
なかば霙状の湖水がとろりと流れ出してきた。]
…凍えたんじゃない な。
溺れた…?
わからないな。
…わからん。
[仮死状態からの蘇生も、なくはない。
だが地表より温度低下の緩やかだったろう
湖での溺死らしき…望みは薄いと言えるが、
ふたりでドロテアの体を馬の背へ乗せる。]
[程無く戻りの仕度が整うと、]
……
クレスト、
[籠めて、若者の名を呼ぶ。
伝えておいたもうひとつの合図。
『振り返らずに先にいけ』、*と*。]
―― コテージ / 裏口 ――
[遅れて戻った男は、濡れた外装を振り捨て
つめたいドロテアを荷馬の背から下ろす。
待っていてくれたユノラフの手を借りて、
裏口から土間を通って――――浴室へ。]
湯はあるかい。
…野菜のゆで汁だって構わないから。
[ふと香った煮炊きの匂い。
連れ帰った娘をあたためる手段を模索する。
医者でもない身が、つたなく手を尽くす。]
[やがて報せに人が姿を見せたなら、
畑違いの昆虫学者にさえ知恵を求める。
けれど、ドロテアは還ってこない。
屍肉に立つ霜柱がとけたころに、
心臓を圧迫して、
圧迫して、
圧迫して。
肋が軋む手応えをおぼえてはじめて、
手を止めて。
――彼女の両手を胸上に組ませた。]
[沈黙は、黙祷の其れでなく
いまや別のいろを帯びていた。]
[火の入った暖炉で、薪の爆ぜる音。]
[養蜂家は、
直に床へ腰を下ろして片胡坐をかいている。]
[いつもの頭巾は、重く湿った帆布衣と共に
暖炉のそばで干され幽かな湯気をあげる様子。
蒲柳の質が否めない司書を部屋へ見舞った際、
まだ目覚めていなかった彼を介抱していたミハイルと
如何なる会話があったかは、余人の知るところでなく。
頭からバスタオルをかけている
養蜂家の表情は半ば見えない。]
[マティアスの語尾を捻り上げる悪態、
人びとが口々に洩らす疑念の渦巻き。]
…
カササギと炎 落とされた蓋
花飾りの娘が 湖畔に立つよ
[暖炉の炎を見つめながら、
床に座す養蜂家がふと抑揚浅く唄いだす。]
[旧い呪歌<ヨイク>の形式で
零れる其れは、男の即興でなく…]
<タピオ> スエ
森の主の息子のいもうとの裔
リヨロラ クッカ ロヨネナ
カササギと炎 落とされた蓋 …
[ヨイクは文字を持たない旧き民が、
記録と記憶のために用いた手法。]
…ドロテアが生まれたときに、
彼女の父親がヨイクしたものだよ。
[聴き取りと解釈の難解なものだが、
近年は若き司書たるクレストの手で
記録が進められているとか――――]
<タピオ>
森の主の「息子のいもうと」、
ようするに娘…の名は、
[誰か続きを知るものがあれば、
ことばを引き継がせるような間。
被ったタオルの隙間からのぞく
養蜂家の左目は旅の蛇遣いをみている*]
[旧い神の名だ。
地元ウケを狙って名乗っているなら、
非常に間が悪い。とてもかばえない。
本当に縁あって名乗っているなら、
直接この手にかけたくはない。
そして、
ドロテアを死へいざなったものが
彼女の祖を名乗っているのなら。
―――あまりに、趣味が悪すぎる。]
本名かどうかは、しらない。
あいすまんことだが、旅のひと。
[蛇遣いを迎え入れた
養蜂家は、先を続ける。]
…お前さんは、
ここを出て 逃げるのがいいと思う。
[――極寒の原野へ。
旅慣れてはいるが誇り高き蛇遣いが、
無理に居座ることはできるだろうか。
借り宿の旅人に告げる、
事実上の *自殺勧告*]
"おかえり"。
――それから、どうか無事で。
そいつは、
お前さんの慰めにはならないんだ。
[相手の何を拒絶し、また容れたのか。
一切を伝えない男は、二度は*詫びない*]
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