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[手に握りこんだままのメモ帳。
…気付いたことを書き留めようとしていたけれど、結局白紙のままだった。]
誰も、おらんのかな…?
[やたらと静かな屋敷内。
警察は帰ったのだろうか。
ひょいと廊下に顔を出せば、そこにはボタンとゼンジの姿。
…まさか、ちょうど自分を探していたとは知る由もない。]
あぁ、よかった、
ゼンジさん無事やったんやね!
もう、居なくなってもうたらどうしようかと…
…ボタンさん、警察の皆さんは帰りはったん?
[ここが何処だか気付かずに、そんなことを聞く]
まあ、モミジさん!ご無事でよかったわぁ。
心配したのよ。
[嬉しそうにモミジに微笑みかけながら]
警察?いえ、まだいるはずだけれども……
そういえば、姿が見えないわねぇ。
それになんだか館の様子も違うような。
[『話は聞かせてもらったわよ』と、扉を開けるシーンの練習をして空を切っていると、書斎の方で何者かが暴れる気配がした]
危険人物はどっちなの!?
[玄関の内側と、右左上下下と目を回す]
話? ほとんど分かりませんでした。
ネギさんが見つかったらきっとそうする、とか言ったのは聞こえましたけど…。
何、話してたんです?
[おずおずとヒナに答え]
[? 扉のほうで、なんか人声がしたような……、と首を傾げ]
[ 実際のところ、男にはヒナが思うような思惑があったわけではない。
ただ、誠実に茶封筒の原稿に向き合いたい。もちもちのネギヤが残したものに対して編集者として向き合いたいという、真実に1歩近い側からの視点を持っていただけである**]
ええ、あなたガモンさんは朝に消えたと…。
もちもちとしたネギヤ先生とともに。
……え?
[ ワンダーなランドのことになっているなどとは、男の理解力ではなかなか把握できなかった**]
[ゆるりとため息を吐く]
おネギのこと見つけないと終われないっていう話と。
グリタさんはお人好し、っていう話かしら。
[思い出して、苦笑する。
首を傾げるギンスイから、視線を扉の方に向けると。
すぱああんと、「声は聞かせてもらった」とばかり開け放った]
きゃぁぁぁぁ!
[脱衣所の扉が開かれてしまったかのような格好で叫び声を上げる]
なんだ、弁護士さんだったのね。
あなたがおネギさんを細くした犯人なの!?
そう、よかったわぁ。なんともなくて。
[ゼンジの言葉に安心するも、続く言葉に不安な表情で]
そうなのよ、庭もなんだか昔の雰囲気に戻ったような。もっともネギちゃんの家には家庭訪問のときに来たくらいだけれど。
あの金木犀の感じ…記憶にあるような気がして。
ネギっちも消えた……?
じゃあ、やっぱりこっちの家のどっかにいるのかね。
もちもちとした先生って、もちもちしてない先生がいるみたいじゃないすか。
……え?いた?
[グリタから遺体の話を聞いて、何がなんだかわからない]
何がどうなってるんだろ、この場所のことといい。
[ここが過去であるらしいと多分に推測混じりでグリタへ説明するが、今度は向こうがピンと来てはいない様子]
それ、ネギさんが事件の犯人ってこと?
――き、きゃあああっ、
[脱衣所の扉が開かれてしまったかのような悲鳴にびびって、反射的に悲鳴をあげる。]
な、なにやってんすか。
そっちだって怪しいっすよ!
あと多分、細くなったわけじゃないっすよ!
[つっこみきれない。]
そういえば、わたしのお人形、どこへ行ったのかしら。
警察の方に聞いてみるわね。
[そう二人に言うと廊下を歩き出した。
少し歩いたところで足を止める。]
まあ、この電話機。今ではあまり見ないわねぇ。
…………懐かしいわぁ。
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